鳴子温泉郷・タンブルウィードバーガーズカフェ

仙台、今年も酷暑か、さもなければ降雨というクルマ乗りには面白くない天気が続いている。筆者自身は7月初頭に鍵盤奏者として参加するライヴがあり、そこに向けて準備をしていて曉号を駆る頻度は激減した。ステージでの生演奏の準備と言えば、普通は曲の理解と技量のすり合わせをひたすらやるというインドアな作業だが、筆者の場合「当日元気に会場入りする」というもっとも基本的かつ重要なタスクがまずあり、結果的に家に篭りがちになるし生活にドラマがなくなってしまう。人間、こういう風に感性が死んで行くのか……とゾッとすることがある。しかしライヴも無事終了し、頭が切り替わってきた。待たせたな曉号。どっか行こうぜ。

浮かれて向かった先は宮城県の北部・鳴子温泉。南の県境・丸森町とどちらにしようか迷ったのだが、天気予報で最高気温が低い方を選んだ。どっちにしてもその日天気はよろしくないのだし。鳴子方面で質の高い食事を希望しても、知識不足もあってあまり選択肢が筆者にはない。だが少なくとも今は「タンブルウィードバーガーズカフェ」さんを知っている。県北の牧場地域に珍しいインディペンデント系ハンバーガー屋さんである。2023年に思い立って鬼首(おにこうべ・鳴子のさらに北)に夕焼けの写真撮影に赴いた際に初訪問。その時すでに鳴子温泉街への支店出店がアナウンスされていた。鳴子温泉は各宿の夕食が贅を尽くしていて……というか量が多いというか、とにかく宿での晩ご飯が宿泊イベントの大きな割り合いを占める(個人差あり)。反面温泉街は日が暮れるとさみしいことになる。もちろん地元の方々のために居酒屋さんなどが数件夜営業もしているようだが、はっきり言って昭和テイスト満載で若者が積極的に足を運ぶようには筆者には見えなかった。そこにタンブルウィードバーガーである。下調べをしたら営業は23時まで(臨時変更もあるようだが)。食事だけじゃなくバー、カフェの機能もあるのだ。若者がとぐろを巻く環境があることは地元にとって重要。再訪時にはこれを食べようと決めていたメニューもある。ここはひとつ鳴子温泉街の特異点がどんな具合なのか、この目で確かめようという趣旨である。

久しぶりに午前中から出発するので、あまり負荷の高くないコースを選ぶ。R457+R47という王道すら検討したが、交通量もそれなりにある雨中の道行きなので、頭を押えられたストレスフルな往路になってしまうのはほぼ確実。そこでR457から色麻町内で小野田方面へ分岐。山際の定番コースK226を北上し上多田川(かみただがわ)まで。いつもなら左折して川渡温泉へ通ずる、よりハードなK267を行くが、この日は負荷少なめを目指したので無理せず岩出山町内へ抜け、R47をしずしずと北上し鳴子温泉へ。地図を作ったので掲載しよう。

色麻町・定点観測地点
色麻町・定点観測地点
岩出山町へ向かうK226
岩出山町へ向かうK226の途中で。
写っていないけどこの登り曲がり角の先で
ダンプカーとトラクターのすれ違い攻防が
繰り広げられている。大人しく待つ、の図

タンブルウィードバーガーズカフェ鳴子店は11:00開店。5分早く到着してしまったが1軒隣に専用駐車場があるので、そこに停めて時間調整。ゴルゴ13並みの正確さで11時に入店。お姉さんがまだ床にモップをかけていた(笑)。すみません、もういいですか?どうぞどうぞ。天井の低い店内はダーツマシンやプロジェクションなどの他にバーカウンターもある。席数もテーブルにして10以上あるようで、ここでパーティーとかやれば楽しそうだ。どこかの宿と提携して温泉入浴+クラブパーティーとかやったらどうか。残念ながら防音はされていないようだから大音量(DJプレイや生バンド演奏など)は難しいかもしれないが。

タンブルウィードバーガーズカフェ鳴子店
タンブルウィードバーガーズカフェ鳴子店。
この建物の使用経緯には紆余曲折があるが、
ぜひ定着してもらいたい

ここんちのバーガー、パティには和牛肉を使っている。さすが本店は牧草地帯の牧場銀座で営業しているだけある。おまけに野菜類が新鮮でうまい。1年前の本店ではそれなりに華美な品を食べたが、素材の良さに気付いたので次回訪問時は一番シンプルなメニューにしようと決めていた。それはグランマバーガーである。パティとレタスとトマト。潔い。だがさすがにこれにチーズをトッピング。オニオン+ポテトフライ、アイスティーを頼んで2,000円しない。

グランマバーガー with チーズトッピング
グランマバーガー with チーズトッピング
アイスティー、オニオン&ポテトフライ
アイスティー、オニオン&ポテトフライ。
他店と一線を画すポテトだが、オニオンフライも含め
筆者には油ギッシュすぎた……

価格とのバランスもあるのだろうが、もう少しパティにボリュームがあると嬉しい。あとベーコンは自家薫製くらいまでしないと仙台市内や周辺で鎬を削る同種のお店にはかなわないだろう。まぁパティはオプションで2枚はさんでもらえば済むが、ベーコンはなぁ……。今回もレタスやトマトは本当にうまかった。たまにしか訪れない客の勝手な言い分だがお店の人が横目で読んでくれたら嬉しい。トータルとして満足行く食事だった。

満腹になってまだ11:30を少し回ったところである。早っ!とにかく低負荷。R47を山形県側に少し乗り出して遠回りして帰ることにする。上掲GoogleMapの復路レイヤーを参照いただきたい。

R47から南へ曲がる。鳴子温泉方面を望む
R47からK28へ。鳴子温泉方面を望む
警告表示
まぁそうっすよね。
ちなみにこの最上小野田線を宮城県に戻れば
今来た宮城県K226へ戻れる。
一部未舗装路があるようで筆者は未踏破
赤倉温泉入り口
赤倉温泉入り口
K28とR347を結ぶ農道にて。宮城県側を望む
鍋越峠への入り口
R347、鍋越峠への入り口。
ここも定点観測地点

5時間/184km。R347・鍋越峠がざんざん降りで参ったが、国道を中心にコース設定したので確かに低負荷だった。いや、これくらいならぜんぜん体力的に問題ないことがよくわかった。次はもう少し距離を延ばすか、峠道も走ってみるか。

13件のコメント

  • acatsuki様
    おはようございます。
    R347は、実家から近い道ですが、小野田までしか行ったことがなく、いつか県境を越えてみたいと思っています。
    鳴子では、もっぱら栗団子です。ハンバーガーは食べたことがないので、今度チャレンジしてみたいですね。あと、おにぎり屋さんにも行ってみたいです。使っているお米が鳴子のもので、絶対に美味しいと思います。(お米そのものは食べてみたことがありまして、甘みが感じられてとても美味しいです。)
    5時間、途中休み休みなら行けるかな…。最近集中力がないので、それが心配です。(滝汗)
    緑が濃いうちに、山の方へ行ってみたいと思っています。(暑そうだけど。)

    • 小野田までが快適で、そこから先の県境越えの領域は124では止めておいた方が良いと思います。いちおう途中まではGoogleストリートヴューにあるんです。舗装が終わってるところでストリートヴューも終わってたはず(笑)。栗だんごがおいしいお店はいくつかあるんでしょうか。私はもっぱら餅処深瀬さんです。おかみさんの接客が本当に気持ち良いお店でもあります。あとこの時の帰り道、温泉街の坂道を下ってきて高架下をくぐるところにラーメン屋さんがあるのに気が付きました。調べてみようと思います。でもおにぎり屋さんは知らなかった!
      ___
      今回の道行きに5時間かかっているのは、K226の山道を走ったのと、あちこちで写真を撮影したからだと思います。普通の人なら5時間のツーリングなんか楽勝ですよ!普段忙殺されているTazzaさんこそひとりツーリングで気持ちを切り替えていただきたいですー。

  • acatsuki様
    たしか(というのは久しく行ってなくて…)、東鳴子で食べたお団子が美味しかったです。
    どこだったっけ?とネットで見たところ、たぶん↓のお店だったと思います。
    https://www.narumi3.com/
    おにぎり情報はまた別途お知らせいたします!
    たぶん、今のacastuki様にはおにぎりとかのほうが身体にやさしいですよね。
    それでもハンバーガーを選択するのはacatsuki様が漢たる証しだと分かっております!(笑)

    • 東鳴子はまだ立ち入ったことがないのですが、友人からおすすめの宿をプッシュされていたりして大変興味があります。ウェブサイト、愛が溢れてますねー(笑)。ぜひ行ってみます。おにぎり上方もお願いいたします。鳴子温泉街をGoogleMapでさらってみたのですが見つけられませんでした。

  • acatsuki様
    おにぎり屋さんは、こちらでした。
    https://www.instagram.com/musubiya_npo/
    鳴子で作られている「ゆきむすび」というお米で作ったおにぎりです。
    私の身体の8割は「ささにしき」でできていると思いますが、他の銘柄の宮城米も美味しいですよね。
    「だて正夢」も甘く感じましたが、「ゆきむすび」はホントにお米の甘さが際立っていて美味しいですよ。

  • acatsuki様
    追伸です。(書きそびれ、連投申し訳ございません。)
    おにぎり関連情報はメールでもお送りしましたので、届いておりましたら、ご参照くださいませ。
    宜しくお願いいたします。

    • むすびや鳴子の米プロジェクトさん、これは鳴子というよりも中山平温泉ですね!しかもR47から少しだけ引っ込んでる(笑)。このエントリーの時まんまとスルーしてますね、こりゃ。うわー、知ってりゃ寄ったのにー。
      ___
      暁スタジオの常備米は現在「ひとめぼれ」で、甘みやねばり、冷めてからの味わいなどのバランスが非常に良いと感じています。だて正夢も試してみたんですが、ひとめぼれに慣れてしまった舌にはあれはケーキみたいなご飯ですね。甘くて粘りが強い。でも家人曰く弁当の白メシにするとベストという評価もあり、もうちょっと単価が安ければレギュラーメンバーになったかもしれませんが……。ゆきむすび、見つけたら試してみます。

  • acatsuki様
    冷めても美味しいというのは、ゆきむすびも共通で、おにぎりは美味だと思います。
    美食家のacatsuki様の判定や如何に!…ですね。
    不景気よりは、ケーキのほうがよいですよね~。(笑)


    あれ?、こちらは「クルマから派生する食についてのブログ」でよかったんですよね?(滝汗)

    • >>こちらは「クルマから派生する食についてのブログ」でよかったんですよね?
      はい!大丈夫です(笑)。
      ____
      だて正夢からひとめぼれまで、個性的なお米が市場に出揃っている今、改めて「ササニシキ」ってどうなんだろうと興味があります。一時期宮城のお米のスター選手でしたが、甘みの強いお米が流行り出した頃から落ち目ですよね。今食べたら意外とバランスの良いオールラウンダーなんじゃないかと思うのです。今度2kgくらい買ってみよっと!

  • acatsuki様
    「ささにしき」のほか、「ささ結」もおすすめです。
    こだわりのあるお寿司屋さんでは「ささにしき」を使っているところが多いと思います。

    いや、こんなにお米の話ばっかり書いていて、ブログ愛読者の皆様はさぞかしドン引きされていることと思います…。
    この場を借りて、お詫び申し上げます!m(_ _)m

    • そうそう、すし飯にササニシキって話は聞いたことがあります。でもお寿司屋さんで「シャリのお米は何を使ってるんですか?」ってところまでつっこんだ会話にはならないしなぁ(笑)。

  • acatsuki様
    家でよく食べるコメの銘柄はひとめぼれですが、だて正夢もデビュー時に配ってたサンプルを食べましたが弁当とかおにぎりみたいに一旦冷ましてから食べると旨いですね。
     ササニシキ系は、ほぼ宮城でしか作っていないようですけど業販用途で生き残ってるんですね。重たくなくてあっさり目なのでカレーとかにも合いますし、すし飯にするときべたつかないようですね。

    ハンバーガーと言えば、松島のHarry‘s Junctionがトーナメントを勝ち抜いて日本一になったみたいです。
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000119871.html

    • ササニシキ=カレー!!あぁ、それは合いそうですね!粘り気があっさりしていてさらっとしているのがきっと寿司酢やカレーなどと合うんでしょう。だて正夢のおにぎりも納得です。当スタジオでは30kg無精米状態のひとめぼれを常用しているのですが、仕入れ先の都合で秋口くらいまで納品不可になってしまい、良い機会と捉えいろいろなお米を少量ずつ試しているところなんです。
      ___
      ちなみにHarry’s Junction、布教者としてここ数年あちこちでお薦めしてきましたが、もうお役目ご免で良いだろうと思っております。と言いつつ今週末も行く予定なんですが(笑)。あそこは研究熱心な上にとにかくうまい。パティがうまいしベーコンがうまい。言うことありません!

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