自業自得2024:詳細編

フロントサイドパネル
正直、この画像を見るのもツライ

各方面に差し障りがあると思われるので詳細を書かないが、曉号こと筆者のマツダ ロードスターND5RCを自損事故で板金修理送りにしてしまった。任意保険上の対人対物どちらも対象はゼロで、完全に「勝手にミスって勝手に壊した」パターン。具体的には左側面を擦ってしまった。

rear quarter1
左リアクオーター、ドア直後
rear quarter2
左リアクオーター、タイヤ直上。
地味にフィンも傷ついている

事故ったその足で(株)ファン・ファクトリーさんに持ち込み主治医Kさんに診てもらったのだが(自走できたのは幸いだった)、フロントバンパーは交換、エンジンルーム脇とリアクオーターのボディ外板は板金修理という見立てであった。Oh,NO!加えて左前アロイホイールを盛大にガリっていた。テンパっていたのか現場では気付かなかった……。

板金修理よりも慎重な調整が必要になったのがこのアロイホイール。普通に判断したら1本だけ買い直しというレベルの深手傷だった。で、後日判明するのだが、このアドバンレーシングのホイールはすでにディスコン、正しくはマイナーチェンジが施されており、同じ物を新品では購入不可能だった。まさか1本だけ違うホイールを履かせるなんて選択肢はない。となると任意保険の車両保険対象範囲はホイール1本だから、残り3本は自腹を切るということになる。

advan racing

そんな金がどこにあるのかという話以前に、このアドバンレーシングはA-Sudさんから(タイヤ混みで)譲っていただいたものであり、曉号が装着するまでにはいろいろと経緯、つまり物語があるわけであっさり脱ぐにはあまりにも抵抗がある。1本がっつり削ってしまったからと言って、売っ払って新品に取り換えましたー!やっぱり畳とホイールは新品に限るねぇなどと呑気に喜ぶわけにはいかない。善意には敬意と善意で応えなければならない。

という話をKさんにした。すると「じゃあリペアでなんとかなるか確認してみましょう」とおっしゃる。こういうのがすぐに通じるのもありがたい。これまで筆者はホイールリペアには積極的ではなかった。なんと言っても安全に直結する、足下のかなり重要なパーツだからだ。だが今回に限っては逆だ。リペアしてでもこのホイールを手元に残す意味がある。Kさんを通じてリペア屋さんに確認したら何とかイケるだろう、と。また幸いホイールリペア業界は秋は業務に余裕があるのだという。つまり多くの発注者はスタッドレスタイヤへ交換する際に、ノーマルタイヤへ履かせていたホイールの傷に改めて気が付き、冬の間にリペアしちまおうと考えるケース多いのだそうだ。その直前の秋口は凪の状態なのだという。これは筆者にとっては幸いであった。下手したら板金修理よりも時間がかかるかも……と言われたが、こうなればリペア一択である。

だが板金修理やホイールリペアよりももっと恐ろしいのが塗装費用だった。マツダのプレミアムソウルレッドなる赤色は複雑な多層塗装による絶妙な色変化が素晴らしい。多くのマツダ車のイメージカラーになっている反面、塗り直しには相当な金がかかる。驚いたことに見積り金額の半分は塗装代なのだ。

Kさんの当日見積りでは40ー50万円という泡を吹いて気絶しそうな金額だったため、任意保険を使うことにした。後日保険屋さんからの通告によれば「車両保険348,491円」だった。当日の特急見立てどおり、Fバンパーは交換され、ボディ外板は板金修理+再塗装となったので(リアホイールアーチに着いているゴム製のフィンは新品に交換されたとのこと)、何をどうやって30万円台に圧縮したのかはよくわからない。ただ来年以降の保険料支払いには影響が出る。まぁ自業自得だ。仕方ない。

すでに受け取ってから1週間ほどが経過した。受け取り当日の驚きは忘れない。板金修理による完璧なディテイル復元もそうなのだが、2015年式曉号の塗装ヤレまで考慮された塗装作業がもはや「尊い」と言いたいレベル。いずれKさんに塗装屋さんの名前を確認してポン酒の一升瓶でも付け届けしようかと思わされる匠の技である。

一方ホイールリペアはまだ完成しておらず、曉号は現在スタッドレスタイヤを履かせて運用している。再会の嬉しさに意味もなくショートツーリングを繰り返しているのだが、やはりドライ路面ですらグリップ能力に明確な差があり心がモヤモヤする。アドバンレーシングに履かせていたのはミシュラン パイロットスーパースポーツだから無理もない。嗚呼。だが純正16インチへのダウンは路面からのあらゆるショックがまろやかで、ま、これはこれで……と思わなくもない。

本当に事故は一瞬だ。こんなこと筆者に言われたくないだろうが、本当にみなさん、どうかご安全に。

16件のコメント

  • うぅ、痛々しいですね。私でも心痛い。この状況でドアが無傷だったのが不幸中の幸いですね。
    それにしてもキレイに治って(直って、ではない)何より。まだかかるのかなぁと密かに心配してました。クルマもですが、走れないacatsukiさんを。いくら代車に感心してるからって、それはそれ、これはこれ、だもの。
    キレイになった愛車とお互い気をつけてオープンドライブ楽しみましょ!
    あ、ホイール、124のが2セット浮いてます。必要な時には声かけてね。

  • ええっ!2セット??それは……ほしい……が、置き場所も履かせるタイヤもない……。
    ____
    曉号を受け取りに行って「じゃあお世話様でしたー!」と乗り込んで一言。「ひっっっっっっく!」久しぶりなので着座位置の低さに驚きました(笑)。でも慣れるともっと低くしたくなるのよねー。

  • ぎゃー。
    これは心折れますね。お察しします。
    でも、車だけの被害で良かったと思います。ほんと。
    不幸中の幸いですね、ラッキーと思いませんか!?
    綺麗に直ったようで、良かったです♪
    また走りに行きましょう^_^

    • 実は運が悪けりゃオレ自身行方不明になっていた可能性もあったなぁと。ま、その他にも自分以外誰も巻き込まなかったってのが本当に良かったと思います。身体にもまったく問題が無かったし。クルマは修理すれば直りますからね。
      ___
      でもやっぱり直ってきた車体を見たら「あぁ、オレ、落ち込んでいたんだなぁ」とは思いました(笑)。改めて大事にしてやろうと思います。

  • acatsuki様
    124に乗っていたときに、左側のホイールをガリッとやってしまったことがありまして、他人ごとではない感じで拝読しました。私の時は、直そうかどうしようかなんて言っているうちに695に乗り換えることになってしまいましたが…。「ホイールが守ってくれたって思うしかないですね~」とディーラーさんからお話しされたのを覚えています。acatsukiさんがご無事であったことが何よりです。運転しているとやっぱり予期せぬことも、いろんなことが起きますね。私も慎重に運転しているつもりではありますが、気を付けないとな…と思いました。また何かの際にはお声がけいただければ幸いです!

    • 特にTazzaさんや私のような現状の人は、運転に注意した方が良いです(断言)。出先で体調不良や眠気など現れたら「即」休憩!これを励行するだけでぐっと安全になると思います。「危ないかもしれないから外出は控えよう……」ではもっと体調が落ち込んでしまいますしね。

  • とにかく体がご無事、加えて人を傷つけずに何よりです。
    自分自身、歳のせいもあってか以前より運転に集中出来なくなってきている事を感じることがあります。
    正確には自分では集中しているつもりなのですが、以前ほど注意力が弱くなっているということでしょうか。
    普段私はどうしても飛ばしがちですが、今回の件で私も身の引き締まる思いで拝見させて頂きました。
    大好きな車で自分や他の人を傷付けたくないですもんね。
    皆さんご安全に!

    • 今回は交通状況としてはまったく安全無害な場所での出来事でして、もう本当に自分自身の落ち度100%。イヤになります。年齢を重ねて集中力が落ちたというよりも、「安全を確信できるまで時間がかかる」って言うんですかねぇ。右みて左みて、で、また右みてクルマを少し前に出してまた右みて左みないとT字路合流できないんですよ(笑)。人はそれを慎重になったと言うのかもしれませんが(笑)、以前よりも時間がかかるようになっちゃったなぁというのが自分自身の感覚として正直なところです。
      ____
      でもとにかく事故を起こしたら何もかもパーですから、絶対に安全優先が正解ですよ(と自分に言い聞かせ)。安全優先して速度が低くなったり一時停止できちっと安全確認するのは、ドライバーとしては「前はもっと速く走れていた/できていたのに……」というネガティブな劣化かもしれませんが、社会的には歓迎される変化だと思いますし(笑)。

  • ほんと、これは ぎゃー!ですね。
    心配しておりました。
    .
    私の場合リアトランクをコツンとやっただけで立直るのにひと月以上かかりましたから…
    お察し致します。
    .
    どうぞご自愛下さい。

    • 落ち込む深さに「車体の傷の大小」は関係ありませんから。トランクをコツンとやっただけでも、左半身ガリガリ擦っても、心のダメージに大きな差はありません。それは「オレ、運転下手なのか……?」という恐怖に対する心のおびえです。嗚呼。

  • なんとも痛々しいお姿・・・お気持ち察するに余りあるところですがacatsuki-studio様ご本人がご無事で何よりです。こちらも明日は我が身と引き締まる思いです。
    アドバンレーシングホイールは、お譲りした時点ですでに多少キズモノでもありましたし、処遇については全く自由にしていただいてかまいません。とはいえリペアのご用命済みとのことで、ここからどのレベルまで修繕されるのかは大いに興味深いですね。
    あとはタイヤにピンチカットとかが無ければいいのですが・・・

    • ご厚情の言葉、ありがとうございます。個人売買で購入したものに関しての私の考えは、まぁカッコ良く言えば「矜恃」ですしあっさり言えば「思い込み」ですが、でもやっぱりそのパーツを見るたびに「○○さんから買ったもの」という意識が働きますので、玄人ぶってそこを御座なりにしてくないという思いはあります。
      ___
      タイヤに関してはプロの目が3人以上入ってますので大丈夫でしょう。大丈夫だといいな。今日あたり補修完了の連絡が入る予感。

  • こんばんは。落ち込みますよね。私も落ち込みました。acatsukiさんはもう直って(ホイルはまだでも)戻ってきたので、一安心ですね。
    私の場合はまだなんです。手元に愛車がない状態で1週間過ぎた頃からイライラし始まりまして、今はもうここ2,3日天気が良いのが災いして、最悪です。明日一応いつ直るのか連絡が来ることになっていますが。
    私の場合は、雨が土砂降りに降って運転に気を遣って家に戻ってきて、気が抜けて安全確保がおろそかになり車庫に左後ろをガリリ、でした。一遍車を止めた時に、ここからが大事だぞと自分に言い聞かせるべきでした。ガラスもミラーも濡れていて見えない状況だったのでちょっと確認すべきでした。ちょっと、が命取りでした。
    これからは一に確認、二に確認を励行します。

    • 出先で盛大にぶつけようが自宅ガレージでコツンとぶつけようが、心のダメージ量に大きな違いはありません……(泣)。確認が大事というか、わたしたちの共通の敵は「慢心」、これじゃないでしょうか。ぐぬぬぬぬ。

  • まずは本人様が無事で何よりです。「車が身代わりになってくれた。」とかいろいろな考え方がありますが、凹む気持ちは変わらないです。でも復活したNDも何よりです!またぜひともお会いしましょう!

    • 次回お会いできた時に(ご希望であれば)詳細をお話ししますが、「クルマが身代わりに……」なんて美しい話じゃなく「おまえ何やってんだ!」並にドライバーが悪いケースでして……。NDが帰ってきた今では「この冷間時のギアの硬さ、どーにかならんか」などと思っていますが、慣れた愛車だからという理由だけでなく、ロードスターとはやはりドライバビリティについて真剣に考えられたクルマなんだなと思い知ります。末端まで熱が入った状態のNDの人馬一体感は本当に素晴らしいです。

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