高清水町で受け継がれる名物ラーメン
10月下旬からの「お、良い天気だな。曉号でひとっ走りしてくるか」的心理とはほど遠い約ひと月を過ごし、ようやく日常が徐々に戻って来つつある。だから走りに行くというよりも、ひとりツーリングに出かけることで日常が戻ってきたことを実感しに行く……という方がより正確かもしれない。
宮城県北の内陸、高清水町へひとりツーリングに出かけた。県南でももちろん良かったのだが、あっち方面は何かと福島県へ越境したくなってしまう。体力を必要以上に削らない配慮として県北、そんな考えもあった。つまりライトツーリングだから、さくっと昼メシを食べて戻ってくれば良い。グーグルマップの保存ジャンル「行ってみたい」を丹念にチェックしたところふたつの食堂が候補に挙がり、往復のコースにひらめきでバリエーションを考えやすい高清水町の「いろは食堂高清水支店」さんをゴールに定めた。支店ではあるが、本店である岩出山町のいろは食堂は数カ月前に惜しまれつつ閉店してしまった。直系いろはとしては唯一の店舗なのだ。いろは食堂の「特製らーめん」はこのようにわざわざ出かけても食べる甲斐のある逸品だった。支店でその味は受け継がれているのだろうか。いざ試さん!
朝10時頃に曉スタジオを出発。素晴らしい快晴。早々に幌を開ける。当然高速道路不使用。仙台市北部からR457で大和町、大衡村、色麻町へ。R457を逸れて田園地帯をくねくね走り(ここ重要)、大崎市三本木の「ひまわりの丘」をかすめつつK158に乗る。R347も跨いでK158をひたすら真っすぐ北上していくとR47、E4東北自動車道・古川IC付近へ抜ける。ショートカットしてK59で江合川を渡り、さらに北上。やがてE4・長者原SA脇へ至る。SA脇をスルーして東へ。
道路勘のないこの辺でコース取りを間違い、K266化女沼公園線に乗ってしまう。別に間違いではないが、やや逆行してしまうのだ。途中で気付いたが、ま、いいや。セブンイレブン古川新鶴巻店の交差点でR4・羽黒交差点を横断。ここからK19に交差するまでまたもや田園地帯を走ることになる。車外気温計は17度を示していて、見える景色も体感上の空気も紛うことなく「秋真っただ中」なのだが、暦の数値を思い出すと混乱する。11月下旬の気温じゃないだろ、これ。この先冬はどのようにカットインしてくるのだろうか。考えるとややうんざりである。
ようやくK19に乗り換え、K1で高清水町内へ進入。新町交差点を西へ、つまり岩出山方面へ曲がり100mも進めばいろは食堂高清水支店(宮城県栗原市高清水松原16-4)は左側に佇んでいる。グーグルマップのクチコミでは11:30でも駐車場は満車で着席に少し時間がかかったと書かれていたが、11:40頃に到着した筆者は店前の駐車場に曉号を無事駐車できたし、待たずにカウンターへ着席できた。壮年のご夫婦がふたりで切り盛りする正統派町食堂。魅力的なメニューだらけだが、今回は亡き本店の特製らーめんが正しく継承されているかの確認だから、選択肢は他にない。ご当地(食堂のすぐ裏だった)にある町内の名泉「桂葉清水」の愛称にちなんで「かつらっぱらーめん」という名らしい。麺少なめに半ライスを注文。かつらっぱらーめんはデフォルトで大盛りらしいが、さすがにそれは無理っす。
世間ではこれをパーコー麺と呼ぶのだろうが、そんなこと知ったことか。筆者にとっては懐かしいいろは食堂の「特製らーめん」そのもの。醤油ベースのシンプルなスープに日本そばかと見紛うばかりのストレート細麺。そしてそれらを覆うように鎮座する豚ロース肉の唐揚げ。こいつを一口咬めば口内にスープと唐揚げの肉汁の合わせ技が炸裂!少なくとも筆者はここに白飯を組み合わせない選択はあり得ないと考える。本店のスープは食べ進むほどしょっぱくなるという、成人病まっしぐらなデンジャラスな味わいだったが、高清水支店のスープはむしろ洗練され飲み干したくなるやさしい味。とは言っても関西の人が食べたらなんというか……な濃さではあるけど。いやでもこのスープは本店の「特製らーめん」2.0といった趣。うまい。うますぎる。懐かしい。
退店時、会計をしてくれたご主人にうまかった旨伝えると「ぜひまた来てくださいね」と気さくに返事をくれた。雪が積もる前にもう一度来たい。
復路は二候補。ひとつはいろは食堂前のK167を西進して岩出山町へ抜け、R457で南下する。いや、もうさんざん走りましたから!そのコース。ということでもうひとつの候補、K19鹿島台高清水線をひたすら南下してJR田尻駅、同小牛田駅方面から三本木へ戻ってくるコースに決定。このK19、ずいぶん昔に走った記憶があるのだが、コース全体のイメージがわからない。恐らくアルファロメオ MiToでひとりツーリングの楽しさに目覚めたばかりの頃に意図せず走ったという程度なのだろう。もう15年くらい前の話だから記憶が曖昧でも仕方ない。今回はむしろ見る景色がどれも新鮮で嬉しい。
と、そんなウキウキ具合で曉号を走らせていたら、明らかに見覚えのある変形交差点が。「神寺不動尊松景院(宮城県遠田郡美里町中埣町80)の角、これはJR田尻駅のちょい南だ。伊豆沼への定番コースなので記憶に間違いないはず。となれば……!とコース取りを変更。件の変形交差点を西に曲がり、地元民しか走っていないような市道?農道?をR108沿いのJR北浦駅まで下る。前述の定番コースを逆行しているわけで、もうコース取りは間違いようがない。リラックスしたままK32へ合流。ちょっと寄り道して「田園菓子処あんどー(宮城県大崎市古川下中目小袋37-2)」さんへ。お土産に和菓子をいくつか購入。ここんちは何を食べてもうまいので、みんなもぜひ立ち寄ってお店を繁盛させてあげてほしい。
K40をさらに南下。ここまで来て12:30過ぎ。昼時で営業車が少ないのか、交通流量も少なめで楽しい。ファミリーマート大郷粕川店の交差点でK241へ乗り換え。「姫宮神社(宮城県黒川郡大和町落合報恩寺乳母神15)」前を南に曲がり、K9大和松島線へ。奥羽山脈があまりにも美しいので何点か写真を撮影。
E4高架下でも定点観測撮影。
R4を跨いでR457に合流。帰宅したら13:30過ぎだった。3時間半/116km。理想的な小ツーリングじゃないか。かつらっぱらーめんとして継承されたいろは食堂の特製らーめん。こいつは近々再訪するしかない。行きたいお店の宿題が溜まるばかり。でも良い。ごちそうさまでした。
まずはご岳母殿のお悔みを申し上げます。そして、失われたと思っていたいろは食堂の味を受け継ぐお店が高清水にあったなんて、数え切れない位国道4号線の高清水を通過していたのに知りませんでした。何にも無いけど、冬枯れの県北エリアって良いですよね。何も無いと経済まわすには致命的ですが、いろは食堂高清水支店にお金を落としに行こうと思います。
ご配慮ありがとうございます。今日も実家へ行ってあれこれ。
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県北、青々とした田んぼも良いですが、冬枯れの荒れた感じも実は好きでして。あとホントに平地ですよね(笑)!ずぅっと遠くまで平面で、突然山がにょっと聳えてる感じ。たまりません。
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いろは食堂、あの岩出山本店のおっかないお母さんが不在なのは寂しいですが、とにかく味は保証します。ぜひ!
こんにちは。昨日いろは食堂さんにお邪魔して、かつらっぱラーメン食べてきました。美味しかった!そして満腹感が半端なかったです。洗面器か、というほどの丼の大きさにびっくり。そして食べ進むうちに、唐揚げの味がじんわり染み出てきて味が変わるのも良かった。麺が柔らかいのも、好印象でした。仙台弁でいう「ペロ」に近いですね。って他の土地の人には分かりにくいけど。
私が着いたのは11時半ちょっと前で、入店すると3人のお客さんが。みなさんラーメンでした。その後5人お客がきましたが、3人がかつらっぱで2人がラーメンでした。ラーメンが人気なんですね。支払いをして出る短い時間にも、5,6人のお客がありました。人気店ですね。
古川のいろは食堂は毎月古川に行くたびに、今度食べよう、と言っているうちに閉店したので、今回は気合を入れて、紹介されてすぐに行きました。美味しいお店のリストがまた増えました。今後も美味しい所の紹介をよろしくお願いいたします。
おおおお!洗面器(笑)。確かに(笑)。本文に書いたように私は「麺少なめ」を頼んだのですが、あれが通常盛りだったらどうなっていたか……。ちなみに私が訪店した時は、他のお客さんは定食やかつ丼オーダーが多く、そういえば岩出山の本店もそうだったよなぁと腑に落ちたものでした。「特製らーめん!」と気負っているのはよそから来た客で、地元客は普通に気負わず定食とか普通のらーめんやそばを頼むんです。そういうところもいろは食堂らしいなぁと思いつつ洗面器と格闘しておりました(笑)。
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kikuchi大先輩のようにストレートにおいしいお店情報をリクエストしてくださる読者様は多くないので、励みになります!今一関市市街地、千厩町方面の情報を収集中です。年内になんとか行きたいなぁ。