アルファロメオ 159 3.2 JTS Q4 Q-TRONIC Ti登場!

159・First met

曉スタジオに新たな戦力が加わった。タイトルどおりアルファロメオ 159、それも3.2、しかもTiである。関東組H社長の休眠戦力を仙台で引き取った。10月の宇都宮オフで初めて話が出て、以来調整と整備を進めてきた。

アルファロメオ 159 3.2 JTS Q4 Q-TRONIC Ti(939系)
初年度登録 2009(H21)年
総走行距離 119,488km
全長 4,690mm
全幅 1,830mm
全高 1,425mm
重量 1,760kg
ホイールベース 2,705mm
ガソリン3,195cc V型6気筒DOHC24バルブ
6AT
フルタイム4輪駆動
タイヤサイズ 235/40R19(前後とも)

賢明なる読者は、筆者が親世代の、つまり高齢者介護用のクルマをぼちぼち探し始めていることを覚えておられるだろう。我が家の老母や義両親など、身体の不調を訴える高齢者を病院だのなんだのに送迎する目的に、曉号ことNDロードスターは完全に戦力外である。最適解はスライドドア装備の軽自動車/Bセグメント車両であることは自明だが、ひとりのクルマヘンタイとしては、例え病院や高齢者施設への送迎グルマだとしても運転でストレスを感じたくない。そんな一心であれこれ候補を考える中に、159はエントリーされていた(スポーツワゴンの方だけど)。思考の詳細は以下のエントリーをお読みいただきたい。

【考察】高齢者用送迎車として、我々はどんなクルマを買うべきか

そこにH社長のお話しである。939系を複数台所有しているH社長は、車検切れ個体のまま保有して、部品取りに使おうか……とお考えだったらしい。だがやっぱりクルマは動いてナンボ、曉スタジオで余命を送るならそれもヨシ!とご提案してくださった。上記データのようにすでに天寿を真っ当していると言えば言える個体でもあるため、H社長懇意のディーラーにて慎重に予備整備などを行い、その内容も考慮し双方合意の上の個人売買となった。名義変更や価格なども含めてH社長には本当にお世話になった。今後のメンテや維持費に不安はあるが、こんなイイハナシから降りるわけにはいかない。改めてお礼を申し上げる次第。

もうひとつ159を購入しようと決心した理由のひとつに、筆者がかつて所有していたアルファロメオ MiToの存在がある。MiToの前にプジョー 307SWに乗っていた筆者、「輸入車とは異文化との交流である」とは理解していたが、運転の面白さ、クルマのメカニズムの奥深さに目覚めさせてくれたのがMiToなのだ。そしてその頃、つまり2009年頃のアルファロメオ最上級車両が159だった(限定車に8Cなんてバケモノがいたけど)。ブレラやスパイダーのバリエーションも揃え、939系は筆者の憧れと同時に手の届かない頂だった。そんな憧れのままで終ったと思っていた159が、突然射程距離内に入ってきたのだ。目の色が変わっても仕方ないではないか。

さて実車は関東、貰い手は東北・仙台という状況。問題は納車方法だ。今回は筆者とH社長で「取りに行きます」「いや、届けに行きます」という、ファーストロングツーリング対ラストロングツーリングの攻防があった。「最初にがっつり長距離走りたい」対「最後のお別れツーリング」という構図。とにかくヘンタイの考えることは同じなのだ(笑)。実は2020年、NCロードスターをProfumo姐さんからやはり個人売買で購入したことがある。その際も共同購入者の長男といっしょに関東に取りに行き、初手はE4東北自動車道ロングツーリングじゃあ!と意気込んでいたのだが、P姐さん、仙台で牛タンとビールをキメたい一心でなんと旦那様まで連れ出すことに成功。そこまで決まってて「いや、オレがそっちに取りに行くから」とは言えないじゃないですか。そういう経緯があったので、159は絶対に取りに伺い、仙台へロングをかまそうと固く決心していたのだった。結果的に「仙台ではどんなうまいものを食べようかな」とわくわくしていたH社長の野望を打ち砕くことになってしまったが、すみません、これだけは我がまま言わせてください!今度仙台のうまいもの屋へご案内しますんで!!

納車当日。JR仙山線と東北新幹線と中央線と乗り継いで東京は国分寺市のJR国分寺駅へ。H社長と筆者を引き合わせてくださった、ある意味で恩人、Profumo姐さんが出迎えてくださった。待ち合わせのイタリアン「Bistro YOSHIZO」まで送ってくれるのだ。VIPかよ。お店の駐車場でH社長と再会。その脇に159。う、美しい。

H社長と筆者と159

H社長は洗車好きらしい。一方筆者は洗車面倒くさがり。冬の仙台なんて降雪よりも融雪剤でクルマが痛めつけられるのに、そんな方から嫁いできて159がヘソを曲げないだろうか。そもそもH社長もこれまでのやり取りの中で「いよいよ明日引き渡しです。楽しみと不安が混ざり合う感じです。」とか「じゃじゃ馬で気分屋ですからうまく付き合ってください(笑)」とか、揚げ句の果てには支払いは仙台まで無事に帰り着けたらで良いとか。そりゃ12万kmも走ったアルファだから故障知らずの絶好調!とはいかないとは思うが、前オーナーさんからこういうこと言われると不安になってくるのも事実(笑)。この引き渡し時には「でもこれまで大きな故障したことないよ、この個体」的なことをおっしゃっていて、となると「じゃじゃ馬で気分屋」とはどういう事象の比喩なのか……。

などという揚げ足取りのような筆者の気持ちは、YOSHIZOさんの料理を食べたらたちまち胡散霧消した。このお店の唯一の欠点は仙台から遠いことだ。スープからサラダ、パスタやピッツァ、ステーキ、デザートのパフェまで、本当に美味しかった。H社長、P姐さんご両名のおすすめのお店らしく、H社長など完全に馴染み客である。羨ましい。

YOSHIZO entrance
カキのオイル焼き
カキのオイル焼き。
アヒージョみたいなやつ。
あつあつで旨い!
ペスカトーレ・リングイネ
ペスカトーレ・リングイネ
牛サーロインのステーキ
牛サーロインのステーキ
ピッツァ・ビスマルク
ピッツァ・ビスマルク。あとマルゲリータも食べました
季節のパフェ
季節のパフェ

食後再びお店の駐車場に戻り、軽くレクチュア。とは言え2009年のモデル。同年日本導入となったMiToに16万km乗った我が身としては、附属電子機能の操作体系は勝手知ったるというやつだ。

初着席

姐さんの500cに先導してもらい、C4首都圏中央連絡自動車道・日の出ICへ。圏央道は相変わらずのスローペースで辟易したが、E4東北自動車道は意外にも交通量が少なく、良いペースで仙台まで走ることができた。実際の最初期インプレッションは別途アップするつもりだが、我がままを言って高速道路ロングツーリングをさせてもらった結果、長距離走行が非常に安楽であることがわかった。その理由は、今となっては大排気量とも言える3.2Lガソリンエンジンの豊かなトルク、そしてQ-TRONIC=4輪駆動、ロングホイールベースの大きく言って3点だ。その気になれば余裕で150km/h、180km/hだって出せるけど、100km/hでとろりと走ってるわけですが、なにか?という心の余裕が素晴らしい。

ということで着任報告。詳細はまた後日。よろしく頼むぜ!159!

12件のコメント

  • これは流石に驚きました!
    ご納車おめでとう御座います。
    まさか159とわ!
    アルファオーナー復活ですね。
    JTS、確か直噴なので、エンジンスラッジにはお気をつけください。
    私、159の顔つき、好きです。
    ついに、v6 3000、そして、車幅1800以上デビューですね!
    Qトロ、雪道でも活躍してくれることを祈ります。
    なんか嬉しいなあ。

    • はい、オレもアルファオーナーに返り咲くことができて嬉しいです。スラッジ、ブン回して燃やしちゃえ的なことを言う人が多くて困ります。確かに効果があるからなぁ……(爆)。Q-TRONICについては高速道路を走ってその感触に驚きました。リアにも駆動力が流れることで、体感上パワーの出方がギュッと濃縮されたような印象になるんです。そんな感触を持ちつつひたすら真っすぐ走っていると、159のボディを小さく感じる時がありました。変に鼻先が重い印象もないし、まずは大勝利です。

      • 確かに、その感覚は分かります!
        四駆、楽しんでください。
        車幅は慣れます(笑)
        アルファ乗り継いできたものとしては、
        やはり、QトロのATトラブルが心配です。
        アッシー交換になると相当高いはずですし
        部品ないですからね(汗)仮にあっても高価だし。

        まあでも今心配してもしょうがないですし、
        まずは楽しんでください!
        ロードスターも忘れずに
        乗ってあげてください(汗)

        • おっと、6ATが潜在的病巣かぁ……。たしかにトランスミッションはやったら高価でしょう。乗りまくる方が良いのか、大事に大事にここぞという時だけ動かすのが良いのか迷う(笑)。まぁでも納車2日目で故障の心配をしてても仕方ない!まずは2009年の高級車を楽しみます!

  • wow!!welcomeback!!水面下でこんな一大プロジェクトが進行していたとは!拝読してなんか自分もクリスマスプレゼントもらった感じでワクワクしました。個人的には159は「大人のアルファロメオ」なイメージなのでインプレ楽しみです!NDで思いのままに走り、159でご家族をサポート、カッコ良すぎる(笑)!

    • 単純な話、やはりアルファロメオというブランドの「世界観構築の手腕」に唸らされます。これじゃなきゃイヤだ、と言えるものになってる。個々の機能の性能がどうこう言う前に、運転して足裏や腰、手首で受け取る「感覚」のチューニングがものすごく巧みです。あーあー、そう言えばそうだそうだ、こういう感じなんだよな、と柄にもなく帰ってきたぞとか思ったりして(笑)。
      ___
      これから印象記をぼちぼち書きますが、「大人のアルファロメオ」、まさにおっしゃるとおりで、いつの間にかクルマのいうとおりにこっちが操作するようになっちゃう。それもぎゃんぎゃん走るんじゃなく、とろり、まったりという運転操作に反応する動作が非常に気持ち良いんです。これはまいった。気持ち良過ぎる。

  • 無事ご帰還されて何よりです!
    思っていたよりも早かったですね。あまり休憩を取らずに走れたのかな。
    おうちの前に3台並んでいると、白と赤の組み合わせになっていて素敵。うちのチンクも一緒に並べたくなるww

    以前所有していた939スパが同じ3.2L Qtro ATでしたが、なんらトラブルはなかったですよ。ホロ以外は…
    あ、シフトレバーが動かない故障があったわ、そういえば。でもそのくらい。ホロさえ動けば完璧なクルマだった…

    これからの季節、4躯は断然走りやすいね。家族用車両との名目の元、楽しまれてください!

    • 名目って!ホントにそうですよ!(棒読)
      ____
      地雷に関してはどれもがそうだとも言えるしどれも当てはまらないとも言えるので、過剰に心配するのはやめようと思います。

  • かなり出遅れましたが、納車おめでとうございました。ロードスターのリフレッシュよりもこちらに釘付けになってしまい、そちらの記事につきましては後ほど拝読させていただきます。
    実はうちの近所に159の2.2リッターMTと、ブレラの左ハンドルなので恐らく3.2リッターが生息しています。日課のウォーキングをしながら、うっとりと眺めてしまいます。acatsuki-studio様もその仲間に加われたということで、裏山杉でございます。毎年5月の自動車税が発狂しそうですが、良き納税者を目指して頑張りましょう!。
    ちなみに我が家は高齢者送迎用に故鈴木 修さんのところのアルトを急きょ買いました。

    • お祝いの言葉、ありがとうございます。保険とか税金とか考える前に買うと決めてしまったので、これから青くなろうと思います(笑)!2.2、3.2もいろいろバリエーションがあり、私もこれまでの試乗経験から2.2の6MTがベストだと思っていました。しかし今回3.2で良かったと思えたのがQ4の存在。この4駆システムがクルマの印象の大部分を占めている印象で、ボディ全体がキュッと締まった感触になるのです。それもBMWやMBのようなボディ剛性そのものが高い=硬いからそう思うのではなく、ボディは良い意味でゆるっと、でも車台が濃縮されてぎゅぎゅぎゅっと詰まっているような感じ。旋回時よりもゼロ加速時にこれが効くんです。エンジンパワーを逃がさねえぞ!みたいな頼もしい印象になってます。意外かつモウケモノでした。
      ____
      当家の高齢者、足を悪くして立ったり座ったりがおっかなびっくり。パンダとかカングーが良かったのかも知れませんが、こうなった以上159のラグジュアリなポルトローナ・フラウ革シートでごまかすしかありません。

  • 納車おめでとうございますー

    何乗ってるの?と聞かれてアルファロメオ!と答えられるのが羨ましいです。
    私も何度か運転させて貰ってますがMTで前のめりになるのと違いシートに背中を預けて余裕をもって運転できるのにアルファロメオ!(笑)とても好きです。

    新たなアルファライフ楽しんでくださいー

    • わっはっはっはっ。後ろのアルファードに煽られても、荒い運転の軽自動車が前に割り込んできても、「おいおい、こっちゃアルファの、159の、3.2の、しかもTiなんだぞ」と睥睨することで心に平穏が訪れました(笑)。とにかく飛ばさなくても……というか、飛ばさないで鷹揚に運転するのが気持ち良いという世界をとうとう私も手の内にできました。今印象記を書き始めているのですが、初めての経験ばかりなので書き口がなかなか決まりません。こんなアルファ人生もあるんですね。新発見でした。

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