試乗記・ルノー メガーヌR.S. トロフィーR 大人げない修業装置

2024年5月25日の拙ブログ主催オフ会にて、参加いただいた方の愛車を何台か運転させていただく僥倖を得た。1台ずつ印象記を書いてみる。もちろんプロの自動車評論家のそれには遠く及ばないが、読者の思考整理の助けくらいにはなるかもしれない。今回はざわさんのルノー メガーヌRSトロフィーRである。

■メガーヌの、R.S.モデルの、トロフィーの、Rだって??
念のため書き足すと、本メガーヌはまるで入れ子のように情報が多い。まずルノーが販売するCセグメントFF車メガーヌである。それをルノーのモータースポーツ部門たるルノースポールがチューンナップしたものがメガーヌR.S.(言わずもがなR.S.はルノースポールの略)。そしてそれをさらにレーシーに研ぎ澄ましたものがトロフィーという派生車種。さらにさらにある目的のためにある場所で最高のパフォーマンスを発揮できるよう形振りかまわず……というか、ほとんどのユーザーを置いてけぼりにしてまでハードに鍛えられたのがトロフィーRである。ついでに言うとこのメガーヌの一連のR.S.モデルのリリースをもってルノースポールは解散。ルノーのモータースポーツ部門を今後は「アルピーヌ」のブランド名で引き継ぐという。技術者たちがきちんと移籍して、同じスピリットで今後も活動してくれるならブランド名など些細なことだが、果たしてどうなるだろうか。

もう終売してしまったが、このメガーヌR.S.は4代目ということになる。このブログでは「シリーズ○」と呼び分けており、その伝で書くと本テキストの主役はメガーヌR.S.の歴史の中で、シリーズ(Sr.)4と表記することになるのでご理解いただきたい。Sr.4へ進化した際の大きなトピックは後輪操舵装置搭載だと思っている。60km/h以下では逆相、それ以上の速度域では順相(というのか)で旋回動作を支援する。オフ会常連のSr.4オーナーのざねさんによると「めっちゃ曲がりますよ!」とのこと。気が付くとオフ会参加者にSr.4オーナーさんがじわじわと増えている。2022年のオフ会でのことだったと記憶しているが、そのざねさんの個体に試乗させてもらった。メガーヌR.S. Sr.3はしまの助さんの個体に何度か試乗しているのでその印象は記憶にしっかりとあり、その比較で言うとボディは硬いわ後輪操舵でクイクイ曲がるわでこりゃすげえ!と一旦は狂喜した。しかし筆者にとってルノースポールとは、理屈ではなく体感・現象からクルマのチューニングをする一団という理解。ボディ剛性を上げることはともかく、後輪操舵という電子デバイスの導入は、まるでドイツブランドの、特にベンツやアウディのような理路積み上げ思考の手法じゃないかとうまく印象をまとめきれず、結局試乗記として上梓できなかった。ドイツブランドの「速さ」がエクセルのワークシートを用いて実現しているのに対して、ルノースポールはおしりの感覚とドライビングシューズで実現している。これは雑誌AUTOCAR JAPANにあった表現で、うまいこと言うなぁと感心してしまう。国産車で言えば日産 マーチ12SRみたいに、あのエンジニアが手がけなければこの速さにはならなかった的な、人間の感覚由来のチューニングの妙こそがルノースポールの気持ち良さのツボだと、これは今でも思っている。だからSr.4比どんなにガタピシいってもSr.3の方が筆者の好みなのだ。その代わり速く走りたければ運転手はスキルを磨かなければならない。まぁどんなに電子デバイスで武装していても、それを使いこなして速く走るには運転手のスキルが必要なので、結局自動車の運転には特殊なスキルが必要なことに変わりはないけれど。「ルノースポールのチューニング哲学は人間ファースト」なんてのは筆者の妄想に過ぎない。

■走行前の情報
とまぁそんな心情的背景とルノースポール贔屓があるにも関わらず、本テキストの主役Sr.4のトロフィーRはやりすぎと言わざるを得ないほどの超超超辛口モデルである。軽量化最優先。バッテリーはDESS仕様。軽いのは良いがバッテリー上がりのリスクが高いとか、燃料タンクも小さくて航続距離が短いとか、後輪操舵ユニットもろとも後部座席も取り払った結果ロールバー装備にリアドアのガラスははめ殺しだとか、思わず絶句するほどのストイックさだ。しかしその甲斐あって、これらの減量成果は130kgにもなるという。リア側足周りの簡素化と合わせ、FFなのに極端な前輪荷重重視の旋回傾向となり、同じR.S. Sr.4のラインナップの中で明らかに異質な乗り味となっている。これはこのクルマの成り立ちを考慮すると実は必然である。ホンダ シビックタイプRがニュルブルクリンク北コースでFF量販車最速記録を塗り替えた、と。そこでルノー様怒り爆発。「ウチが本気出しゃあこんなもんじゃああああ!(CV:津田健次郎)」とばかりにリリースしたニュル北専用チューニングモデル、それがSr.4トロフィーRなのだ。そんなもん販売すんな!と、試乗を終えた今なら言いたい。ヤマベ兄ぃのGRヤリスもレーシング用RCグレードで、筆者は持て余すほどの高性能だったが、Sr.4トロフィーRは度を超えた運転手スキル依存型である。あまりにもアッケラカンとすべてをそこらじゅうに放り出している。

サーキットに行く時、タイヤが積めて便利!
ドアこそ残したけど、どうせリア座席は無いんだから
窓ははめ殺しでいいよね!
パワーウィンドウのスイッチも配線も無いよ!
DESSとはDual Energy Storage Systemだよ!
初めて知ったよ!
なんでも最終ロードテストはルノースポールから外出しで、
様々な立場の人が関わったという。
この個体のテスターはレーサーだったため、
勝手にドリルで穴を開けたらしい。
ざわさんへの納車時「元にもどしますか?パーツ代有料ですけど」と
シレッと言われ、じゃあいいや、とそのままにしてある由

ウェブ上にこんなコラム記事を見つけた。色々わかりやすい。

GAZOO
『クルマは最高のトモダチ』いま一番面白いクルマを作るメーカー、ルノー・スポール…山田弘樹連載コラム
2020-03-24

■走り出してみるが……
ということを乗る前にざわさんからさんざん聞かされて(脅かされて)いたので、マジでビビりつつの試乗となった。運転席に座り、助手席同乗のオーナーざわさんからあれこれレクチュアを受け、いざ走り出してみればやはりボディの硬さをひしひしと感じる。ガタピシでもSr.3の方が好きだなんて言ってみても、ボディが硬いことのデメリットなどあり得ない。しかし前方視界に関してははっきりと不足がある。純正バケットシートの座面がえらく低いのだ。70mm落とされたそれはちょっと驚く低さで、メータークラスタのフードがはっきりと邪魔に感じる。ボンネットはもちろん見えない。最初に道路に進入する時は怖かった。ここまで前途多難な印象を持つ試乗は、Profumo姐さんの911(991型)カレラSカブリオレの試乗以来である。

そうではあるが、メガーヌという車種そのものの素養の高さに助けられて、オフ会会場からK53までのクネクネ登り坂でもタイヤ一本分寄ったり出したりみたいな微妙なハンドル操作ができる。広めの道幅で左右に大きく蛇行するようなK53なら、さらに自信を持ってコーナーのインでもアウトでも狙い放題。この段階でAペダルを煽り気味に操作してみても、破綻の影は微塵も感じられない。アンチラグ装置搭載でターボラグもきれいに消されている。だがそれでも「突然アンダーが出るかもしれない」という恐怖感があって、どうも身体が硬くなっていたかもしれない。なにしろ直前の試乗が真逆のキャラクターであるアウディ TTSクーペだったからなぁ(笑)。念のため書き添えるがハンドルを通じた路面情報は豊富だし、タイヤのグリップも充分ある。別の言い方をすると「こんなに盤石に速度を上げて行けるのに、ホントに突然破綻するの?」と半信半疑だったわけだ。

■下りはもっと怖い
その心理的プレッシャーは、蔵王のお山を急降下していくワインディングのK21でより顕著になる。ボディやハンドルから素早く伝達される諸情報、反応の速い加速と減速動作……。普通なら我を忘れて笑いの止まらない試乗になるはずなのだが、コーナーのたびに「突然アンダーが出て崖からひょいっと落ちましたなんてことになったらどうしよう」という恐怖感が拭いきれない。助手席のざわさん、途中で見兼ねたのか、ホントに破綻する時はちゃんとハンドルから気配が伝わってきますけどね、なんて励ましてくれる。だがざわさんはどうもしょっちゅうサーキット走行をされるようで、クルマからのインフォメーションの受け取り解像度が筆者よりも数段高いご様子。単にオーナーだからというだけでなく、トロフィーRなんてモデルの運転にはそういう素養も必要になるのだろう。

■なんでこんな速度に?
市街地付近までK21を下ってきてようやく少し余裕が出てきた。エンジン回転上下の様子や速度との関係(ギア比と書くべきか)を読もうとメーターをふと見てみたら、速度が明らかにおかしい。窓外の見た目から感覚的に予想する速度よりも10ー20km/h以上速い。えぇっ?オレこんなに速度出してた??ざわさん、「そうなんですよ、感覚と実速度がズレがちなんですよねー」。ビビってぜんぜん速度を出せていないつもりだったが実は出ていたのだろうか。バケットシートで目線が下がっているから?それともメカノイズなどからの情報読み間違い?よくわからないがトロフィーRはとにかく速い。地元の生活道路らしいK267を北上する時も、注意していないとあっという間に制限速度の倍近い数値になっている。なんなんだよこのクルマー、曲がるのも直進するのも怖いよー。このテキストを打ちながら改めて考えると、目線が極端に低いという視覚情報の混乱がまずあると思う。だがそれだけではないはず。Aペダル入力とそれに反応するエンジン音の高まり(音程や音量)も速度予測に欠かせない情報だが、そいつが著しく狂っているのではないか。恐らくこれが130kg減量の最たる効果と考える。軽くなった分速度が「出ちゃってる」のだ。怖い!いや、操縦自体は怖くない。市街地でいくらちょっと速度が出ていたって、トロフィーRの負荷にはならない。余裕のよっちゃんで平和である。怖いのは然るべき人たちに見つかったら100%免許取消案件だからだ。停止じゃないよ取消だよ。これは怖い。K267から再び西蔵王公園へ登って行くワインディングまでは、速度計とほぼにらめっこだった。

■ようやくわかった
登りワインディングなら運転を楽しめるかというとやっぱりそんなことはなくて(笑)、むしろAペダルの煽り角度が増す登りこそ突然のアンダーステアを警戒してしまう……のだが、さすがにハンドルからの路面情報処理に慣れてくるのか、「おー、曲がるなぁ」くらいは言えるようになってきた。少しリラックスした状態で登って行くと、トロフィーRがやはり通常の公道走行前提ではないことがわかる。端的な違いはハンドルの反応だ。情報が多い。もちろんそれは美点だが、度を超えて多いのだから困ってしまう。筆者ごときでは処理しきれないほどだ。そこからステアリングラックの取り付け剛性が異例に高いなどということもわかってくる。ボディの硬さはもう何度も書いた。端的に硬いというよりも、捩れないというべきなのかもしれない。そして固めているけどよく動く足。最後までノーマルR.S.モデルよりも130kg減を実感することはなかったが、速度感覚がズレる理由はきっとそれだ。試乗の最後の最後になってようやく得心する。「こいつはニュル北でしっくりくるセッティングなのだ」と。

■大人げない理由で生まれたプロツール
ニュル北などYouTubeの動画でしか見たことがないが、登りながら曲がるとか、登って下りながら深いコーナーへ進入とか、筆者などには修業のためのコースにしか見えない。あ!だからサーキット慣れしているざわさんは踏むべきところも曲げるべき進入角度も予想が付きやすいのか!いや、サーキットで良い結果を出すには、クルマはこれくらい解像度の高い反応を返してくれないとダメなのね……。そうか、そういうことだったのか。メガーヌR.S. トロフィーRは、ホンダめぇ思い知りやがれ!という大人げない理由で生まれた、自動車運転修業のためのプロツールだったのだ。そりゃ筆者ごときが公道でどうにかできるシロモノではない。改めて事故を起こさなくて本当に良かった……。ざわさんありがとうございました。どうぞご安全に。

10件のコメント

  • 試乗ありがとうございました!
    自分とはやはり視点が違うのでとても参考になりますw

    横乗りの時もたまに怖いと思うこともありますが、今回怖いというのがなく安心して乗ってました。
    普通のスポーツカーの感覚でハンドル切ると初期反応が比較的シビアなのでつい切りすぎてアンダーが出たり、荷重が逃げて突然リアが抜ける…みたいなことがありますが、流石いろんなクルマに乗ってらっしゃる、という印象でした。

    以前ルノーのイベントで開発のウルゴンさんとメリメさんに直接お話いさせてもらったことがあり、その時ステアリングが大きいままなのはなぜ?と聞いたことがありました。
    メガーヌは初期のステアリング操作でクイックに反応する分、その後の操作は細かい操作が必要(ニュルでは大きく回るコーナーをいかに速く抜けるためにはコーナー出口に向けての細かいステアリング操作がいる)な為、ステアリング外径を大きいままにして微調整が可能な形にしているとのことでした。
    外径の大きいステアリングでも細かく操作しないといけないってのがなかなかシビアではありますが…感覚掴めれば思った通りに動かせるクルマだなと思いますw

    今回助手席でも丁寧なステアリング操作のおかげでタイヤの動きや横ずれ感や荷重に対してタイヤがどっちに向いてるのか、などがわかったのが収穫でした。
    フロントの足回りはめちゃくちゃ凝ってる割にはリアはシンプルなトーションビームってのも理由かもしれませんw
    もう少しリアのダンパーを硬くして縦方面のグリップは上げられそうなイメージがつきました。

    ありがとうございましたー!

    • いやいや、とんちんかんな感想じゃないかと半信半疑でアップした次第です。今年もご参加しただきありがとうございます。トロフィーR試乗は良い思い出となりました。
      __
      ハンドル、大きかったかなぁ(笑)。まったく気になりませんでした。クローズドコースの走行メソッドはとんとわからないですが、公道を自分がコーナーに入って行くときは、とにかく「出口で車線真ん中にそのまま乗ることができるラインを、入り口で見極めろ!」なので、成功した時は自然とハンドルは1mmも動かさなくなるので、その出口に向かって微調整を繰り返すってのはもう想像すらつかないです。
      ___
      >>タイヤの動きや横ずれ感や荷重に対してタイヤがどっちに向いてるのか、などがわかった
      わかりました??今回はそれがよくわからなくておっかなかったんです(笑)!タイヤの動きはまぁちょっとわかったというか、曲がり終わってみれば思った通りだったな……というのが正直なところ(笑)。路面のアンジュレーションとかは克明に伝えてくるけど、横力の程度とかはほぼわかりませんでした!この程度の認知力でもコーナリング中にタイヤ一本分内側に寄せようとかできるもんなんですね。オレ、ちょっとはわかってきたなぁと思い始めていたところだったのに、自分にがっかりです(笑)。
      __
      >>もう少しリアのダンパーを硬くして縦方面のグリップは上げられそう
      ド素人の疑問ですが、そうすると今よりもリアは流れやすくなるんじゃないですか?もしそうだとして、リアの左右流れ出しがイージーになるのとトレードオフでも縦方向グリップを増強したい感じなんでしょうか。今のままでもそれは充分担保されているように思いましたが……。それともダンパーをちょい硬くすると縦も横もグリップが底上げされるんでしょうか。……まぁどういう走りをしたいか次第ですから、自分が満足する落とし所に落とせばいいだけですけど。や、単純に「え?もっと縦グリップ必要なの??」と驚いたものですから……。もし次回があれば、助手席でたっぷりざわさんのレクチュアを受けてみたいです!今後ともよろしくお願いいたします。

      • >成功した時は自然とハンドルは1mmも動かさなくなるので、その出口に向かって微調整を繰り返すってのはもう想像すらつかないです。
        →ウルゴンさんみたいに車の限界点をわかっている上で少し超えたあたりで車を制御することができる人の意見かもしれませんね…
        ニュルのように路面が常にバンプやアンジュレーションがあるコースの為…かもですねw

        >今回はそれがよくわからなくておっかなかったんです(笑)!タイヤの動きはまぁちょっとわかったというか
        →これ、運転席より助手席に乗ったらよくわかりました。こんくらい切ったらこんだけ曲がるよね、という染みついた感覚があるとその補正が入るのかなと思いましたw

        >そうすると今よりもリアは流れやすくなるんじゃないですか?
        →この車の良さとして足が良く動くので常にタイヤをしっかり接地させる、というのがありますが、どうしてもコーナー抜けの加速時に荷重がもう少し前にいたら良いのに…と、特に登りで感じました。
        トロフィーRはリアのダンパーが後方斜め後ろ向きにセットされているので、もう少しダンパーを硬くし、荷重抜けを少し抑えてフロントにしっかりトラクションかけたい…というイメージです(これは運転の好みなのでなんともですがw)
        もともとリアは抜けやすいで評判の車なので、であれば抜けても良いのでフロントのトラクションをしっかりかけて引っ張りたい…ですw

        >リアの左右流れ出しがイージーになるのとトレードオフでも縦方向グリップを増強したい感じなんでしょうか。
        →これは使っているタイヤにもよりますが、自分はよく踏み込んだブレーキの抜き方が荒いとよく指摘されました。しっかり重心移動をしっかりすることで、ステアリングのキレ角が減る、となると進行方向に正しくタイヤの向きが向けやすくなる、みたいな感じですw

        >もし次回があれば、助手席でたっぷりざわさんのレクチュアを受けてみたいです!
        →ビビりなので一般道では大人しめですが…ぜひぜひお願いしますw

        • >>ニュルのように路面が常にバンプやアンジュレーションがあるコース
          その可能性のことをすっかり書き忘れていましたが、考えてみればそうですよね。そういうので有名なコースですもんね(笑)。それに普段自分がまず体験することのない速度域でのコーナー入り/出ですから、そりゃ想像つかなくて当然だったかも。
          ____
          >>染みついた感覚があるとその補正が入るのかな
          なるほど!補正はかかってそうですね。あるいは普段乗りのクルマ(私の場合ならNDロードスターに17インチのミシュランパイロットスーパースポーツ)の感覚に寄せて現状解析しようとする……ということか。少なくとも自分の場合は「普段はこうなんだから補正」が入っていたと思います。
          ____
          >>もう少しダンパーを硬くし、荷重抜けを少し抑えてフロントにしっかりトラクションかけたい
          改めてあの日のあれこれを思い出しても、リアの荷重抜けは感知できなかったなぁ。ま、そんなに速度出てなかったし……と言いたいところですが、あの逆詐欺事件ですからねぇ(笑)。どう考えても目と右足のペダルを踏む角度からの情報と実速度が会ってない(笑)。だから登り始めにもっと前輪荷重が欲しい→リアはもうちょっと接地していてくれという理屈はわかるんですが、とてもとても実感するまでは踏めませんでした。
          ___
          こうやっておさらいをしてみると、トロフィRってものすごく挙動の解像度が高いクルマだったんだなぁと思います。速度域が上がって繊細な操縦をせざるを得ない状況では、クルマから返ってくる情報は高精度である必要があるんですね。私の場合これまでのクルマはちゃんと情報を送ってくれていたのかもしれませんが、運転手の感知能力が低かったってオチかもしれません。とほほ。ぜひぜひレクチュア、お願いします!

  • いや~こうして改めて見ると今回のacatsukiさんの試乗車達は振れ幅が大きかったのですね。さぞかしお疲れになったのではないでしょうか。。。

    ザ・ワインディングマシーンを体験し、トヨタという会社が分からなくなったところで
    快楽マシンによりパラレルワールドを発見、いかだではなく楽ちんな橋を渡ってイケる!と思った途端、
    修行装置で鍛えられる、という・・・

    ざわさんのトロフィーRは納車間もない頃に運転させてもらいましたが、直線の高速道路でしたので単に
    ”は、速えぇ!”、”アンチラグ気持ちいい~♪”位の印象しかありませんでした笑
    なるほどいつも楽をしている私が乗りこなすにはacatsukiさん以上の修行が必要です・・・・

    • せめて順番ね、最後にTTSだったならもうちょっと頭の整理も早くできて、試乗記を書くのももうちょっと楽だったと思うんです(笑)。GRヤリスからTTSはまだイイんですけど、TTSからトロフィーRは無茶すぎた(笑)。あんまり事前に情報を仕込み過ぎてもダメですね。前夜祭でざわさんからホントに熱く詳しく特徴を聞いてしまっていたので、乗っても第一印象というよりも「聞いてたとおりかな?」っていう検証に近いものになっちゃうし……。ま、でもトロフィーRに初めて、しかも30分程度運転してみたところでオレに何がわかるんだ、という。中学1年生のクリスマスにエレキギターを買ってもらったばかりの子が、中二の春にベテランロッカーのライヴをステージかぶり付きで見ても(聞いても)何がわかるんだ、というのといっしょかな。まぁだからやっぱり修業ですよね(笑)。
      ___
      そして最後にP姐さん124スパイダー試乗印象からNDと比較を試みてNDの本質を喝破するという、精神世界に深く沈んで行く原稿をこれから書こうかなぁと思ってます(笑)。

  • お久しぶりです。娘が長距離移動に弱いので参加できる日はいつになるかはまだ見通しが立ちそうにありません。

    メガーヌ3RSの最終型に試乗した時にサーキットが無いと持て余すタイプだけれどアナログ技術だけででよくぞここまでと感銘を受けましたが、今思うとレバノンに逃亡中のコストカッターのせいで新技術の稟議が通らない中『電子化ができりゃ俺達だってよぅ』と思いながら今出来る精一杯を…とやってた鬱憤が今のメガーヌ4RSで消化されてるのかなと考えたりします。そりゃ『ホンダめ!思い知れ!』ってなりますよ。

    メガーヌ4RSが発売開始された頃、ユーザーに営業をかけても『MTじゃないならいらない』『3RS最終型みたくトロフィーが出たら買う』と言われて相手にしてもらえないと担当から愚痴られましたが、メーカーの思惑とは裏腹にRSユーザー的にはタイプRとのニュル最速争いは『いいぞもっとやれ!おかわりもいいぞ!』なのでしょうね。

    『トヨタという会社がわからない』、めしばな刑事タチバナの日清焼きそばUFO評を思い出します。『UFOに決まった味はない』『ノンポリ』『見下げ果てた大衆迎合』

    • お久しぶりです。長距離も長距離ですから無理はなさらないでください。お元気そうでなによりです。
      __
      >>アナログ技術だけででよくぞここまで
      いろいろ削ぎ落として言葉を選ぶと、ルノースポールに対する自分の驚きと敬意はこの一文に集約されると思います。4でちょっとその辺が「あれ?」となったので印象がまとまりませんでしたが、実際4のトロフィーRに乗ってみれば(経緯や手段はどうあれ)「よくぞここまで」なことは間違いないです。とは言え「ここ」=私の体感レベルはかなーり低いところではあります。底なし……というか、どんだけテクニックを磨けばその高みに手が届くのかわかりません。ニュル北計時合戦は関わるクルマの性能を押し上げる効果ははっきりあるのですから、実際のタイムはどうあれそういう場所、競争があることはユーザーとしては歓迎です。やっぱり技術革新は戦争とエロでしか成し遂げられませんね!
      __
      「めしばな刑事タチバナ」は初めて知りました。佐藤二郎、大河ドラマとザ・ファブル劇場版2作で見て以来大好きなんですよねー(笑)。

  • なぜ私はその場に居られなかった……
    ちくしょおおおお!!!
    トロフィーRに慣れたというのに!
    次はは泥をすすって這いずってでも行きます!

    • わっはっはっは。いやでもお仕事ですから仕方ないですよ。で、来年はざわさんが欠席されたりしてね(笑)。

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