ふ・く・ざ・つ!カマロ

なんでもいいからアメリカンマッスルカーに試乗してみたい!という欲求を抑えられず、筆者の生活圏でモダンアメリカンマッスルカーに試乗できそうなお店に赴いた。

モダンアメリカンマッスルカーという言葉は、便宜上筆者が今作った言葉である。そこに含まれるのは、概ね2019年以降製造のフォード マスタング、ダッヂ チャージャー/チャレンジャーの3種のことである。シボレー カマロはなぜか食指が動かないし、コーベットは高価であるうえに、MR化してしまい、筆者の求めるものではなくなってしまった。一方で60-70年代のクラシックマッスルカーは筆者の手に負えまい。ちなみに「モダンマッスルカーズ」はフロリダのコンプリートカー製造ファクトリーの固有名詞で、そこが手を入れたクルマはほぼ確実にスーパーチャージャーを搭載して500hpオーバーが当たり前の世界である。

話を筆者の試乗チャレンジに戻そう。結論から言うと、試乗できなかった。

来客用駐車スペースまで、わざわざ店から出てきて対応してくれた女性スタッフに、試乗したい旨を告げる。中古車売り場に並ぶナンバー付きの個体はどれでも試乗できますよ、とのこと。さっそく売り場にカマロがあったのでふたりで近づいてみる。おおおお!←心の声。「自然吸気エンジンで排気量5リットル以上のFR車に乗りたいです」と伝えると、「それでカマロなんですねー!(笑顔)」。もっともカマロにも2.0L直4ターボチャージャーっつーモデルがあるから気をつけないとね!

ん?ちょっと待てよ?売り場に普通に並んでいるのはイイとしても、V8の6.2Lなんてクルマ、暖機運転が必要だろう。何分くらいで出発できますか?と質問した。場合によっては指定の時間に出直してもイイとすら思ったのだ。だがこれは少しいやらしい質問かもしれない。暖機もせずに「じゃあ行きましょう」なんて乗り込まされたら、それはそれで購入に値するお店かどうか、判断する材料にはなる。もっとも女性スタッフはそんな筆者のいやらしい下心には気付かないようで、試乗コースと所要時間を説明し始めた。出発前の準備時間は必要ないんですか?と重ねて訊いたら、確認するから少し待てということになった。

ショールームのテーブルに着いて周囲を見回してみる。そこはシボレー/キャデラックの正規代理店だが、ショールームにはキャデラック車しか置いてない。ま、そりゃそうですよね。カマロ買うなんてネジの緩んだ人(カマロオーナーの人、すみません)は滅多に現れないに違いない。

しばらく待っていたら、戻ってきた彼女から試乗できない旨を告げられた。週末に向けたイベントに展示するので、今日は試乗はできないのだという。売り場のほとんどのクルマが出払ってしまうのだそうだ。ピットの前にナンバー付きのマスタングが見えたので、あれは乗れないのか?と訊いたが、あれは顧客から整備のために預かっている個体だという。

つまりマッスルカーで試乗できるクルマは(そこにあるのに)無いのだ。

イベント終了後、試乗できるとしたらいつなのか?と重ねて訊いたら、12月26日以降だという。残念ながら仙台の12月26日は、ちょうどシーズン最初の積雪がある時期。道路条件的にも心理的にもV8カマロの検分に適している時期とは言い難い。それにその頃仕事が忙しいのだ。「うーん」と渋い顔をしていたら、「ネットで試乗予約もできますので、そちらで……」だそうだ。

筆者、ここでポキンと心が折れた(大げさ)。

問い合わせも予約も入れずに、突然飛び込んだ筆者も筆者だし、商売上の理由があることはわかる。イベント出展車両を直前にキズモノにされたら、そりゃ困るだろう。だが現物がそこにあるのにネットで予約を入れて出直して来い、は釈然としない。帰宅後その店舗の公式サイトを見たが、試乗予約へのリンクは見つけられず仕舞い。せめて筆者の名前と連絡先を訊いて、別の個体でよければすぐに手配するから、用意できたら連絡しますくらいはあっても良いのではないか。

正直なところ、筆者はカマロを買うつもりはない。いや、今のところ、と言い直そう。冷やかしの客が何を言うか、と言われれば「そうですね」と答えるしかない。確かに筆者はそのお店にとって客じゃなかった。だがアメリカンマッスルカーのジャンキーがひとり生まれるかもしれなかったその一瞬を、そのお店は逃したのだ。考えてみてもほしい。アバルト プントエヴォで乗り付けて「自然吸気エンジンで排気量5リットル以上のFR車に乗りたい」なんてバカは、口先ひとつでどうにでも転がせると思わないか。気が付いたらキャデラック CTSワゴンを買ってた、なんてこともあったかもしれないのに。かくして飛んで火に入る夏の虫は、辛くもV8地獄に落ちるのを避けられた(この日はね)。しかしそれにしても、宮城県内に2020年式フォード マスタングGTパフォーマンスパッケージ付きとか、2017年式ダッジ チャージャーR/Tとかの試乗ができる店は無いのか?ホントか?

※アイキャッチ画像はクリッカー「シボレー・カマロを20代の若者が最も多く購入している理由とは?」という記事から拝借した。

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