プントエヴォで行く!厳寒の栗原・岩ヶ崎

毎年恒例新春遠乗り初め、今年は宮城県北の町「岩ヶ崎」に行ってきた。「仙台の冬のツーリングは海沿い!」を標榜する当ブログとしては、栗駒山麓の同町を目的地に定めるなど異例の事態だが、目的は岩ヶ崎のジーンズ屋さん「キャノライン」さんの初売り参加である。ここんちはよくあるジーンズを軸とした大量販売系洋服屋さんではなく、店内縫製のオリジナルブランド。筆者、大いに推したい地元ブランドなのだ。その初売り、ジーンズ1本選んでいくつか景品がついて1万円と2万円の2本立て限定20本ずつというシビレる内容。行くしかない。

10時スタートの初売りにゆるく間に合うように、仙台を9時に出発。E4東北自動車道で若柳金成ICまで北上してK4を西進する。泉スマートICからE4に乗……ったのは良いが、さっそく50km/h制限で、実際大和IC付近から雲行きがみるみる怪しくなり、古川あたりでは相当な視界不良となった。当然周囲のクルマもペースが遅い。

whiteout
マジすか……

若柳金成IC付近は幸い好天で、路面状況も単なるウェット。零度近辺の外気温ならシビアな凍結路にはならずにすみそうだ。想定よりも30分近く遅れて岩ヶ崎入りしたら、キャノラインの前にはずらりと入店待ちの列が……。同行した家人は想定していたようだが、世事に疎い筆者は仰天。「まさかこんな北のはずれの小さな町のジーンズ屋さんの初売りが、混雑することはあるまい」と高を括っていたのだ。キツネにつままれた心持ちのまま列に並んだが、日陰で猛烈に寒い。お店が巨大なストーブを用意してくれているが、最後尾付近の我々はあたれない。そして列がまったく動かない。考えてみればジーンズを選べるってことは、みなさん当然吟味するし、試着や裾上げなんてこともあるだろう。そこにきて感染症対策でもあろう、入店はせいぜい2組み。ということは、我々が入店できるのは確実に昼過ぎということじゃないか。

種々考慮し、列を離れることにした。厳寒下の日陰に数時間並んでいたら確実に風邪をひいてしまう。とは言え休日割引適用外1,800円も払って来ているのだ、すぐに帰るには忍びない。レトロ建築大好物な家人が同行していることもあり、新春の岩ヶ崎町内を散策してみることにして、まずは大手屋さんへ。筆者は日々上品化という名目で薄皮+小型化していく巷に跋扈するチェーン店のたい焼きに忸怩たる思いを抱いていたが、大手屋さんのたい焼きはそんなのとは違う。ひとくちかじると、皮の合わせ目からあんこがもりもりとはみ出してくる。皮もしっかり厚く、外側は若干焦げ気味。昭和時代に夢想した理想のたい焼きなのだ。

大手屋さんのたい焼き
120円

たい焼きを味わいつつ、岩ヶ崎の味わい深いメインストリート六日町通り商店街を歩き出す。営業しているお店はまばらで、人通りもなく閑散としている。路面にはしっかり圧雪が残っていて歩くのも注意が必要だ。いくつか開店していたお店の内「文具のコトリ」に入店。家人が雑貨をいくつか購入。新春くじ引きでティッシュペーパー1箱をもらう。

手作り看板
六日町通り商店街
がちゃ
最近のガチャしか知らない連中は、
迷わずこいつを試してみるべき。
昭和はこんなのしかなかったんだぜ

寒空に並んだり歩いたりで疲れてしまった。11時を回っているので、いつもなら昼食プランを検討するところだが、年末年始のごちそう攻めで筆者も家人も胃腸が疲れ気味。岩ヶ崎での昼食を見送り、メニューを考えつつ南下することにした。残雪・圧雪を避けるため、幹線道路たるR457とK17を南へ。R4へ合流し久しぶりに築館の繁華街を通過。ここまで来てしまうと、伊豆沼湖畔の「くんぺる」さんで肉料理をキメるのが黄金必勝パターンだが、前述の通り胃腸の疲れが心配。そこでR4沿いのそば屋「冨美野」さんへ。ここは久しぶりだ。

冨美野看板
ざるかつ丼
ざるかつ丼
軍鶏蕎麦
軍鶏蕎麦

筆者がざるかつ丼(ざるそばとミニかつ丼のセット……って説明させんな)、家人が軍鶏蕎麦。ここはかつ丼や天丼を軸にしたセットメニューが充実していて良い。もうちょっとツユが濃かったらなお良い。食べ終わっても12:30くらい。箱根駅伝二日目の中継真っ最中の店内を後にしてさらに南下。R4のあまりのドライっぷりに気を良くして内陸部の県道へプン太郎を進める。驚いたことに(路肩に雪はあるものの)路面の除雪はしっかりしていて、いつもどおりに走れる。これに気を良くして岩出山付近から宮城県畜産試験場への定番コースに入っていったのが失敗だった。

厳冬の宮城県畜産試験場
いつもはプチ北海道酪農地帯みたいな景色の
宮城県畜産試験場もごらんのとおり
雪道雪道
すれ違いには高度なスキルが必要

こちらは最低限の除雪しかされていない完全な雪道。しかも雪原化してしまった田んぼの中を行く道だから、おっかないことこの上ない。プン太郎やC3には酷な道だった。色麻町付近に至って這う這うの体でR457へ合流。なんのことはない、初めから岩出山でR457に乗ればよかったのだ。

5時間/166km

そういうわけで、新年の遠乗り一発目としては中途半端な結果になってしまった。雪道にすっかり嫌気が差してしまい、家人と暖かい土地、例えば愛媛県とかに移住するならどんな物件に……と話し合ってしまった。瀬戸内は天気も良いらしいし、山道もすぐにアクセスできるみたいでうらやましい。

12件のコメント

  • こんばんは。ちょっと横道に入ると途端に大変なんですよね。遠く栗駒の方から雪とともに吹き付ける風の凄さが思われます。でも東北らしくていいです。愛媛とか移住したら、雪は見られませんが、それでもいいんでしょうか?四国は4県合計で岩手より狭いので、すぐくねくねした山道や断崖のような海岸線を走れますから、楽しいかもしれませんが。先日阿蘇と福岡市をめぐるのに、四国からフェリーで行ったらどうなるか、淡路島から四国の東端へ行くのにどのくらいかかるかなどを見てみたら、四国がとても小さいことがわかりました。(私の妄想ですね)

    • 私も妄想の末、今治が良さそうだという結論に達しました(笑)。山も海も近くて温暖!雪はもう「お金を払って観にいく」くらいでいいです。疲れやすくなってしまったので、もう1日に5回も雪掻きできませんし。それにクルマを傷めるんですよ(泣)。東北の食べ物は大好きですが。

  • 遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
    雪かき、学生の頃東京の多摩市にいた時にバイト先で一日中やらされて、私は降雪地に住むのは無理だと思い知らされました。

    今治市、タオルと造船で有名な町ですが都会から移住するには不便な場所かと思います。デパートも撤退して市内の商店街はシャッター通りと化して久しいですし。本州との連絡橋があるれど瀬戸大橋や鳴門大橋に比べると利便性はいまひとつなんですよね、遠回りなうえに四国内の高速道路とリンクしてないし。サイクリング用の観光資源かな。
    瀬戸内の雨の少ない地域なので、松山同様によく渇水に見舞われる地域でもあります。今の時期は今治郊外の「さいさいきてや」って産直市で豊富な柑橘類が販売されてます、紅まどんなとかの等外品が安く入手できたり。
    道後温泉ほどメジャーではないけれど、「鈍川温泉」ってトコもおすすめです。

    • な、なんなんすか!このディープ今治情報!! 
       
      仙台は「1日雪掻きしてないと外に出られない」なんてことはぜんぜんないので、青森や秋田、山形の方々に比べれば鼻で嗤われるレベルだとは思いますが、大変なことは大変でして。で、雪のせいでアンダースポイラー落としちゃったりしますんで、実害があるわけですよ、はっきりと。
       
      移住するとなると、やっぱり「買い物の利便性」って大事ですね。本州の方へしょっちゅう行くかどうかは未知数ですが、なるほど、利便性がいまひとつですか……。移住はリタイア前提なので、そもそもどういう生活になるのかよくわかんないんです(笑)。でも考えてみると、関東組や東北組としょっちゅう遊ぶにはさすがに遠過ぎますね。そう考えると広島からこないだ山形OFFに参加してくださったざねさんはすごい(というか異常・笑)。プン太郎で高速道路を延々と走るのは仙台<>高松で経験したけど、あんまり楽しくなかったです。

  • 松山も地理的には主要都市から遠く離れた僻地ですし。
    FCAの松山ディーラーもイデアルさんのようにフレンドリーではないです。

    四国の瀬戸内側は基本的に渇水しやすい地域です。
    例外は西条市、テノール歌手の秋川さんの故郷。
    松山には絶対水やらないマンが多数生息する町。
    最近住みたい田舎の町No.1に選ばれたようですが、湧水が出て水道が無料なのは東側の旧西条市の一部分だけ。杖で突いたら水が湧き出した系の『そのとき不思議な事が起こった』のはだいたい弘法大師のせい、四国あるある。
    最近移住者向けか「いとまちマルシェ」とかいう意識高い人向けの産直市ができてますが、若者向けの施設は少ないかも?
    海抜の低い平野が広がってるので洪水には要注意です。
    西側の地域、旧丹原町には5件ほど酒蔵が点在。その中心地の壬生川駅近くの酒屋『むらかみ酒店』では季節毎に試飲会を開いてたりもするので、日本酒好きには嬉しい土地かも?タイプとしては甘口。東北地方の新政や八海山も取り扱ってたかな。

    その東隣の新居浜市は住友のお膝元、工場の町。
    市内中心部にトヨタの店がないのは過去の遺恨を引きずってて出店してもらえないから?
    工場の町なので、今治同様基本的に荒っぽい人が多い傾向にあります。
    日本3大喧嘩祭り『新居浜太鼓祭り』の時期には都はるみの曲『ちょおうさじゃ』を町中で聞くことができます。機動隊も至る所に待機してるけど、松山からヤクザ屋さんがケンカしに遠征してくるから仕方ないね。
    化学工場があるので、天気のいい無風の日には光化学スモッグ注意報が発令、児童は屋外での活動を制限されます。大規模爆発があった場合、工場周辺の住人は毒ガス被害で助からないと思われ、すぐそばにイオンモールがあるのだけれど。
    山間部には住友鉱山跡地の別子銅山、東洋のマチュピチュとか呼ばれてるらしいけど、持て囃され出したのは最近のこと。以前はただの廃墟でした。ルートがクソ狭い酷道なのに観光バスが来るものだから迷惑極まりない。ロドスタで1kmほどバックさせられたのは絶対に忘れてやらない。

    四国中央市?居住者の私が言うのも何ですが、製紙工場からの悪臭で臭い町です、特に検査員が休みの土日がヤバい。
    近所の製紙工場下流の小川も排水で色が日替わりするぞ!
    『書道ガールズ』で有名になりましたが、モデルになった男性教諭は女子の顔面偏差値に点数をつける最低野郎&暴力教師でした。
    あと日本3大悪風のひとつ「やまじ風」が吹くのでアウトです。しばしば電柱や鉄塔が倒れるレベル。カーポートもコンクリで固定しないと飛んでいきます。
    製紙用のダムのおかげで渇水とは無縁なのが唯一の救い。
    ケチな人が多いのか、飲食店は味の優劣よりもコスパの良し悪しで判断されるため、微妙なトコが多い傾向にあります。
    DO製紙の単身赴任者用マンションに飛び降り防止用のネットが設置されてるのは地元民だけのヒミツ

  • やっぱりその土地に住んでいる方の目は厳しくなりがちなんでしょうか。ここまでネガティブ要素が多いと、(移住するしないはともかく)いちど行ってみたくなりますねー!

  • 今年もよろしくお願いいたします(伏
    たい焼きに非常に惹かれました、雪解け後食べに必ず行きたいと思います(笑
    ご教授ありがとうございます。
    移住先ですが静岡/愛知の海沿いはいかがでしょうか?
    比較的伊豆や都心へも近いし、降雪はありますが、積雪はほぼありませんよ。

    • こちらもめっちゃリアリティあるオススメー!! 今年もよろしくお願いいたします。オレは信じてます。120円のたい焼きを食べに、宮城県最北の町へMotiさんが来る、と!
       
      三浦半島の先っぽの方に今知り合いが居を構えていて、そっちも魅力的だなぁと思っておりました。どうせリタイアしてからの話なんだから、いっそ、伊豆の古民家でも借りて……。

  • 三浦半島も伊豆も素敵なところは高いです。なので、当該半島こだわりのない限りMotiさんのおっしゃる静岡-愛知の海沿いのほうがおススメ。私なら山梨ですが(笑)
    でも四国はドライブにいきたい!住まなくていいから、走りたい!

    • おお!引退後の余生にまで格差社会を突きつけられるとは!とほほ。静岡かぁ……。でも確かに四国は走ってみたい。走ったけど目的違いだったもんで。

  • 大変遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
    本年もお会いできる機会を楽しみにしております。
     
    〝住めば都〟とはよく言ったもので、人間には「慣れ」という悪質で素晴らしい能力があるため、たいがいの土地や文化には多少時間は必要だとしてもいずれ適応してしまいます。移住シミュレーションはやっておいて損は無いと思いますし、(ネガティブな理由ですが)想定外の事案が勃発して移住を余儀なくされる…という事も起こり得るでしょう。
    こういった案件では、好奇心旺盛な性格の人の方があまりウダウダ悩まずに済むように思います。
    ネガティブ情報を聞いてますます確かめてみたくなる、acatsuki-studio様の気持ちは理解できますw
    最終的に「何が我慢できて何が我慢できないか」にかかってくるのではないでしょうか。
    思案を巡らすのは自由だし、妙案はそういう思考の先にある場合がほとんどです。クルマ選びと同じく
    「買う前」が一番楽しい時間ですから!

    別件
    以前の投稿で「こいつはクルマブログじゃねえのかよ!」というセルフツッコミがありましたが、私はもうほとんど食べログ感覚で読ませていただいておりますww貴ブログにて紹介されて初めて訪れたお店&これから行きたいお店はたくさんあります。感謝&今後ともよろしくお願いします!

    • 今年もよろしくお願いいたしまーす。
       
      雪はもういいと言いつつ、山形県と秋田県の県境の町・金山町も、いまだに魅力的に感じております。これはツーリング目的地や経路をイメージするのと本質的にはいっしょだと思ってます。それにこういう脳の動きを諦めてしまったらボケるんじゃないかとも思っているので、今後も妄想にはリミッターをかけずに生きていこうと思います。
       
      そして本日もまた食べログ案件を仕込んで参りました。今年最初のヒットです。そんなに遠くないです(あ、A.Sudさんのお住まいからは少し距離があるか……?)。必ず書きます。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です