まさかの鬼首・極楽鳴子温泉

2023年1月25日の大寒波で実際に被害に遭われている読者の方にお見舞い申し上げます。今年は雪がなくてけっこうですねなどと書いていたら、手痛いしっぺ返しである。どうかご安全に。

慰みに先日の半日ツーリングのことを書こうと思う。2022年の年末、2023年の年始もその後も、仙台では幸い派手な降雪はなかった。冬季は降雪の少ない宮城県南か、県北の海沿いだけをツーリング目的地としている筆者だが、ここまで雪が降らないと、もしかしたら県北山沿いの方もそれほど酷くはないのではないかと思わざるを得ない。となると秋田県との境にある鬼首(おにこうべ)が気になる。オニコウベスキー場のやや北、R108沿いから見る西、すなわち山形方面を見やった時の景色は壮大である。春夏秋冬でその美しさは変化するが、2018年の厳冬期に偶然訪れた際の、深い雪の中で見たあの屏風のように立ちはだかる山々の景色が忘れ難い(マイナス7度という気温も忘れ難い)。これほど雪が少ないなら……と軽いチャレンジのつもりで朝7時半に出発してみた。

仙台市泉区根白石
加美郡・王城寺原演習場脇の定点観測地点

仙台市から鳴子温泉・鬼首方面へは、そもそも観光地なので国道を組み合わせればするっと行けてしまう。一方で当然その経路は走って楽しいものではない。しかし仙台市の北に隣接する大和町を通り抜けて、さらに北の加美町で山際の3ケタ県道コースにどんどん入っていけば、交通量ほぼゼロのライトワインディングをマイペースで北上できる。例年1月ならば、ロードスターはおろかFFのプントエヴォだって遠慮したい降雪量のはずだが、今回は路肩に少し雪があったくらいで、ほぼ全面的にドライ路面。幅広道路で東西に爆走できるK159からK226、上多田川でさらに西に進みK267を行く。ダメ元のつもりだったので大もうけした気分。

K267
K267もごらんのとおりドライ
K267路肩に佇むND5RC

手打ちそばやなどを通り過ぎると、ようやく川渡温泉に抜ける。ふたつある温泉街の出入口はどちらもR47に合流するのでさらに北上する。いつもは東鳴子温泉入口近くのコンビニエンスストアで休憩するのだが、今回はその隣のドラッグストアに寄る。最近キンキンに冷えた飲みものが苦手になってしまい、スーパーマーケットやドラッグストアの常温陳列の飲みものがありがたい。なんと言っても種類が多くて安いしね!KAGOME 野菜生活の720mlPETボトルがこのところ大のお気に入り。

水分を補給していざ鬼首へ。R47からR108へ。あとは一直線。

onikobe2023-01

ごらんのとおり、雪、少なっ!1月半ばにドライ路面のまま鬼首に来られるとは思わなかった。気温だって素手でカメラを持っていられるくらい暖かい。

なんかもう、こういう雄大な景色を撮影するには広角レンズが必須だなぁ。思ったような画が撮れなくてむしろ欲求不満になる。かと言って良いレンズは高い。オートエグゼの後付けステアリングハンドルより高いぜ諸君!なんならローダウンサスと合わせてもまだレンズの方が高いぜ!……と物欲の塊になってしまいそうになったので退散することにする。まだ午前10時なのだ。当然食事処おふみも開店準備中。もちろん腹など減っていないし……。このまま真っすぐ帰宅するのも馬鹿馬鹿しいが、R47をさらに西進した山形・最上方面は高確率で雪が降っているはず。上掲画像の不穏な雪雲を見てそれを想像しない方が間違っている。なので山形方面は今回はなし。それじゃあってんで来た道を戻り鳴子温泉へ行ってみることにする。幸いロードスターのトランクには洗車用のタオルを何枚も搭載しているから、JR鳴子温泉駅の無料足湯に入ろうじゃないか!

JR鳴子温泉駅
陸羽東線に乗ってください
無料足湯
失礼しまーす

鳴子温泉駅の駐車場は30分までなら無料である。それに30分を超過したところで財布に優しい金額でもある。ロードスターを駐車場に停め、目の前の足湯へIN!曇天だし少し寒いが実に良い気持ち。惜しむらくは旅館の送迎車停車位置の真ん前なので、降りてきた観光客の好奇の目に晒されるのが辛いといえば辛い(笑)。まぁおっさんですから、そんな視線はへのかっぱですが。

足湯から上がって温泉街を少しだけ歩く。と言っても目当てのお店があるのでそこへ一直線。「餅処深瀬」さんで名物栗だんごとまんじゅうなど購入。

餅処深瀬
温泉街のちょっとはずれの方にある

田舎の温泉街のお店と侮ることなかれ。おかみさんの客あしらいといい栗だんごの味といい、ここはお客を良い気持ちにさせるお店である。2020年晩夏に家族旅行で来た時に知った深瀬の餅の味。今回も堪能いたしました。

もう今度こそ帰宅するしかない。R47をJR陸羽東線「西大崎」駅まで戻る。いつもの宮城県畜産試験場の長閑な一本道を通りR457へ抜けるところだが、毎度毎度のコースだし抜けた先のR457もつまらない。今回はいつもと違う経路を開拓しようとあちこちふらふらと走ったら、なんのことはない再びR47に戻ってしまった。結局大崎市古川方面からの定番コースK158の田園エクスプレスコースをひたすら南下、大崎市三本木の「ひまわりの丘」へ抜ける。

三本木・ひまわりの丘1
この季節は単なる丘
三本木・ひまわりの丘2
栗駒山は雲に隠れて見えませんでした

あとはもう本当にいつものコース。王城寺原演習場脇を通って大和町南川ダムを経由、R457に乗って帰宅……の前に洗車場へ寄り、がっつり洗車してから帰宅。やはり県北の幹線道路だけあって、R47、R108には盛大に融雪剤が撒かれていた。ドロドロのロードスターをがっつり洗車してから帰宅。6時間/189km。帰宅時、外気温計は10度だった。寒波を経験すると10度なんて「春じゃん!」。冒頭に戻るが、どなた様も積雪とケンカなどせぬよう、家にいる人は大人しくして、出先で雪害に巻き込まれた方はどうか無事に帰宅されますように。

6件のコメント

  • こんにちは。私も雪の少ない日を逃さないで本日しちのカフェさんにお邪魔しました。またラプラスの秘宝がらみで、松島の西行戻しの松に行ってから、11時半くらいにお店につきました。なんと外まで行列ができていて、並びました。ボロネーゼとルッコラと生ハムのピザを妻と分け合いました。美味かったです。特にボロネーゼのニンニクの利かせ方が良かったです。帰り際に店員さんとお話したら、昨日はお客が少なかったのに、今日はこんなにいっぱいで驚いています、とのことでした。女性客が多めで景色はいいし、多賀城や塩竈などからだと気軽に来れるので、味が良いので繁盛するのも分かります。ご紹介いただきありがとうございました。
    他のお店も機会を見つけて訪れます。

    • お!しちのカフェ、いいですね。七ケ浜と言えば、そのしちのカフェのすぐ近く(徒歩1分)のところに、「はまの七光り」というお店があり、どうも地場のものだけでうまい海鮮丼を食わせてくれるらしいのです。「らしい」というのは実はまだ訪れたことがないからなのですが、営業が週末の、それもランチタイムだけという、いささかハードル高めのお店です。どうもおいしい予感がします。
        
      https://www.instagram.com/nanahikari_hama/
      https://goo.gl/maps/GqW2fZ7rEnuPDiMM7

  • そのしちの光は間違いなく地場物だけだと思います。雪のため魚が上がらないので昨日、今日と休業する旨の掲示があり、お休みでした。今度はこちらに来てみたいねと話しながら帰ってきました。
    鳴子は頑張っているけどこれ以上大きく発展することがあるのだろうかと、訪れるたびに思います。むしろ大きくなるよりこのままずっと続くことを選んで欲しいようなおっとりした空気の流れる場所のような気がします。多くの温泉場はそのような場所なのでしょうか。
    なんか旅と食のブログに返信しているような内容ですね。ま、間違いではないか。車の旅だし。

    • もうぜんぜん間違いじゃありません!一応はまの七光りさんはインスタグラムアカウントはチェックしているので、折々に「うわ!行くべきだった!」という時があります。うーん。
        
      鳴子温泉の話、私も「これ以上大きく発展することがあるのだろうか」とは思います。風情は充分あるのですが、モダンに生まれ変わりそこなった感があって、ちょっと切ない……。また私個人はできるだけ鄙びている方が良いので、むしろこれからは「東鳴子温泉」じゃないかと思ったりしています。

  • 鳴子は、うちの亡き親父の会社の保養所があったので、昔はかなり訪れました。
    実はたまに、潟沼にブラリと行って、ほとりの潟沼ラーメン食べて、温泉コーヒー飲んで帰ってきたりします。
    暖かくなったら、ご一緒しましょう。
    それほど好きで落ち着ける場所です。こびりついてるというか。硫黄の匂いがたまらなく好きです。

    ところで、皆さんは「鳴子」を何と読みますか?
    多分「なるこ」だと思います。漢字変換でもきちんと変換されます。
    私はいまだに「なるご」と読んでしまいます。
    漢字変換でも、「なるご」では上手く変換されません。
    しかしながら、実は「なるご」は間違いではないんです! 強く言いたい(笑)
    昔は「なるご」だったんです、確かに。いつから「なるこ」になったのでしょう!?
    小一時間問い詰めたいです(誰に?)

    同じことを思っていた方のブログがあったのでご紹介して去ります!
    脱線失礼しました!

    https://www.masumi.tokyo/entry/64751612

    • 潟沼は現地で看板も見かけるし、GoogleMap上での経路検討時にはいつも候補に挙がるんですが、道路状況がよくわからず未踏になっていました。ラーメン屋さんがあるのか!じゃあいきなり未舗装路が延々と……みたいなことにはならないんですね??行ってみよう!私も温泉地の硫黄の匂いが好きです。鳴子は特に硫黄の匂いも相まって風情があって好きです。ちょっと斜陽なところもむしろ良いというか(笑)。
        
      ちなみに「こ」「ご」問題と同質のものが「定義山」問題ですね(笑)。「じょうぎさん」か「じょうげさん」か。これについては西方寺のご住職に訊いてみたことがあって、「どっちでもいいんです」との回答を得ましたので、この件からは私は解放されました(笑)。ちなみに「じょうぎさん」読みの方は、人物に付ける尊称、敬称としての「さん」という意味合いも、実はこめられているんじゃないかと思ってます。いなり寿司のことを「おいなりさん」と言ったりするアレです。鳴子にしても定義山にしても、長く人が暮らしているからこその土地への愛着が感じられる変遷で、そこを突き詰めて「これが正解!」っていうのも野暮な気がします(笑)。わたしは長らく「なるご」発音でしたが、今回のようにふらっと鳴子温泉に立ち寄るようになって、はじめて「え?なるこなの??」となったクチです。鳴子温泉観光協会あたりに問い合わせれば、案外シレッと教えてくれるような気もしますけど、「聞かぬが花」ですね。

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