豹変!国道45号線

ゆう寿司入口に屹立する筆者
撮影:あにまる

宮城県気仙沼市にある「気仙沼ゆう寿司バイパス店」さんに行って、たらふく寿司を食べてきた。加えて帰路には色々な発見もある有意義な食いしん坊ツーリングであった。が、今回それをどのように書くべきか。冗長にならないように書ける自信がなく少々困っている。

「気仙沼ゆう寿司バイパス店」さん(以下単にゆう寿司と書く)で寿司を食べたのはおそらく2001年のこと。それ以来、筆者の寿司体験は「ゆう寿司以前・以後」と変わってしまった。それくらいの衝撃体験だった。海の近くの町の寿司屋だから、そりゃおいしいでしょなどと言うなかれ。寿司職人による厳しいネタの見立てと丁寧な下ごしらえ仕事の合わせ技が「寿司を食う」という体験であり、客が食べる瞬間など、最後の一瞬、氷山の一角にすぎない。そのことを真摯な仕事で教えてくれたのがゆう寿司の親方なのである。

気仙沼ゆう寿司バイパス店外観
気仙沼ゆう寿司バイパス店
(宮城県気仙沼市赤岩石兜32-14)

今回ゆう寿司に向かったのはEDOメンバーにして日産 マーチ12SR乗りのあにまる※と筆者の2名。詳しい経緯は省くが先日あにまるが運転する12SRに1日同乗させてもらったばかりなので、今回は筆者がロードスターを出すことになった。あにまるの自宅から市内を横断しつつ多賀城ICから三陸自動車道へ乗る。あとはひたすら気仙沼中央ICまで一直線である。往路にトピックはない。

極汚のロードスター側面
雪どけ水をはね上げるので、汚れMAXに

寿司屋では握ってくれた職人さんの手を離れた瞬間に口に運ぶ必要がある。我々は忠実にそれを守ったため写真は一切ない。しまあじと蒸した肝を乗せたあんこうが特にすごかった。いや穴子とイワシもすごかった。いや、ヒラメの昆布締めも……。うーん、これを書いていたらまた食べたくなってきた。板前に立つ親方と息子さんにすっかり良い気持ちさせてもらい、1時間少しで退店。この世の極楽のひとつは気仙沼にある。

さて帰路が問題だ。当然往路と同じ道路は走らない。いつもなら気仙沼と岩手県一関市を結ぶR284から東和町へ抜けられる3ケタ県道を行くし、今なら東磐井広域農道だって自家薬籠中である。するとあにまるが海沿い南下コースを提案。あまり気乗りしない。気仙沼から南三陸町までのR45、そこから分岐するR398はペースの遅いクルマに頭を押さえつけられることが多く、だからこそ内陸部の閑散とした道を選んできたのだ。が、この日の内陸部(主に山道)は積雪・凍結の恐れが大いにあった。しばし逡巡したがあにまるの提案に乗ることにした。気仙沼・南三陸町区間のR45はしばらく御無沙汰である。復興工事がどの程度進んだのかこの目で見てみるのも意味があるだろう。

道の駅大谷海岸
あの大谷海岸前が今じゃこんな美麗道路に……

と・こ・ろ・が!!「意味がある」どころの話ではなく、予想に反してこの区間が極楽案件だった。理由は言わずもがな。高速道路・自動車専用道路が整備されると、かつての幹線道路だった2ケタ3ケタ国道が閑散となる法則はここでも生きていた。もちろん前走車がいないわけではないが、地元のクルマだからすぐに脇道に入っていってしまう。概ねマイペースで走ることができて大満足である。旧R45を南下するべきもうひとつの理由は、2011年の津波被害からの復旧がかなり進み、かつては海岸線に沿って複雑なコーナーとアップダウンの合わせ技だった多くの部分が太い一直線の新道路に置き換わっていたからだ(マイペースでさえ走れれば、あれはあれで楽しい道だったのだが)。朗報である。気仙沼と南三陸町区間、運転好きこそ旧R45を走るべきだ。

南三陸町内でR398に曲がる。この交差点も復旧工事後様子が変わってしまったので要注意だ。景勝地「神割崎」でも見てみようぜということで案内板に従って国道から逸れる。平日午後2時半の神割崎。人影は皆無である。

神割崎無料駐車場のND5RC
神割崎云われ
神割崎
撮影:あにまる
神割崎に屹立する筆者
ざざーーん 撮影:あにまる

再びR398に戻り北上川河口、追波湾へ。このまま女川へ下り買い物をしたいとあにまるは言うが、さすがに女川方面まで下るのは疲れが心配である。なので当方の都合でそのままK64を西進し、とんから食堂付近でR45に再会。河北ICで三陸自動車道へ乗り、利府ジャンクションからE6仙台北部道路へ乗りE4東北自動車道・泉スマートICで下道へ。あとはあにまるを送って帰宅した。8時間/304km

北上川沿いのK63を西進
北上川河口付近、K63を石巻市内へ向けて爆走!

寿司は好き嫌いもあるし、そもそも今回の気仙沼行は筆者とあにまるの極私的な体験にすぎない。だが気仙沼・南三陸間R45の再発見をお伝えしたくてこのエントリーを書いた。過去の走行印象に拘泥して敬遠するのは間違っていた。自分の知らないところで道路は変化し続けている。県外に足を延ばすのも楽しいが、地元の道路の発掘と再調査を怠ってはいけない。

※あにまるについて
筆者の高校1年の時からの親友で、もうひとりの親友トシユキを加えたEDO(Eat and Drink Organization)のメンバー。ネット上のハンドルネームは「ハイパーあにまる」であるが、本エントリーでは現実の発音に沿った。かつてアバルト プントエヴォのオーディオ環境の改善にも力を貸してもらい、あまつさえレポートを書いてもらったこともある。

9件のコメント

  • お世話になっております!
    今度はぜひ女川にもお立ち寄りください(笑)
    (※私の故郷です)

    例のドアガラスのフレームですが、あれ私の勘違いでサービスキャンペーンで交換したのは【幌のフレーム】だそうです。
    大変失礼いたしました。

    そんな高いものではないので交換した方がきれいかと思います。
    根白石の某ファクトリーさんは私の名前だして突撃してもらって全然OKですよ♪

    • おお!女川が地元であらせられましたか!今野梱包さん(ダンボルギーニで有名)の商店街撤退は少し残念ですね。
        
      実はドアガラスフレームの錆事件は、ゆるゆると進行はしております。いよいよ某ファクトリーさんへ突撃しようと思っていたところなので、そこまで行ったらエントリーを上げようと思っておりました。ありがとうございます。

    • 本文とはまったく関係ないですが、よくクルマで行きますで目にしてきたあにまる氏が「ハイパーあにまる」という本名(?)だと知り、書いてます。
      「はいぱー」というハンドルネームのユーザーがMiTo会にいるんですよ。
      もちろん違いますよね。acatsukiさんのお友達でMiToなので関連を感じてしまいまして。
      ちなみに、その御仁は存じ上げません。私がMiTo会を後進に託した(?)後に参加した人なもので。

      • (笑)。確実に別人ですね(笑)。あにまるは本名と関係ない高校時代のあだ名でして、高校の時からやつを本名で呼んだことがほぼ絶無ですわ。なんかでご託宣を受けてネット上のハンドルネームには「ハイパー」を付けることにしたとかなんとか。北関東MiTo会、懐かしいなぁ。MiTo、隠れた名作じゃないかと思ってます。安いし楽しいしアルファロメオだし。

  • こんにちは。男二人が一緒の車で一日かけて、寿司を食べに往復300Km。格好いいです。何より、1台の車でずっと一緒にいて楽しいというのが、如何に仲良しかを物語っていますね。気仙沼の寿司は美味しいですが更に極めると、ゆう寿司、な訳ですね。一度行ってみたいです。
    私は一昨日、志津川の弁慶寿司に行き、acatshukiさんの言葉に嘘は無い、をまたまた確認してきました。三陸方面は天気が良ければ海もきれいで食べ物もおいしくて、走りも楽しいので、言うこと無しです。追波湾がきれいでした。
    鮎川に向かう、K2が整備されていて、私が走るのにちょうど良い感じになっていました。以前のくねくねも好きでしたが、海を見下ろしながらスーッと走れるのが楽しかった。

    • ええ、ええ。しゃべりすぎて帰宅後ちょっと喉が痛いくらいでした。とは言え1台のクルマでこんな長時間ふたりで移動するなんて多分初めてじゃなかったかなぁ。今度はひとり一台でがっつり走りたいです。
        
      弁慶鮨、召し上がりましたか!おいしいですよね。親方がしっかりしているお店はどういうジャンルであれおいしい料理が出てくる法則、というのを提案いたします。エントリー本文の日の追波湾もきれいでした。あ、追波湾の新しいカフェは入店されなかったのですね?お休みでした??
        
      K2、そうなんですよ、けっこうすーっと走れるように整備が進んでましたね。そう言えば牡鹿半島も半年くらい御無沙汰しているような……。女川から時計回りに走るコース、雪の心配がなくなったら再度挑戦してきます!鮎川の自動車ミーティングもありますし。

  • レギュラー「目に言う」、定食と丼もの合計12種類(お子様メニューやミニ丼を除く)ということに気づいてしまった
    丼ものなんてソロ活動にはピッタリかつリーズナブルなメニュー
    やっぱり月例会で毎月通うべきか…

    • 一応真面目に訊くけどさ、ゆう寿司に行って握ってもらわずに帰ってくること、できるの?オレは自信がないね。仮に丼もの喰って帰路に着いたとしても、1km走らないうちに「あぁ、なんで握ってもらわなかったんだ……」と後悔する自信ならあるけどね。

      • 改めて目に言うを見てみたら、なるほど、悩むな(笑)。

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