ND5RC・エンジンオイル交換_75,639km
走行5,000kmごとのルーティンと課しているエンジンオイル交換を実施。今回のトピックは、なんと言ってもオイルを購入・持ち込みを行ったことである。
筆者の「クルマ好き」をとことん根っこまで掘り下げて行くと、結局は「かっこいいクルマが好き」という身も蓋もない分析に行き当たる。そう考えると小学生の時のスーパーカーブームでそのまま成長が止まっていると言えなくもない。カッコのことばかりに興味が向かい、メカニズムやテクニカル方面にはまったくと言って良いほど知識・経験が深まらなかった。メカニズムのことに興味を持ち始めたのは2009年にアルファロメオ MiToに乗るようになってからだ。「なんだってコイツの後ろ足は硬くてぴょんぴょんするのか」と不思議に思ってサスペンションのことを徐々に知るとか、「本当に加速が伸びて欲しい瞬間に付いてこないなコイツ」という隔靴掻痒感からターボラグを知ったりとか、運転中に膝に覚えた違和感から右ハンドルと左ハンドルの差やFFレイアウトの功罪を知るとか、そんな感じ。だからエンジンオイルの役割や性質・交換による効果について興味を持ったのは本当に最近のことである。エンジンオイル交換で吹け上がりの違いがあることを体験で知り、3,000-5,000kmくらいで交換するのがエンジンの延命には効くみたいな知識はあったが、具体的にどこのブランドのどんな種類のオイルを自分のクルマに入れているのかはディーラーさんに、ND5RCに乗るようになってからは納車整備から担当してもらっている(株)ファンファクトリーさんにお任せしていた。無知なオーナーがあれこれ言うより間違いあるまいという心境である。
ではなぜ今になって自分で購入したオイルを持ち込むことにしたのか。直接のきっかけはファンファクトリーさんで取扱説明書と違う規格のオイルを使用されたこと。担当してくださっているKさんからは、丁寧な説明をもちろん受けたのだが、前述のとおり無知+興味の薄さが相乗し「もっとも汎用な規格(たしか0W-20)のオイルならウチで用意できますよ」の言に、それでよろしくとしていたわけだ。その後その汎用な規格の再確認しないまま。同時にP5型1.5L自然吸気スカイアクティブGエンジンの加速力に漠然と不満を感じてもいた。それは決定的に不満を覚える場面があったのではなく、日々の運転中にごく僅かずつだが積み重なっていく類いの違和感みたいなものだ。MiTo、そしてアバルト プントエヴォと1.4Lターボ過給という仕様のエンジンに都合13年乗り続け、小排気量エンジンのターボラグにほとほと嫌気が差して乗り換えたNDロードスターである。加速の様子が違うのは覚悟の上だったが、オイル交換直前の、なんと言うか、ねっとりしたものがエンジン回転数の上昇の足を引っ張っている感触がどうにも気になるようになったのが前回オイル交換を行った2023年12月頃だ。その漠然とした不満の理由を確定はできないが、マツダ指定値のオイルを入れても改善しないなら、これがP5型エンジンの実態ということになるのではないか。
マツダの指定値は5W-30である(使用気温域によっては5W-20、OW-20も可となっている)。あれこれ考えなくて良いという理由だけでドンズバの指定値外のオイルを使ってきたが、一度マツダの言うとおりにしてみようじゃないか。これがオイル持ち込みの理由である。単純に興味が湧いたというのもある。
今回筆者が購入したのはカストロール マグナテックである。自動車用品店のエンジンオイルコーナーをうろうろして、ワコーズなどの「え?」と声が出そうになる高価格製品と比べてリーズナブル、かつ名前も知られた有名どころというだけの理由だが、
カストロール マグナテック5W-30 6,880円(税込)/4L
を二缶買うわけだから(エレメント交換時の必要オイル量は約4.3Lなので)、オイル選び初心者の勉強代としてはバランスが良いと思う。
さてオイルを持ち込んで(株)ファンファクトリーさんで交換作業をしていただくと、支払いはかくの如し。今回はルーティンでエレメント交換も実施し、エレメントはKさん選定品を取り寄せてもらった。
オイルエレメント 1,200円
オイルドレンパッキン 100円
技術料 1,000円
消費税 230円
合計 2,530円
これにオイル代金13,760円を加えれば今回のエンジンオイル交換にかかる全費用は16,290円ということになる。プントエヴォのオイル+エレメント交換(2020年12月)で比較すると、オイル(プントエヴォには純正指定のセレニア)1Lあたりの価格差は約1,000円程度。エレメント部品代も500円くらいしか違わない。当然プントエヴォの方が少々高いわけだが、目を剥くような価格差とは思わない。それでもフィアット車からマツダ車に乗り換えて、今回のようなメインテナンス時に「あぁ、フトコロに優しいなぁ」と安堵するのは、単純に正規ディーラーと市井ファクトリーの技術料単価の差ということだとわかる。メーカーから施行行程の細かいところまで定められている正規ディーラーと、そうじゃないサービスで技術料が違うのは当然のことだが、直接手を下すメカニックさんが説明してくれたり事前にあれこれ相談できる現在の環境の方が、筆者は断然楽しいし安心できる。これも良し悪しではなく好みの問題と言って良い。
交換作業終了後はいつものワインディングには行かず、買い物に行っただけで帰宅した。だから制限速度40とか60km/hの公道を他のクルマに混じって走っただけである。ところが。明らかにエンジン回転の伸びが違う。2,500から5,000rpmくらいの、本当に実生活で重要な回転域の回り方のスムースネスが別物である。交換後の変化にまったく期待せず走り出して、ファンファクトリーさんの敷地から500mも走らないうちに「ん?」「おおおおっ!」と驚くことになった。エンジンが元気よく回り、アンダーブレースでちょっと固めたリアがロスなくその駆動力を地面に伝える様子がありありとわかる。折りから気温もそれなり上がったので幌を開けて走っており、終始顔が緩みっぱなしだった。これは思った以上の効果である。数日中に改めて距離を走るつもりなので、もう少し様々な状況下での様子を検知してみようと思う。これが指定値オイルを入れたからなのかは1年くらいかけて検証する必要があるだろう。またこの効果がどのくらい続くのかも、やはり距離を重ねないとわからない。だが少なくともカストロール マグナテックはスカイアクティブGに悪くない組み合わせだということは言えるだろう。商品説明によれば省燃費性能とエンジン保護性能の高バランスということだが、運転手の体感としては「良く回る」の一言。大勝利であります!
わーい!カストロール仲間だ!はさて置いて、オイル交換の効果が覿面なようで何よりです!モービルと一悶着あったり色々いう方もいらっしゃいますが、ブランドととしては間違い無いかと。因みにカストロールのグッズプレゼントキャンペーン結構当たります(笑)。ビーサン、エコバッグ、保冷バッグ使ってます!
結果論ですが、カストロールで良かったです。あれ以来なんだか積極的に走りに出ているのですが、やっぱり2,500-5,000rpmで変化が顕著です。もうね、意外なほど伸びる!「こんな加速、やればできるんじゃーん!」って感じで素晴らしいです。保冷バッグ、欲しい(笑)!
いいチョイスだと思います、マグナテック!
昨今の世界経済情勢により例に漏れずオイルも値上がりしていますが、マグナテックはまだ良心的ですね。エッジの方はちょっと気になりますが・・
じゅんすか様もおっしゃるように、過去にモービルと揉め事がありましたが最終的にカストロール側が勝訴しましたし(ただしその後のオイル市場への影響については賛否両論ありますが)、BPグループの潤滑油部門の一員として昔も今も気を吐くブランドなのは確かですね。
>>2500-5000rpmで変化が顕著
ド素人の推論ですが、以前のオイル(0W-20)より「潤滑」と「密封」の性能バランスがND5RCエンジンにマッチしているのではないかと想像します。
油温があまり上がらない低回転域では顕著な差はなく、油温が上がってくる中回転域で以前のオイルよりネットリとピストンリングとシリンダー壁の間にへばりついて燃焼圧力の吹き抜けを減らしつつ必要な潤滑もこなし、ピストン押下力が増して回転上昇の勢いも増す・・特にNAエンジンではその差が感じやすい・・といったところでしょうか。あとはこのフィーリングをどれだけ維持できるかですね。
先のコメントで「フィーリングの話なんて終わりの始まり」と申しましたが、最後は
「Don’t Think, Feel!」(©ブルース・リー)
いやもうこれが全てです、ウンチクなんか最終的にどうでもいいww
ちなみにオイルを選んでいる時wako’sももちろん置いており、「お!ワコーズか」と値段を見たらマグナテックの倍以上し、マジで声が出そうになりました。一体どれだけ素晴らしい効果を発揮してくれるのでしょうか。
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>>以前のオイル(0W-20)より「潤滑」と「密封」の性能バランスがND5RCエンジンにマッチしているのではないか
まったくおっしゃるとおりの印象です。オイルのこと全然わかっていないので言語化できずにいましたが、まさにそれ。特に密封、ロスが減ったような印象があります。うんうん。なるべく長持ちしてほしいなぁ。
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確かに自分の感じたことが全てですが、言語化してこうやって感想や意見を交換できるのも楽しいです。ウンチクが邪魔というよりも、アタマデッカチになるな、ってことじゃないでしょうか。感じられなければ言語化・理論化もできませんから、まずはしっかり自分の感覚で感じられることが大切ですよね。
おばんです。
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先日8ヶ月ぶりにオイル交換(MTも)しました。
走行距離は2,400kmでしたが、良しとしました。
まだ暑い季節なので、0w-30をチョイス。
ミッションは少し固め。
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吹け上がり、MT操作感共に蘇りました。
うちの主治医はミッションオイルはそんな頻繁に替えなくても良いって言うんです。それでまぁ、そのまま乗ってるんですが、むしろ最近は「惰性でシフトチェンジせず、ちゃんと回転数がシンクロしてノブがゲートに吸い込まれるまで待つ」ってのに凝っております。待てるようになると当然滑らかにスッと入って行くので、オイルの劣化を意識しなくなるってのはあると思います。や、紋次郎さんさんがシンクロを待てないせっかちなシフトチェンジをしてるって話じゃないですよ??念のため。0w-30の採用も、多分オレはエンジン/ミッションオイルともに、そこまでの微細な変化には気付けないんだと思います。