【どうしてそうなった?3連発】2024年奥多摩方面他・第一章

<概要>
今年三度目の関東遠征。今回は車両リストにポルシェが掲載されている国立市のレンタカー屋さんにて、マジ試乗を試みるkikuchi大先輩の冷やかし随行である。レンタカー屋さん開店と同時にクルマを借り受け、ほぼ1日奥多摩方面を爆走する予定。随行メンバーはProfumo姐さん、H社長、しまの助さん、そして筆者である。このメンツを見て「あぁ、いつものね」と言うなかれ。kikuchi大先輩の愛車、AMG C43の後釜に911はハマるのか?積年の懸案事項にケリが着くかどうかの山場なのである。これがマジ試乗でなくてなんなのか。まぁ確かに随行メンバーは面白半分の野次馬だが…… ←あぁ、言っちゃった

試乗当日は朝早くから東京の奥地を走り回るから、仙台組は前泊・後泊と、贅沢にも二泊三日の旅とした。ところがタイトルどおり、毎日何かしら予想外の事態が発生する珍道中と相成った。

珍道中1日目(本エントリー) / 2日目 / 3日目

<1日目・東京入りと前夜祭>
P姐さんから「前日は晩ごはんをいっしょに食べませんか」とのお誘いを受けており、つまりは夕方までに東京稲城市の宿に入れば良いだけの移動日。早めに宿入りして一眠りしてから宴に参加するつもり。E4東北自動車道を素直に川口JCTまで南下し、S1首都高速川口線、C2高速中央環状線を経由、E20中央自動車道を調布ICで降りて甲州街道を西へ進み、ゴールは稲城市南多摩駅前の「東横イン府中南武線南多摩駅前」である。時間的余裕を見ても5-6時間で着くだろうと、仙台の曉スタジオを出発したのは10:00ちょうどだった。

E4下り、定番のSAをスルーし、珍しく上河内SAのフードコートでソースヒレカツ丼をかき込む。

消去法で決めた献立だったが、意外や(というと失礼だが)美味。如何にもヒレ肉らしいパサパサ感(褒めてます)が好印象。油揚げの御御御付けもグッド。地味ながら付け合わせのきんぴらごぼうもバイプレイヤーとして活躍。良い。良かった。

首都圏の高速道路は何度走っても緊張する。JCTによる乗り換えに慣れていないので、車線選びにいつもドキドキしてしまうのだ。普段のS1やC2の様子がわからないが、この日は交通量が多かったようだ。余計に気を使う。しかしさすがに主要首都高なら2015年で時が止まっている曉号のマツダコネクトナビがあれば、筆者も過不足なく走ることができる……。

そのマツコネナビ、確かに経路案内はできる。だが快適に走ることができるかどうかはまた別問題である。特に腹が立つのは、避けようがない地点に至って初めて「この先、渋滞があります」なんてことを言うことだ。いやだったらさっきのICの前に言ってくれよ……と呪いたくなる。こっちは素人なんだから、道中の電光掲示板に「○○IC付近△△分××kmの渋滞」と表示されても、それがすぐ近くなのかまだもっと先なのか、その渋滞の程度は致命的なのかそうでないのか皆目わからない。今回はC2からE20への合流直前でぴたりと停ってしまった。ただでさえ渋滞ポイントらしいのだが、そのさらに先で事故。ここで約50分のロスである。ようやく事故現場をパスしてみれば、3台の玉突き事故。筆者の検分では2台目が1台目のケツを掘って急停車。そこに3台目が突っ込んだ形だろう。いや、そんなこたぁどうでもいい。宿でひと休みの時間が短縮されてしまったではないか。もうー!

そこから調布ICで下道へ。やけに街路樹がきれいな道路だなーと感心しつつナビ画面を見れば「甲州街道」だという。わ!ここが!様々な理由から甲州街道は筆者思い入れのある街道である。だが感慨に耽る間もない。大して広くもない車道を無理やり3車線に割った箇所が多く、普通に第一車線を走っているだけでけっこう気を使う。平気で4tトラックに煽られた。怖ぇええ。しかも絶賛渋滞気味。あ、4tトラック、煽ってたんじゃなくてペースが遅くてツメツメになってただけか!勝手に怖がってすんません。結局宿の前までずぅっとペースは遅く、明日に備えて遠回りしてガソリンを給油し、宿隣のコインパーキングに曉号を突っ込んだのは17時過ぎだった。そしたらなんとkikuchi大先輩も同じ駐車場に同着。仲良くチェックイン。前夜祭晩餐会の待ち合わせは宿正面のコンビニに18:30。でも18:00過ぎにはきっと姐さんは到着するだろう。こうなると一眠りなんて返って危険である。なんとか時間をつぶし、案の定早めに到着したP姐さん、H社長と合流。

H社長のアルファロメオ GTは以前見た時よりも艶感マシマシ。訊けば細かいところだが見た目直結のあれこれ、ライトカバー類やモール、一部パーツの再塗装などレストアしたという。ツヤツヤのテロテロである。素晴らしい。一方P姐さん、ツインエアエンジン製造終了の報を聞き、今さらフィアット 500TwinAir Dolcevitaを新車でお買い上げ。しかもダッシュボードパーツを幌色に合わせて塗装したり細かい内装パーツなど仕込んだり。「ほら、断然かわいいでしょ?」と自慢するが、これお嬢さん用の自家用車として購入したんですよね??「娘、まだ免許も取ってないけどね」。ズコー。晩餐会場までGTとTwinAirに分乗。筆者は二気筒の助手席に乗せてもらったのだが、陽気が良いからキャンバストップは全開に。すると例の、あの、二気筒のドコドコという、ディーゼルエンジン顔負けの騒音や低回転域の振動などほとんど感知できない。単にトルクフルなおしゃれグルマとして大満足の1台になっている。これがキャンバストップを閉めていても大同小異だったろう。デュアロジックの変速ショックや低速ギアでの空走感も助手席では感じられなかった。フィアットは500のアップデートをたゆまず続けているらしい。いや、ここはP姐さんの運転が巧みだったと言うべきか。500eは政治的ポーズとして仕方ないとして、このツインエアエンジンは秘かに作り供給し続けるべきだ。天下のVWもトヨタも結局商品化できなかった工業遺産である。製造終了は本当に哀しい。

<フルネームを伺ってもよろしいですか?>
天下のステランティス本体たるフィアットに詮無い哀しみをぶつけているうちに目的のお店に着いた。近所では有名な中華料理店だそう。店内に入ると白を基調とした明るい店内は大賑わい。スタッフの対応も丁寧で気持ちが良い。そしてここでこの関東行最初の「どうしてそうなった?」案件が出来する。「今日○○時から予約していたProfumoです」「ありがとうございます。……(予約リストを調べる)。Profumo様、フルネームをいただいてもよろしいですか?」周囲に不穏な空気が入り込んでくる。「Profumo T.です。ほら、ネット予約時の確認メールもあるんですよ」とスマートフォンの画面を店員に示して驚愕。P姐さんが予約した日はなんと来週だったのだ。はい、ちゃんと「来週の」予約リストに記載されておりました。さすが人気店、来週分キャンセルで今から4名なんとか……とすがっても「あいにく本日はご予約で満席でございまして……」。おお!こんなテンプレートな断り文句、ライヴで聞くのは初めてかもしれない(笑)。とにかく全面的にこちらのミスである。すごすごと店外へ。

さてどうしようね、と顔を見合わせる我々の前の道路向かいに「メキシコ料理」の看板が煌々と輝いている。実は筆者、中華料理店入店時にちょっと気になっていたのだった。考えてみれば本格的なメキシコ料理を食べたことがない。誰ともなくそこで良いんじゃない?ということになり、「タコス メルカド」さんに入店したのだった。切り替えが早いのは我々の美点のひとつと言えよう。フレンドリーかつ優しい店員さんの対応にテンションを上げて行く我々。「あ、それ名前は知ってる」的なメニューはとにかく食べる!というストロングスタイル一辺倒。テーブル上はあっという間に「おまえら中学生かよ」みたいなお祭り状態に。とにかく牛・豚・鶏の肉がうまい。コーンフラワーと小麦粉2種類のしっとりトルティーヤがうまい(しかも保温容器でサーブしてくれる)。ディップのサルサがうまい。こりゃタマランチ会長。

店内はほぼ満席。入店できてラッキー
背後の朱色の丸いのはトルティーヤの保温容器

喰った。はっきり言って喰い過ぎた。だがリーズナブルな支払いだった。H社長ありがとうございます。メンバーの半分は下戸、半分はドライバーという悪条件も今回に限って良い方に出たのだろう。あの人気中華料理店も再訪したいが、メルカドさんもぜひ再訪したい。

<不審者扱い>
ここから自宅がほど近いというP姐さんとはここでお別れ。だが「あ、そうだ、わにわに見て行く?」との一言で事態は急転。「わにわに」とはフレームにテント生地的な布を貼った「カーシェルター」なる商品(具体的にはリンク先サイトをご覧いただきたい)。911導入後、青空駐車じゃアカンだろと導入された簡易ガレージで、ご自宅すぐ近くの月極駐車場に設置されている。シェルター前面がぱっくり口を開ける様を模して「わにわに」らしい。実は青空駐車の曉スタジオも、アルファロメオ MiTo時代に導入を検討したことがある。ま、お値段で諦めたのだが、実物を見られるのは得難い機会。それじゃあってんでP姐さんご自宅に全員で向かう。おまえら高校生かよ。本当にお店から20分も走らずに到着。残念なことに駐車場はかなり暗く、わにわにの写真はない。そんな住宅地ど真ん中の暗い駐車場で大のオトナ4名が「おお!意外と丈夫じゃん!」とか「これ開口はどこまで?」とか「実際乗る時はドア、充分開ける?」などなど、ヘンタイならでは視点が炸裂。

どうかされましたか?」。急に暗闇から声をかけられた。小型犬を抱いたご婦人が丁寧に、しかし不審そうにこちらを見ている。まずい!うっかりはしゃいでいたが、暗い駐車場でオトナが1台のクルマに群がってわいわいやっているのである。マヌケな自動車窃盗犯と勘違いされても申し開きできない。一瞬言葉に詰まっていたら「あ、わたしです……」とP姐さん。なんと声をかけてきたご婦人はP姐さんのご母堂その人だったのである!「ごめんねー、怪しいよね(笑)」「うん、勇気を出してみた(笑)」と和やかに収まったが、kikuchi大先輩もH社長も筆者も、慌てて「お、お世話になっております!」と腰を90度曲げである。危なかった。

流石に本宅に上がり込むなんて無礼はせず解散。オトナですから。出発したコンビニの駐車場に戻りH社長のGTから降りる。GTは2ドアなので社長がまず降り、後部座席を堪能していた筆者が降りようとしたその時、停めていたGTがするすると後退し始めるではないか!慌てて社長がギアをリバースに入れて強引に停めた。なんだったんすか?「サイドブレーキが抜けちゃった(笑)」!!!ま、もはやビンテージものですからね、GT。そんなこともあるかもね……。いやー、でも驚いたわ。もうこういうサプライズはいいっての。

こうして振り返ってみると、この日一日だけでかなりの驚愕案件が発生していたのだなぁ。予約間違いからのメキシコ料理、ご母堂からの不審者扱い、そしてGTのサイドブレーキ引っこ抜け事件。獅子てんやわんやもびっくりである。明日の奥多摩ドライブは何事もなく楽しめますように。だが当然そんなうまい話はないのだった。2日目の記録につづく。

6件のコメント

  • >S1首都高速川口線、C2高速中央環状線を経由、E20中央自動車道

    いつも通ってます。

    川口ハイウェイオアシスで待ち合わせしていただければ、この区間のみ、ご案内申し上げましたのに。

    およびじゃないって!?
    失礼しました(〃∇〃)

    • 親切なお申し出、ありがとうございます。こっちゃ慣れない首都高を手際よく走り抜けることに必死で、そんな楽しそうなこと微塵も考えつきませんでした(笑)。

  • おもしろい! アップしてくれてありがとうございます。いろいろ渋滞してて、全然書けてない私…すみません。

    そんなバカなことがあるの!って笑っちゃったけど、予約間違いなんて荒技を成し遂げたのはワタクシめでございます。失礼しました。もうすっかりみんな中華の口になってたのにね。ごめんなさい。翌日のランチの予約はちゃんと取れててよかったよ(笑)。
    でもメキシコ料理、美味しかったねーー! お酒なしにあんなに食べるなんて、いやぁないわ。楽しくてよかった。

    それにしても、S1→C2→E20って、いつでも混んでておすすめできるようなルートじゃないのに、その道を選ぶとはさすがマツコネ。
    外環道→八王子JCT→E20中央道→府中スマートインターがおすすめだけど、時間的に中央道上りが混んでた可能性はあるね。お疲れ様でした…

    とはいえ、お会いした時に元気そうだったので安心したよ。アドレナリン、大事ね!

  • 余計余計デスミマセン!

    圏央道では?

  • アドーロさま
    そうそう、圏央道でした。失礼〜

    • 首都圏の高速道路プランにはオレ、突っ込めないから(笑)。圏央道で混んでたらイヤだなぁ。初めて伊豆に行った時の帰路に走ったのが最初ですが、その時は「わー、するする走れて、遠回りだけど首都高をびくびく走るよりいいかも!」と好印象だったんですが、その後走る度に印象が悪くなっていくなぁ(笑)。景色が単調なんですよね。

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