【どうしてそうなった?3連発】2024年奥多摩方面他・第三章

<概要>
AMG C43の後釜探しの旅に出かけるkikuchi大先輩の随行として関東を訪れた筆者。残念ながら早々にその目標は潰えてしまったが、関東組ことProfumo姐さん、H社長、しまの助さんの同道を得て多摩・八王子・青梅方面の絢爛たる春を満喫。いよいよ最終日、寄り道をしながら仙台への帰路を進む筆者に、しかし「どうしてそうなった?」案件は降りかかるのだった。

珍道中1日目 / 2日目 / 3日目(本エントリー)

<米沢市へ寄る>
最終日、あとは無事仙台まで帰り着くだけである。が、せっかくなので「仙台からふらっと出かけるにはちと遠い」山形県米沢市へ立ち寄り、とあるお店で買い物をしたいと考えていた。そのお店は「日乃本帆布店」さん。オープンしたばかりの「道の駅よねざわ」に出展しているのを以前見かけ、そのクオリティと色使いに惚れてしまった。オンライン販売も充実しているし、なんなら宮城県は松島にも出店しているからわざわざ米沢へ出向かずともその製品は購入できる。できるのだが、これまた以前上杉記念館あたりをぶらついた際に見かけた米沢本店の佇まいが実に良くて、最初に買うなら本店で対面販売と決めていた。E4東北自動車道から分岐するE13東北中央自動車道の福島ー米沢間を、筆者はまだ走ったことがない。それはE13が開通した結果、かつてペースの遅い地獄のR13が逆にマイペース走行可能なライトワインディング化し、むしろそちらを積極的に走ろうとする傾向があるからではある。いつもはただパスするだけの福島JCTからの分岐を体験してみる良い機会と捉えることにした。

カンデオホテルズ佐野の朝食
カンデオホテルズ佐野の朝食。
ご飯のお替り不可避

初体験のE13を含め、米沢までの高速道路走行は幸いにも非常に順調。ボーナスだったのはE13から水窪ダム湖面がくっきりと見えたことだ。満々と水を湛えるその美しさに早々に再訪を決意。せっかくなので郊外の米沢八幡原ICで降りて市内をのんびり走ってみることにする。前日に堪能した八王子や青梅方面と異なり、豪雪地帯米沢の春はまだ少し生硬い。ふわっと緑が押し寄せてくるようなあの雰囲気は、数日先だろうと思わせた。しかし晴天、気温20度前後というオープン日和。この3日間の関東行は本当に天気に恵まれた。素晴らしい。

米沢市万世町桑山の満開の桜
天元台白馬の騎士
電線に邪魔されているが、
天元台白馬の騎士がくっきり

<憧れの帆布店>
わざと裏道を経由して日乃本帆布店米沢本店さんへ到着。工房と店舗が一体で、店舗部分は意外と狭い。ひとりで1-2泊のツーリングに出かける機会が急増しているので、着替えその他一式を持ち歩くトートバッグのようなものが欲しい。というか具体的な製品にはもう目星は付けていて、現物が店舗にあるかどうかである。しかしせっかく実店舗にお邪魔できたのだから、その他の製品もじっくり拝見。そう言えばボディバックも欲しいんだよなとか、あ、この帆布製ジャケットめっちゃいいじゃんとか、シンプルだけどA4クリアファイルがするっと入るトートがあると何かと便利だよな(紙の譜面はA4かA3サイズが多い)とか、お金がいくらあっても足りない。目当ての3wayショルダーバックはすぐに見つけられたのだが、狙っていた色味の個体が見当たらない。店員さんに尋ねると、そもそも筆者が熱望している生地色と革色の組み合わせはカタログモデルではないのだった。その組み合わせの別製品を見てすっかりそのバックにもあるのだと思い込んでいた……。がっっっっかり。しかしオプションで赤革に変更することが可能だという。そりゃお願いするしかないでSHO!別仕様のハンドメイドなので数ヶ月かかるとのことだが、こちとら別に急いでいるわけではない。無事に発注することができた。

日乃本帆布店オンラインショップより拝借

そんなあれこれを店員さんとやりとりしているうちに、店員さんのご実家が仙台であることが判明。そこから世間話が始まった。今年の米沢の雪の量はどうだったんですか?と問えば、「いやもう全然。少なかったですねぇ」と。昭和の頃は市内でも積雪が2メートルなんて土地の話だから「少ない」の基準が仙台住みの筆者と合っているかどうか(笑)。帰路はブドウマツタケライン→高畠町→宮城県七ケ宿町ルートのつもりだと告げ、でもこの時期まだブドウマツタケラインは雪で全線開通はしていないでしょう?と水を向けたら、素晴らしいコース取りだと褒めてくださった上ですでに全線開通しているというビッグニュースを教えてくださった。ツイてるぜ。気持ち良く退店し、市内のガソリンスタンドでフルタンク給油。いざブドウマツタケラインである。

<贅沢三種盛り丼>
ブドウ……の米沢側の終端はR13(それこそ水窪ダムへの入り口付近)だが、実はK1から合流できる支線がいくつもある。そのうちのひとつを以前alfa_manbowさんに教えていただいた。とても楽しい道なので、以来可能な限りそこを走るようにしている。すでに14時を過ぎていたが昼食がまだだ。K1沿いの道の駅よねざわで食事をしたその後に、件の支線を堪能することにする。我ながらナイスアイデア。平日の午後にも関わらず道の駅よねざわは混み合っている。が、さすがにフードコートは静か。以前から気になっていた「牛どんぶり謙信亭」さんで「贅沢三種盛り丼」をいただく。

贅沢三種盛り丼
ローストビーフ、牛ロース焼き、しぐれ煮の三種がどーん!

もうちょっとご飯の量が多くても良いですね。ただこの日は前日、前々日のご乱行のせいで胃腸もお疲れ気味。初日のヒレカツ丼(昼)・メキシコ料理三昧(夜)、二日目の宿のビュッフェ朝食・イタリアン(昼)・ロースカツ定食にご飯おかわり(夜)、そしてこの日の朝食も宿のビュッフェである。そりゃ胃も疲れるわ。正直贅沢三種盛り丼を半分くらい食べたところで「あれ?もうお腹いっぱい??」という感覚がなかったわけではない。未だに二十歳くらいの頃の感覚で食べ物を発注するのはやめましょう、中高年のみなさん!

満腹を抱えて道の駅を出発。例の支線も周囲の植生は完全に春。交通量はゼロ。気持ち良い。久しぶりのブドウマツタケラインも同様で、桜と菜の花があちこちで咲き乱れている。いやー、こりゃいいや!うっかりR399鳩峰峠に乗り込んじゃったりして!と浮かれて曉号を進めていたら、なななんと、見慣れた「通行止め看板」が!おーい!店員さーん!全線開通してないよー!結局最終日にも「どうしてそうなった」案件は出来するのだった(泣)。しかし毎日こんなハプニングが起きる泊まりがけツーリングは初めてだ。これはこれで歴史に残るな(大げさ)。

件の支線
菜の花と曉号
ブドウマツタケライン走破は残念だったが、
道中の景色はずぅっとこんな感じなので目にうれしい

仕方なくK1に戻り高畠町内を爆走。R113に合流し宮城県七ケ浜町へ。この区間は工事車両や物流トラックなどに頭を押えられることが多いが、この日は幸いそんなこともなく良いペースで町内へ。「旬の市七ケ宿農林産物直売所」さんでトイレ休憩。

<春の夕陽>
すでに16時を回っている。焦らず行こうと決めているので県境の山間の「春の夕暮れ」も一層味わい深い。直売所の駐車場でこのまま日の入りをずぅっと見ていても良かったのだが、この先のK51はともかく、遠刈田温泉の先の川崎町へ抜けるK47などにはかなり道幅タイトな箇所もある。わざわざ狭くて暗い場所を走るリスクを冒すことはない。ここまで来たらくだらないトラブルとは無縁でいたいので、山への日の入りは諦めて走り出す。定番のK51も珍しく交通量ゼロ。マイペースで酪農地帯を走りR457で遠刈田温泉へ。一瞬青根温泉方面から川崎町入りを考えもしたが、ここは時間短縮を優先して予定通りK47へ。変なところでブレーキを踏む前走車がいると思ったら、まさかの接触事故で事故車両の他にパトカーも停っている。それがまさに一番道幅の狭まる区間での出来事だったので筆者も気合いを入れ直す。「人の振り見て我が身を直せ」か。無事に川崎町内を経て釜房ダム湖畔の裏道へ。まだ桜が咲いている。夕陽の逆光の中で蔵王連峰を背景に定点観測。

釜房ダム湖畔の桜
釜房ダム定点

<むすび>
秋保温泉街を経て仙台市内の定番コースで18時頃に無事帰宅。三日間全行程で912km。もう少し距離を走っている感覚があったのでやや意外。恐らく二日目の八王子・青梅を走った体験が濃厚だったのだろう。距離を走ったのではなく視覚情報が多くてたくさん走ったように錯覚しているのかもしれない。あれは夢のような体験だった……。斯様にとても充実し、かつサプライズ満載の関東行になった。kikuchi大先輩、Profumo姐さん、H社長、しまの助さん、今回もありがとうございました。次は山形ですな。かくも冗長なツーリングレポートに最後までお付き合いいただいた読者諸姉諸兄にも大感謝申し上げる。ありがとうございました。

6件のコメント

  • 房総半島に続き関東遠征お疲れ様でした!

    なんと3日ともハプニングの連続だったのですね〜
    事故や違反などではなく後から笑い話にできるもので良かったです。
    マカンは残念でしたね、私ならエンブレでアルファロメオから選択してしまうでしょう(笑)インドで売ってるらしいアバルトのSUVは気になりますが…
    今度は関東とんかつの旅などどうでしょう!

    • 今回は短時間しかご一緒できませんでしたが、お世話になりました。事故や違反案件ならブログエントリーのタイトルにはできないでしょうね(笑)。ショックすぎて。でもマカンの残念さも相当です。あれはないなー。
      __
      関東でとんかつだと、いまだ行けていない銘店、目黒の「とんき」に行ってみたいです。だから電車移動の方が便利でクルマ関係なくなっちゃう(笑)。

  • acatsuki様
    東京まで、遠路お疲れ様でございました。
    まさか、ブログの中に南武線が出てこようとは、、、はるか〇〇年も昔、通勤で使っていたことがありまして。ちなみに、南武線にあまり良い思い出はありません。バブル崩れの頃でした。その後は働くこと自体が大変な時代が続いてしまっていると思います。
    かっこいいご長男ととんかつが今回のベストショットと思うのは私だけかもしれません。
    クルマに関係ないじゃないか・・・(^^;

    • 渋滞には参りましたが、今回初めて出向いた稲城市、多摩市の市街地はとても暮らしやすそうです。普段仙台の山側に住んでいるのも大きく印象が変わらない遠因かもしれません。結果的に「住んでみたい町」でした(笑)。ファーストインプレッションって大事ですね。
      __
      長男ととんかつは完全に私のわがままでの離脱だったので、これでおいしくなかったら洒落にならん!と思ってました。おいしくて良かったです。今回特に二日目(第二章)の奥多摩・青梅方面を走ったのは本当に楽しかったのですが、毎日発生するトラブルの方に視点を置いて文章を書いたので、クルマや走行経路があまり詳述されていませんね(笑)。クルマブログなのに。

      • acatsuki様
        多摩センター周辺とか、○○年前はトレンディドラマ(今や死語?)の撮影をしていたりして、田舎から出て行った私としては23区外でも大都会でした。中央フリーウェイの歌詞はああ本当にそうなんだなぁと思ったものです。当時は、青梅あたりまで行ってやっと気持ちがホッとするという感じでしたね。自然な風景に飢えていて、週末は奥多摩や箱根方面に行くことがよくありました。
        どの道を通ったのか、もはや正確な記憶がありませんが、奥多摩から山梨へ抜けてから都内に帰ってこようとして、その抜ける途中、道路のど真ん中に大きな落石(岩?)があって避けて通ってきたことがありました。これ、走っているときに落ちてきていたら…と思って、ぞっとしたものです。それ以来、奥多摩湖から西へは怖くて行けなくなりました。今はもう少し安全に整備されているんでしょうけれど…。(^^;

        • そうそう、私も仕事で一度だけ多摩ニュータウン方面は行ったことがあるんです。でも上司といっしょに電車移動でしたから、何がなんだかって感じです。中央フリーウェイは初日の晩餐の前にP姐さんが「実際にあそこ走ってみようか」と提案してくださったんですが、人気店の予約時間に間に合わないのは迷惑だから……とボツにしてお店に向かったんですよねー(そして予約ミスがあった・笑)。
          __
          道路の整備状況ですが、今回走った超狭い範囲の印象で言えば、青梅、成木、飯能あたりは、確かに落石があっても不思議じゃない箇所はありましたよ(笑)。

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