正反対デュオ

その日は遅く帰ってくるはずの家人が、ずいぶん早く帰ってきたなと思ったら、髪を紫に染めた北関東在住の長男がリビングに登場。は?「いや、4連休でさぁ」。この長男と共同購入したマツダ ロードスターNCは、今年初めにローンを完済した。さらに、ちょうど1年前にある交差点で縁石に乗り上げて、不可避の足周り修理を親から借りた金で済ませ(本当は応急処置だが)、それもとうとう完済した。つまり長男はクルマへの支払いからフリーになったばかり。と思ったらハンドルを社外品に交換したりしやがって、名義は筆者のままなのにさっそく調子にのっている。その勢いに乗って、プン太郎と2台で朝活に出かけてきた。

この日のお題はふたつ。「ハンドルを交換したロドっちのご機嫌伺い」「長男がプン太郎初体験」。筆者はともかく、初心者マークが外れて間も無い長男が、クルマ造りも操作メソッドも別物のプン太郎に乗るには、安全対策としてそれなりの条件が必要だ。交通量の少ない、しかし走って楽しい道路(だってオレもロドっちを運転すんだからさ)はどこか……と思案すること1分、名取市・樽水ダムと村田町内を結ぶK118を選択。当日は朝6時に自宅を出発した。

K118の走破部分
近所迷惑なので、少し離れた公園で暖機運転

帰路は村田町からいつものK31を走るつもりだったので、往路は仙台市街地を抜ける。R286を南に走って名取市入り。名取市立高舘小学校近くの交差点からK118へ西に折れ、ちょっと走れば樽水ダムはすぐだ。ダム湖を見下ろす駐車場に2台を停める。長男は16年ぶりの再訪である。

長男・当時3歳

ま、それはともかく、さっそくロドっちを運転させてもらおうじゃないか。走行中の画像・動画はないので、興味のある方は上掲K118地図へのリンクを辿り、Googleストリートヴューでコースの全容をご確認いただきたい。舗装は草臥れており、かつ道幅に余裕のある区間はわずかなのであまり速度は出せないが、むしろそこが良い。加えて朝の7時ということもあり、交通量ほぼゼロである。素晴らしい。金も時間もない長男はいまだに間に合わせのスタッドレスタイヤを履かせており、そのグリップ能力は悲惨だから、そんなギュンギュン飛ばせるわけもない。いや、すみません、見栄を張りました。腕がないので飛ばせません、はい。ま、そんなこんなで、ごく安全に峠道を登ったり降りたりしたわけですが。

久しぶりにロドっちを運転して意外に思ったのは、コラム剛性の低さ。前述の通り路面は荒れ気味で、アンジュレーション、段差、そのほとんどの行程でクルマはかなり揺すられるのだが、その際にハンドルが上下にガタガタと動く。それで前輪操舵に甚大な影響が出るわけではないし、路面情報の伝え方もたっぷり濃いめにある。これは低剛性ではなく、突っ張らないように敢えて緩く取り付けているのだろうか。うーむ、わからん。

取り付けたハンドルは純正よりもやや小径なのだろう。その分クイックに感じられて気分は上がる。カーボン調(本物のCFRPなのか?)の表面は樹脂でつるっつるなので、ドライビンググローブが必須。と長男が言ってました。実際彼は運転中は基本的にグローブ装着の男。ただフラットボトム形状なので、こういう峠道でクルクル回す時はちょっと気に障る。筆者は真円ハンドルを選ぶ人なのだ。

メルカリで買ったらしい

交替して長男がプン太郎を、同じコースで。ま、こちらは初めてのLHD環境ということもあり、勝手が違い過ぎてなんだかわからんというところだろう。ライン取りもかなりセンター寄りだし。というかプン太郎とロドっち、この2台は相当違う。小排気量ターボ過給と中排気量自然吸気。FFとFR。実用車ベースと専用設計。4人乗りと2人乗り。屋根付きと屋根無し。こういう2台を、乗り換えた瞬間から操縦し分けるのは慣れも必要だが、「クルマの主張」を気取る訓練も必要だ。一般人は単純にきちんと向き合ったクルマの経験台数を増やしていくしかないと思う。

改めて自分のクルマに乗りなおして、三度K118の峠を越えて村田町から仙台市太白区・茂庭へ。朝ラーこと朝から営業しているラーメン屋さん「太平楽茂庭店」に入店。筆者は中華そば(小)、長男はラーメン。ふたりともそれぞれチャーシューライスも発注。

「こ、これで小??」という気前の良い盛りに悶絶。1口目こそ煮干し出汁の主張がちときついかな?と思ったが、あとはするすると食べられてしまった。うーん、朝ラー、久しぶり。楽しいしおいしい。太平楽は仙台市内にいくつか店舗があるが、ここの中華そばは筆者と相性が良いみたいだ。うれしい。

滞在中に長男はシフトノブまで交換していた。そっちは実物を見てもいない。

10件のコメント

  • 親子水入らずで、良いドライブでしたね! ラーメンも美味そうだし。ところで、樽水ダム脇の道って、物凄く細かった気がするのですが(もう何十年も走っていないらしい>私)、今はもしかして普通に走れるのですか?

    • や、細いですよ。一部改良されている区間もありますが、村田側は総じて狭くて細いです。黄色いのでは行っちゃダメです。オレンジのならいいかなぁ。私ならCセグメントまでとしますね。ジュリエッタまで。ジュリアになったら行きたくないです。でもプントエヴォやロードスターには楽しいんですな、これが(笑)。

      • 黄色いのもオレンジのも、ほぼ1800mm、同じ車幅だったりしますw

        • ぐはっ!オレンジの、結構横幅あったんだな……。ま、いずれにせよ、もうちょっとラフなムードのクルマで行くことをおすすめします。

  • 息子さんとのランデブードライブ羨ましいぃぃです!!うちの息子は今年で小学4年なので、まだまだ先だなぁ~。しかし、その時の新車にはもうハンドルがついてなかったりして…。小6になる娘は隣に乗りたがらないので、たまに息子を乗せて走ることが関の山かな…なんて考えながらブログ読まさせて頂きました。車の特性や設計が異なる車を乗り換えての運転は、今まで当たり前、普通と思っていたことが違っていたりなど目鱗的な発見があったりと勉強になりますよね!
    私も将来息子にジネッタG12を買わせて乗り比べしながらランデブードライブしたいなぁ。あ、ポルシェ911GT3でも良しとしてやるか。(今、私、遠くを見つめています…)

    • ま、ある意味、英才教育を施してきましたので(笑)。もっとも長女の方はまったくクルマに興味ないです。1勝1敗。私の場合だと、ロードスターからプン太郎に乗り換えた時の違和感がすごいです。同じフロントエンジンなのに、ロードスターは爽やかだけど、プントエヴォは何かコテコテな感じがするんです。加速でも旋回でもそうなので、やっぱり駆動輪の場所ってのは乗り味に大きな影響を及ぼすんですね、きっと。確か頭文字Dだったと思うんですが、主人公のFR車に対して、FF(シビックタイプRだったような)の刺客みたいなのが現れるエピソードがあったと思うんです。そもそも頭文字Dをほとんど読んだことがないのですが、なぜかそれは記憶に残っていて。で、今ならものすごくリアリティがあるだろうなぁ、と。ラインから加減速のタイミングまで、ぜんぜん違いますもんね。FRとFF。
       
      ところでGT3はやっぱり996ですか?先日職場裏の駐車場に996GT3、それも痛車仕様、かつ飛び石傷ありありってのが停まっててビビりました。

  • こんばんは。息子さんと仲良くドライブデートで羨ましいです。マニュアルギアでコンパクト、という点だけが共通でしょうか。やはり相当違いますよね。K118は一度だけ走ったことがあります。確かに道は面白いのですが、おっしゃる通り道が狭いので、ちょっと敬遠していました。それにしても初心者マークが取れて間もないのに、左ハンドル車にそれもマニュアルに乗るのは、そうとう大変だったのではないでしょうか。息子さんの感想やいかに。やっと気温も上がり走り回りたくなる季節になりました。私も今日意味もなく屋根開けて館団地あたりを走ってきました。楽しかったです。

    • 当スタジオ方面へようこそ(笑)!プントに乗り換えた当初は私もセンターが把握できず四苦八苦したものですから、長男のキャリアでプントを楽しむことはまだできなかったでしょうね。特に感想らしい言葉はなかったです(笑)。あまりにも違いますしね。なにがどう違うのか言語化するのも難しいかもしれない。あとK118はハード過ぎたかもしれません(笑)。

  • やっぱり996です!!997以降から電子制御が進んでくるみたいなので。アナログマシンの996が個人的に好きです…ま、乗ったことないけど(涙)。大抵の人から不評の涙目もオイラには愛らしい?!

    • いやー、もうマジで、996GT3導入の曉には、ちょっとでいいから運転させていただきたい。そうなんですよね、我々が911の特徴だと思っているものは997以降どんどん電制のおかげで薄らいでいるという話。カイエンで初めて「ポルシェ」を知って、「へー、スポーツカーもあるんだね」なんて言ってる、とんちんかんのために安全マージンを高くしてるんじゃないかと思ってます。996以前には「ウィドーメーカー(未亡人製造機)」なんて呼ばれてるモデルもありましたもんね、911。でね、電子制御盛り盛りで997からキャラが変わり始めた、991でそれは加速したなんて話を読むとですね、996のあの涙目が確かに愛おしく見えてくるんですよね(爆笑)。あんなにかっこ悪いと思っていたのに。ま、買えないから関係ないけど、鉄道や飛行機マニアに比べれば、買って乗れる可能性がゼロじゃないだけで恵まれているとも言えますよね。

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