一関、一ノ関、いちのせき!

当ブログが2022年に目指すツーリング目的地は岩手県である。2022年は岩手県探訪の年としたい。本当はそれは2020年に達成されるはずだった。だが病のせいで2020年はあらかた棒に振ってしまった。ようやく復活してさぁ今年こそと意気込んだ2021年はCOVID-19拡大防止対策によってかなわなかった。個人的には非常に切実な2年遅れの再宣言である。その堅実な第1歩として、宮城県に隣接する一関市へ行ってきた。しかも家人とシトロエン C3で、である。あまりに堅実過ぎたかもしれない。てへぺろ。

これまでに何度も訪れたことがある一関市を選んだのは、同行する家人が街歩きを楽しめるようにだ。詳しくないところに加えて、ごく僅かながら周辺を歩いた経験があるので、JR一ノ関駅をゴールとしてみた。駅の近くに一関らしい食事ができる場所はないか?とGoogleMap上で探索した結果、世嬉の一酒造がやっている餅料理が食べられるレストランで昼食を認めることとした。一関市・一ノ関駅・世嬉の一と字面が分かりにくくて申し訳ないが、すべて固有名詞なので仕方ない。

往路の運転は家人にお任せ(でもナビはする)。経路そのものは宮城県北の伊豆沼を経由するお馴染のもの。ひとりで走っている時は、停車するスペースがないがゆえにいつもスルーしてきた場所でも、助手席からなら写真を撮ることができる。大和町、三本木町、田尻町を経由して伊豆沼へ。石越町から岩手県花泉町へ。花泉町から一ノ関駅前は、割とすぐだ。

R457_GW20022
いつもの場所が見慣れぬ混雑。さすがGW
水を張った田んぼ2022
田植えの準備が着々。定点観測地点
トラクター
前略、橋の上から
栗駒山
栗駒山
とじまりしっかりどろぼうがっかり
お馴染の定点観測地点
伊豆沼へ向かう農道
この場所がGoogleストリートヴューに掲載される日は来るか?

8時半頃の出立だった上にのんびりペースなので、一ノ関駅前付近では11時半をまわっていた。蔵元レストラン世嬉の一は地元民が足しげく通うというよりも、メインは観光客のようだ。休日のこの日、我々が到着したのは駐車場がそろそろ満車になるというタイミングだった。一関の郷土料理としてお餅を食べに来たわけだが、お店イチ推しの膳は写真で見ると相当にボリューミー。さてこれをひとり一膳頼むべきか?着席して店内を見渡すと、それなりに高齢のお客さんも多い。ということはお年寄りでも完食できる量なのだろうか……?すっかり小食になってしまった筆者、食べ過ぎを警戒して、我々のテーブルではを一人前にプラスして豚の地ビール煮という、メイン1+サイド1な布陣で臨むことにした。外食倫理としてはぎりぎりセーフというところか。

世嬉の一酒造
果報餅膳2,200円
これが!果報餅膳2,200円だっ!
雑煮
お雑煮もセットで付いてきます
豚の地ビール煮880円
豚の地ビール煮880円

結論から言うと、お膳は二人前頼むべきだった。小椀に盛られたひとつひとつのお餅は一口で食べられる大きさで、全部食べれば確かにいつもの食事よりは多めだが、いっしょに付いてくる雑煮と合わせて食べきれない量ではない。絶妙な量なのだ。この膳を家人とシェアしたわけだが、どれもおいしかった。家人も同様の感想。豚の地ビール煮は、クラフトビールも同時に造っている酒造ならではのメニュー。ほろほろでおいしかったが、もっとがっつり食べられる「一関ミートさんのアイスバイン1,980円」の方が良かったかも……。年寄りが病気になると、食べる量が本当に難しいねぇ(泣)。お料理を運んでくれた佐藤さんという女性の対応が実に気持ちよかった。

世嬉の一酒造の敷地は広く、酒蔵や麹棟などが威容を並べている。酒蔵を改造したというレストラン棟を出ても、家人は味わい深い蔵の撮影に夢中。筆者はその間にお土産棟で物色。甘酒と本醸造酒の四合瓶をそれぞれ1本購入(だって呑めねぇんだよ)。

蔵

この日は終始良い天気だった。一ノ関駅脇の市営駐車場にC3を停めなおし、徒歩で周辺をうろうろ歩く。ひたすら古い建造物や凝った意匠の塀やタイルの撮影に没頭する家人とは別行動とした。以前、盛岡と一関に住む先輩ミュージシャンふたりと呑むために、駅前のホテルに一泊したことがある。調べてみれば、それは2015年の春のこと。実はその呑み会は今でも不定期に実施されており、大げさに言うと、筆者の生きる糧とすらなっている重要な呑み会である。そんな大事な呑み会の記念すべき第一回目開催の地が一関なのだった。その時訪問したお店がどこにあるのか、確かめながら歩いてみる。

JR一ノ関駅
JR一ノ関駅……だけど看板は「いちのせき駅」
一関の呑み屋街1
絢爛たる看板がたくさん並んでいたけれど……
一関の呑み屋街2
一関ストラッティン
一関・祠
観音様

あの日の1軒目だった居酒屋さんはどうやら閉店してしまったようだ。いや、そのお店だけではない。お店そのものがずいぶん減ってしまったように見える。昼間だからだろうか……。お酒を呑む人が減ったわけじゃないと思うのだが、残念なことだ。

ただいま常連さんのみ

数ブロックを行ったり来たりしていたら疲れてきた。や、それでもずいぶん体力は回復したよな。去年の今ごろ同じことをしたら、食事の後は駅前に停めたC3の中で寝ていたと思う。こんなに歩けるようになったよ!立った!クララが立った!とハイジも大喜びである。調子に乗って喫茶店に入ってチョコレートパフェでも食べようかと思ったのだが(実際一関駅前にはレトロムードな喫茶店がふたつもあるのだ!)、せっかく復調ぎみの腹具合を自らいじめることもあるまい、と翻意。家人と合流して帰路に着くことにした。市営駐車場は1時間少し停めても100円というアンビリーバブルな値段設定だった。

浮蓮渡
次回こそチョコレートパフェを食さん!

帰路は筆者が運転を担当。R342を西進。厳美渓……の手前から分岐するK240を目指す。たしかここは、2020年の退院後、ひとりツーリングの距離を徐々に延ばす訓練として厳美渓を訪れ、やはり帰路に偶然走ったのが最初だ。あの頃の腹具合で厳美渓まで来るのは大冒険だったなぁ。そんな思い出もブースターにはなるが、今はなんの心配もなくK240の緑を楽しむことができる。春・夏・秋に走ることをおすすめしたい。

K240春2022
K240

厳美渓からK240で南下できる距離は意外と短く、結果的にはR457に合流し、宮城県へ降りていくことになる。適当な交差点でR457を離れてみたが、結局行き着く先は宮城県の岩ヶ崎である。となればせっかくだからキャノラインさんに寄ってジーンズの1本でも買って帰るか!と鼻息荒くなったが、家人に家計の内情を冷徹に指摘され断念。でもC3を停めて大手屋さんへ寄る。たい焼きを購入。

岩ヶ崎・大手屋
たい焼き(あん)120円
んまい!

ここのたい焼きは上品の反対で本当にうまい。満腹でも食べずにはいられない味だ。しかも120円。500mlPETボトルのお茶より安いってどういうこと?なボリュームである。本当に大手屋さんに寄っただけで岩ヶ崎を出発。再びR457に乗ると、岩ヶ崎から南下してすぐに西へ曲がることになる。例の細倉マインパーク方面である。

考え無しに進んだので、本当に細倉へ着いてしまった。頑なにR457を堅持して花山に到達。さすがに花山から岩出山までのR457は退屈すぎるなぁ……と考え、小田(こだ)地区にある小田ダムに寄る。「害獣被害のためパークゴルフ場を閉鎖中」と看板が出ている。ま、この季節、人命に関わる害獣と言えばベアーこと熊でしょ。昨年は当ブログオフ会も「害獣被害のため」やや不便な思いをしたものだ。だがおかげで小田ダム展望台には誰もいない。ウグイスの鳴き声を堪能する。

小田ダム
小田ダム

小田ダムからは鳴子上原(なるこうわはら)地区の牧場地帯を通り抜けることができる。ここはもう定点観測地点だ。

鳴子上原

驚いたことにこの地区にハンバーガー屋さんが出来ていて、しかもけっこう繁盛している様子だった。鳴子や川渡の温泉付近では、確かに頼りになる飲食店が限られる。ハンバーガーは嬉しい選択肢だ。いずれ立ち寄ることもあろう。

そしていったんR47に合流。岩出山町内へ入り、K226を南下。先日のとある事件の現場を通りすぎ、王城寺原付近を経由して三度のR457で無事に帰宅。斯くして2022年岩手探訪の先陣を切るツーリングは、上首尾の内に閉幕した。8時間/約300kmはどちらかと言えばライト級。しかも家人と折半したので筆者が運転したのは150km強だろう。しかし帰宅後少し寝た。一ノ関駅付近を歩き回ったことも充分効いてはいると思うが、この程度のツーリング、しかも運転の楽なC3でもそれなりに負荷はあった。岩手県は県土面積日本一であり、宮城県からだと北にも東にも広い。今回の身体への負荷を勘案すると、さらに足を延ばす予定の次回以降は、E4東北自動車道の使用は必須となるだろう。岩手探訪の旅2022、刮目して次回を待て。

10件のコメント

  • だんだんと、グルメブログにもなりつつありますね😆
    岩手はかなりの道を走りましたが、記録を全然残してないので(今でもそう)、ほんとにacatsukiさんのマメさには感服いたします。

    • グルメブログ化したいわけじゃないんですが、今回は往路も復路も走り慣れた道だったので、経路について感じることが少なかったんですな。じゃあ走り慣れていない素晴らしい道を走るとどうなるかというと、めっちゃ集中してばびゅーんと走りきってしまうので、途中で写真を撮りづらいという……。走り慣れた道であれ、経験値の少ない新鮮な道であれ、その道を走ってどうだったのか、どう思ったのかをきちんと書けないのは文才がないからです。食べ物はある意味楽なんですよ、書くのが。甘かった辛かったって話は、人は自分の経験値から想像してくれるので、感動を共有しやすい(笑)。文章でも同じだと思うのです。
       
      このクルマブログは、もはや老後の楽しみとなりつつあって、「あぁ、あそこに行ったなぁ」「あの道路は本当に走ると楽しかったなぁ」と死の床で読み返すために書いてます(笑)。

  • こんにちは。GW中は息子さんとご一緒の2台ツーリングが当然載るものと思っておりましたが、奥様との内容でした。一関の世嬉の一さんは一度は行ってみたいと思っていたので、うれしいです。一人一膳ずつとっても大丈夫なんですね。
    岩手は東北道必須ですが、時間さえあれば、下道で行って一泊後いろいろ走り回ることもできます。是非2つの大規模林道を走ってください。県道1号も趣があります。岩手は山々が高くてすそ野も広いので、走りがいのある道が多いですよね。1年間楽しませていただきます。

    • 息子は7月まで連休がないそうですよ。(笑)。7月は可能ならあっちにいって榛名山などを爆走してみたいものです。
       
      さて、世嬉の一、いけますよ、ひとり一膳。でもできれば平日に行かれることをおすすめします。お店全体が大混雑に慣れていないムードがありました。本文に書いた佐藤さんだけは物腰穏やかでとってもサービスが優雅でした。おいしいんですけどね。さらに言うと一ノ関駅前にも同じく餅膳を出す料理屋さんがあって、そっちも気になりました。でもお餅料理食べるなら、おばあちゃんちに里帰りしてほれもっと喰えもっとおかわりしろ!って言われながら4種類くらいの餅を喉まで詰め込みたいですねぇ。あ、大規模農道については今度詳しくおせーてください。

  • こんにちは。いつもホントお世話になっております。一関情報満載で嬉しいです。この一関には二桁台以上来てるのにある1箇所しかいかないもので世嬉の一など、いつもチラ見してたのに中まではいったことはなく、今回すばらしい内容を知ることができて感動しました。行くまでのルートや街の概要までホントにありがたいです。ぜひ、こんどはこの脚で周ってみたくなりました。それと、kikuchiさんの二大林道にもぴくんときました。ぜひ、ここも知りたいところです。オフ会でお会いできたらうれしいな。

  • Queiko姐さんの一関情報も知りたいでーす!ある一ヶ所ってどこ?kikuchi大先輩の二大林道情報も大期待です。いっしょに教えてもらいましょう!

    • ジャズ喫茶ベイシーです。ヒノテルさんのライブとかケイコ・リーとか、坂田明先生のミジンコの授業とか昔から何度も来てます。今はやってないのが寂しい。

      • ベイシーか!1回しか行ったことがないです。ずぅっと休業されているようですね。

  • 岩手県ならあの大規模林道は外せないですね。kikuchiさんが書かれている2つの林道は多分あれだと思います。大規模にもほどがある林道ですので是非とも。
    なお大手屋さんのたい焼きを食べに、2022東北ツーリング計画中です(汗

    • こんなにもおすすめされるので、辛抱たまらず検索しちゃいましたよね、岩手の大規模林道。あー、なるほどー。これは走らねばならないですね。ところで東北ツーリング、仙台に一泊とかされる予定がありましたらコメント欄に適宜その旨書き込んでいただけませんか?呑み会設定します。「クルマ(の話)で呑みますOFF会」。コロナのせいでずいぶん御無沙汰だもんなぁ。もちろんご負担に思わないでくださいね。もしも仙台に一泊するなら、ですので。ツーリングのペースは人それぞれですんで。

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