岩手探訪#2・ヒャッハー!東磐井広域農道
朝起きたら脱水症状だった。その時は気付かず、「なんだか寝たのに疲れてるなぁ。足も重いし」とのんきに朝ご飯代わりにりんごを食べた。この日は岩手探訪第2段として宮城県東和町からR456で一関市千廐へ抜け、さらに北に延びるK104とかK10とか、地図上で見ると細ぉい線でしかないが、きっと素敵な田舎道なんだろうなぁという予感しかない道々を、ひたすら北に走ってみようと思っていたのだった。だがそんな体調じゃないぞ、これは。とにかくだるくて仕方ない。数時間寝て起きたら少し元気になった。この段階でひたすら喉が渇いていることに気が付き、脱水症状に思い当たった次第。発病以来3回目の脱水体験。いいかげん予防できたり症状でピンときたりしそうなものだが、「まさか自分が脱水症状なんて」という思い込みがまだあるのだろう、無駄に苦しんでいる。
もうちょっとイントロを続けてもいいですか?そもそも前述の探訪計画第2段では、大船渡あたりに1泊するつもりだった。以前釜石と遠野の間にある仙人峠にを日帰り往復して意外に疲れてしまい、「こりゃ遠野に1泊すべきだった」という反省をもとに計画したもの。一応この程度の学習能力はあるんです。
2017年10月17日
MiToで行く!真・仙人峠2017!!
今の身体じゃ10時間/485kmなんてまず無理だ。千廐から北上すると言っても遠野まで行くわけではなく、その途中で交差するR397で東進し、そのままR107で突っ切れば大船渡市だし、途中のR340でちょっと南下すれば陸前高田市だ。実はそのどちらかの街の旅館に泊まるつもりで、実際に宿のピックアップまでは終えていた。が、定期レポート#43に書いたとおり、ブレーキに違和感がある。タイヤ交換時に指摘された左リアだけサイドブレーキが効いてない事案も気になる。㈱イデアルの敏腕営業でもあるS店長に相談したところ、この岩手探訪予定日の翌日ならピットが空いているという。かなりの字数を費やしてようやくイントロが終わる。岩手探訪#2は直前に「無理せず日帰りできる範囲」にスケールダウンし、決行当日の朝に脱水症状を起こしてしまうという、かなり不利な条件での出発となった。
二度寝して、水分摂取(午後の紅茶無糖ストレートがぶ飲み)して1時間様子を見ていたが、だんだん調子は良くなってきた。こうなると快復に必要なのはアドレナリンである。絶好調ではないものの10時に曉スタジオを出発。まずはE45三陸自動車道へ鳴瀬奥松島ICから乗る。
この日は登米東和ICでR398へ降りる。いつもはそのまま東進して、以前とはうって変わって交通量が激減したR398のくねくね道路を堪能しつつ南三陸町へ走るところだが、今回は逆方向、米谷の町中を抜けてK202へ。ひとまず東和町・道の駅林林館でトイレ休憩。目の前のR346を少しだけ北上すると、米川の町中を抜ける。そこはもうR456だ。宮城県側はそれなりのワインディングロード。体調を慮ってぶっ飛ばすことはしないが、それでも楽しい。
岩手県に入る。そこは一関市藤沢町。有限会社藤沢砕石を目印に東に曲がる。少し進むとK295にぶつかる。K295は気仙沼から県道だけで帰ってくるルートとして愛用しているのだが、北上するのは初めて。走る方向が逆になるだけで、景色が違う。藤沢町保呂羽でいよいよ東磐井広域農道に乗るのだが、この分岐点があまりにも地味で見落としてしまい、数百メートルながら戻る羽目になってしまった。目印らしい目印もないので、ナビなりモバイルのマップアプリに頼るしかない。もっともこの分岐点を見落としても、そのまま北上すればK218を経由して農道に乗ることは可能だ。
で、東磐井広域農道。保呂羽のあたりを走っている時は、あまり驚かないし感動も大きくない。そもそもこの周辺の道路は交通量も少なく舗装も整備されているから、「ま、こんなもんかな」とヒネた感想をまず持ってしまった。ところが、北上を続けるとどうも様子がおかしい。これまであちこちで体験してきた「走って楽しい農道」は、たいてい幹線道路同士を結ぶもので、その距離は数kmから5kmくらい。中でも脳内に快楽物質が溢れるような区間はその一部と言える。例外は山形のブドウマツタケラインだろうか。そのブドウマツタケラインだって、ドライビングハイを経験できるのは限られた区間である。何よりも地元民が普通に走っているから、ペースは乱れざるを得ない。農道ドライビングの真の楽しみは、実は良くて数km、儚い一瞬の走行体験なのだ。東磐井広域農道は、よその農道ではあっという間に終わってしまう「農道走行の一番オイシイ部分」が延々と続くのだ。すなわち良質の舗装、概ね広い道幅、ひたすら続くマイペース走行。訪れた日はどんよりとした曇り空だったが、保呂羽のあたりから薄日が差し始め、気温も25度くらいまで上がるという「実はピーカンよりもドライブ向け」の天気。一関と気仙沼を結ぶR284を縦断してなおその天国が続く。山形の白鷹町と飯豊町をつないでいる置賜広域農道も極楽だが、舗装品質と道幅では東磐井広域農道にはかなわない。コリャドウイウコッチャ。コンナニタノシクテヨイノカ??
おいしい料理を食べ続けると味がわからなくなってくるように、R343との交差点くらいまで来るとボーッとしてきてしまった。幸せ過ぎてコワイ!というヤツだ。体調が良ければさらに北上しただろうが、無理せず日帰りが条件ならこの辺で引き返すが適当だろう。R343渋民バイパスに乗り東進(驚いたことにここも一関市内なのだった)、陸前高田市へ。R340へ乗り換えてすぐのファミリーマート高田竹駒十日市場店でおかずを買って昼食。左様、この日はおにぎり持参だったのだ。
この辺ではもう天気は完全に晴天になっていて、陽射しが肌をピリピリ焼く。窓を開けたプン太郎の運転席で、おにぎりと鶏つくね串をぱくぱく。駐車場を出入する地元の人々と思われる車や、目の前のR340の往来をぼんやり眺めていると、しみじみと遠くへ来た感慨が湧いてくる。なんだよー、最高じゃねーかー。
せいぜい200kmだが、遠征気分も満喫できた!陽がある内に帰宅できるだろうか。実は藤沢町を超えるあたりから腰が痛くなってきていた。まぁなぁ、なんつってもその日の朝まで脱水症状だったんだしなぁ。アドレナリンの効果が出てるうちにさっさと帰ろう。そのファミリーマートからE45陸前高田ICまではすぐだった。ここから宮城県気仙沼あたりまでの区間はまだ出来て間も無いから、路面もきれいで走りやすい。はずなのだが!ペースの遅い車が次から次へと現れる。言うまでもないが、はるか彼方の石巻あたりまで、E45は基本的に単線対面通行である。たまに現れる追越し車線も空しい。気仙沼を過ぎる頃には頭がボーッとしてきた。東磐井広域農道との落差が激し過ぎる!!E45を走り続けるのは返って危険と判断し、桃生津山ICで離脱。
宮城県北内陸パートを走るスキルはかなり上がった。だいたいどのあたりを走っているかがわかるので、チェックポイントとなるいくつかの交差点では、敢えて反対方向に曲がってみたりした。腰が痛いんだけどね(笑)。
少しふらふらと走り回ったが、結局はいつものコース。大和町まで戻ってきたらあとは往路をなぞることにした。6時間半/344km。お気付きの方もおられると思うが、本ツーリングレポート、写真が非常に少ない。今回初めてわかったのだが、気持ち良い道路をガーッと走りつつ、「あ!こりゃ撮影しておかないと!」というナイスポイントでクルマを停めて、カメラを取り出して撮影するという行為は、体力も気力も必要な所作なのだった。走っていて気持ち良いから停まりたくないという気持ちは今回ももちろん強かったが、「なんか、停めて撮影すんのしんどい……」という気持ちがあったことも事実だ。そんな体調良好とは言えない状態でも300kmを超えて走ることができたのは、明らかに東磐井広域農道の極楽具合のおかげだ。こんな広域農道が岩手にはもうひとつあるという。これ以上北へ足を延ばすには途中泊プランか、往復路とも高速道路を使うしかない。今回もプン太郎はがんばってくれたが、例の怪しいブレーキ、なんともないと良いのだが……、と、このツーリング翌日にS店長のところで診断してもらったところ、驚愕と憔悴の事実が判明。次回、詳しくレポートするかもしんない。や、マジで心の整理がつかない……。
「なんか、停めて撮影すんのしんどい……」 ← よーくわかりますw
それにしても、驚愕と憔悴の事実とはなんでしょう? 気になります。
今週末は主催者は来れるんでしょうか!?!?
私は雨降り、もしくは予報が雨でなければ、参加させていただきます!
今回の岩手行、裏トピック大賞がこの「写真を撮るには体力と気力が意外と必要」ってことですね。こうなるとふらっと走りに行くためには、日々摂生して健康に過ごせるよう注意を払わねば……ということになってしまいます。←しろよ
予報では雨ではなく、曇りでにわか雨があるかも……ですが、山方面ですから降りやすいかもしれません。ご無理はなさらないようお願いします。主催者は行きますよ、ええ、プントエヴォで。
こんにちは。東磐井広域農道すごく良さそうですね。私は西磐井広域農道を走ったことがありますが、どちらも楽しい道のようで、そのうち東の方も走ってみたいですね。それより、脱水症状に二度寝で対応。すごい裏技のような気がしますが、有効なんですね。参考にします。
さて、岩手県は大きい県なのに、人口もそう多く無いのに、なぜか道は状態が良い物が多いですね。謎ですね。これからのレポートを楽しみにしております。そして、気になる愛車の状態も。
えええっ!!??てっきりkikuchi大先輩がおすすめするふたつの広域農道のうちのひとつだと思ってました。西にもあるのか!今回は本文に書きそびれましたが、今年の岩手探訪は東北自動車道よりも東側を中心に実施しようと思っているんです。盛岡以南という条件付きですが、西側(つまり山側)はこれまで県道ツアーで何度も走っているので。遠野くらいまでのE4東側はなんとなく想像できるから、まずはその辺りから……と思って今回のコース設定になったのですが、いやはや、想像をはるかに超える奥深さです。西磐井広域農道かぁ……。
プントエヴォの現状は深刻な状態でした。元に戻せますが、見積り額が未体験ゾーンでした。
プン太郎、改めていい色ですね。曇り空の下だとしっかりグレー、晴れてると白っぽい。まさに飛行機。なーんて思ってたら修理ヤバメ案件ですか(汗)こわいなぁ。
週末のオフ会、前日入りする予定でしたができなくなっちゃったので、朝からがんばっていきます。何時に着くかな?
サーキットで勝つために塗料の重量すら削るためにサーフェス吹きつけただけで出場してたとか、テストコースに使っていたのが廃飛行場の滑走路で、WW2敗戦で不要になった大量の飛行機用グレー塗料が滑走路脇に積み重なっていたからそれ塗っとけとカルロが言ったとか、とかくグリジオカンポボーロには曰くがあるようですね。それらエピソードにシビレてプントエヴォを購入したわけですが。やぁ、ホントに参りました。オフ当日はちょっと雲行きが怪しいようですから、235さんでの参加ですかね。良いクルマなんでしょうね(棒)。
こんにちは。余りの天気の良さに、本日東磐井広域農道を走ってきました。一関からK19で東行し、広域農道の始点から走りました。終わりの方の七曲峠で工事中でR456のままR346に進み、林林館でお昼として築館から東北道で帰ってきました。結論、ヒャッハー!でした。本当に良かった!大規模林道もいいけど、道路の広さやエスケープゾーンの広さ、舗装の具合などなど、農道の方が断然良かったです。大満足でした。(大規模林道の緑のトンネルも捨て難いけど)
土曜日は、予報が良い方に変わって良かったです。楽しみにしております。
素晴らしい道の紹介を頂きありがとうございました。
あぁ!K19!あそこもいいですよねぇ。猊鼻渓をスルーして農道、お見事です。さっそく試していただいて嬉しい。そうかそうか、kikuchi大先輩が書かれていたのは「林道」か。そりゃあオレも走ってみなきゃ!いったいいつになったら「岩手北部」の探訪ができるのやら……。こりゃ1年じゃ足りないかも。