もう一度言います。大事なのはK24とK105です。これ試験に出るからなー

丸森にふらりと走りに行った帰り道、角田の山中で狐に化かされたような体験をしてしまった。とても楽しかったのでツーリング記として書いてみる。

その日は朝から家人のシトロエン C3のタイヤをスタッドレスタイヤへ交換作業を行った。家人は通常どおり仕事に行くのだが、この交換作業のために筆者がロードスターで職場へ送っていった。様々な工具が充実してきて以前よりは仕事が速くなったとは思うものの、段取りが悪いのだろう、4本交換するのに小一時間かかる。いつもの時間に起床してさらに一仕事して、そうしてから丸森へ出かけたのだった。丸森に用事は特にないのだが、県南にふらっと行ってみるか……という時に、折り返し地点として丸森町はうってつけなのだ。

仙台から丸森へのコースは、筆者ライブラリーの中には3コースある。この内のR6を南下して東から回り込むコースは今回は除外する。R4とR6の分岐点へ到達するには仙台市街地、あるいは岩沼市街地を横断せざるを得ず、アサイチで家人を市街地まで送っていったのに、わざわざスローペースで再走するという選択肢はない。となると角田市から南下するか、白石市から山中のクネクネ道を走って西から入るか。どっちも捨て難い。R286を村田町へ向かいながら、まず前者で丸森に入り、後者を帰路のお楽しみと決める。

この日は最高気温はフタケタ度まで上がったが始終ぐずついた天気で、幌を閉じたままペースを上げずに走る。ひとりでふらりと、大音量で音楽を聴きながら、行き先での目的もなく、経路にも特筆すべきトピックもなく、ただ淡々とクルマを前に進めるだけというツーリングは久しぶり。ひたすら運転操作にだけ集中するも、ペースを上げるためではなくその操作をひとつひとつ噛みしめるため。こうなると時折強くなる雨足もまったく気にならない。気分が高揚するのではなく、しみじみと楽しい。

村田町内・深山神社
(宮城県柴田郡村田町大字薄木字四郎畑58)

村田から大河原、そして角田を経由して無事に丸森町へ。例によって地場産品の物産館「八雄館」さんへ。時間は11時を過ぎたところ。いつもなら定番のはちみつを購入して町内の飲食店に入店するところだが、殊勝にもこの休日の間に胃腸を整えたく過剰な飲み食いを控えようと考えていた。なのでこの日は飲食店新規開発は見送り、ナイスお総菜を買うことにする。ところが八雄館で扱っているお総菜(近隣の店舗からの納入品なので、これはこれで地場の製品)は盛りが多い。おにぎりはコンビニのそれの1.5倍はあるし、コロッケなんか最低でも4個パックから。量的見地から唯一眼鏡に適うのはパック助六寿司というところか。助六を見つめつつしばし逡巡していたら、筆者の後に入店してきた老夫婦がやはり何を購入するか議論を開始。その旦那さん曰く「こんな山の中でわざわざ寿司喰わねでもっしゃ(訳:喰わなくてもさぁ)」。まったくそのとおり。筆者への言葉かと思った。だがこのひとことで逆に助六を買う決心がついた。こんな山の中で、オレが買わなきゃ誰が買うんだ、と。や、本当はいつもここのパック寿司は売りきれちゃうんですけどね。筆者が義侠心など奮い起こす必要は多分無かったのだが、特大おにぎりと特盛コロッケ、あるいは唐揚げよりも、明らかに病身に負担が軽いのは寿司である。少し混雑している店内で、この時期恒例りんごの袋詰め放題500円にも挑戦。昨年もこのりんご袋詰めに挑戦したことをこのブログで書いた。いらぬ遠慮をして軽く詰めたら店員のおばさんに袋をひったくられ、「ほら!もっと入っから!!」とざくざく追加で詰められた。郷に入っては郷に従え、いらぬ遠慮などするものではないと反省したものだ。だから今度は袋の口が結べないほどギュウ詰めにする。するとレジで「袋、2枚に分けますね」とあっさり言われ、一袋500円の定義など気にしないこの姿勢はロックンロールだなと感心する。ちなみにその日の夜、購入したりんご「ふじ」を食べてみたら今シーズンベスト3に入ること確実のおいしさだった。すばらしい。パック助六寿司、山ほどのりんご、焼きまんじゅう1個を買って1,200円くらい。SUGEE

パック助六寿司、りんご(代表)、焼きまんじゅう

お腹が減っていたので駐車場でさっそく助六寿司を食べようとしたら、なんと醤油が入っていない。かんぴょう巻き、いなり寿司、蟹のにぎりという内容である。どう考えても醤油の入れ忘れではないか。思わずレジに申し出ようかと思ったが、レジのお姉さんたちに、混雑するレジで他店納入商品の醤油入れ忘れに対応する手間をかけては悪いと思ってしまい、釈然としないまま助六寿司を平らげる。あの老夫婦の旦那さんは正しかった。ここはひとつミラクル狙い。胃腸の調子云々は早くも忘れ、敢然と八雄館の向かいにあるジェラート屋さんへ向かう。だがこちらはとっくに冬休みに入っていてお休み……。とほほ。

こうなると楽しみは帰路だ。以前丸森からの帰路に気まぐれでK105を西に向かってみたことがある。行き着く先はJR白石駅でありR4だから大きな期待をせずに脚を向けたのだが、山中を縦横に走る細道をそれなりのペースで走るのがとても楽しかった。往路に検討したのもこの白石市内からR398へ抜ける山中の細道群。本格的に雪が積もる前に一度走っておくのも悪くない。ということで、旧角田市立小田小学校を目印にK105へ。

前回の「走ってみたら意外と楽しかった」ということは、つまりあてずっぽうに走ったということで、今回はGPSログを取って経路を明らかにしてみよう。西に向かって進むと「斗蔵山/野鳥の森」あたりから突然道幅が狭くなり、「程度の良い山道」になる。折々に「あ!ここ走ったな」という分岐点があるが、その分岐をどっちに進んだかはまったく思い出せない。どうせオレのことだからこっちだろ、という自分の心理分析みたいなことをしつつロードスターを進める。

あ!ここ見覚えある!
えーっと、確か左折したんだよな、
きっと……、オレのことだから……

うーん、初冬の里山の風景が胸に沁みるぜ……。と、風情に浸りつつ記憶にない道を走り続けたら、なんと!丸森駅前に戻ってしまったではないか!おかしい。K105を西に進んでいるつもりが南に進んだのか……。しかし道中の青看板にある「丸森町内」という方向と反対に進んできたはずなのに……。

こういう案山子、きらいじゃない

意を決して再び小田小学校前に戻る。決然と西に進む。アホか。さっき左折した分岐点を半信半疑で直進すると、今度は見覚えある風景に飛び込んだ。あぁ、こっちだったのか……。今度こそ白石に出るぜ。ん、また分岐点。よっしゃこっちだな!……。なんとさっきの分岐点へ戻ってきてしまった!この時は本当に物の怪に化かされているのかと思ったぜ。

ちなみにロードスターの奥を横切っているのがK105

帰宅後冷静になって諸地図アプリなどで確認すると、K105を順調に進んでいたところをわざわざ丸森方面の細い道へ曲がっていたのだった。つまり筆者は広い道と狭い道があると、本能的に狭い道へクルマを進めてしまう性癖の持ち主なのだ。この期に及んでようやくナビを起動したり道中でGoogleMapなど確認したりしたのだが、気持ちが混乱していて地図を見誤るという経験も初めてした。まぁ真っ昼間だからまだ良かったけど、これが夕暮れ時だったりしたらけっこう怖い。ともあれ、分岐点のたびに不本意ながら太い方の道路を選んで進んでいたら、平和裏にK24へ合流し、白石市街地へ出た。角田の山中を1時間くらいぐるぐる回っていた。「ぐるぐる」なんてエントリーを上げたからだろうか。

前回ここで「プン太郎と柿」というタイトルの画像を撮った
ファミリーマート白石大鷹沢店
(宮城県白石市大鷹沢三沢坂端132-2)

JR白石駅を経由してR4へ合流し、「仙加苑」さんへ立ち寄り足軽まんじゅうを購入。いつの間にか個包装が二重になっていて、販路拡大に伴う大量製造のせいで品質低下を店頭で一瞬心配したが、帰宅後食べたらいつもの足軽まんじゅうで大安心。こしあんとつぶあんの両方があるが、筆者はより塩味の効いたつぶあんの方が好みだ。仙台三大まんじゅう(当社規定)の一角「子平まんじゅう」が店主の老齢化によって品質維持が難しくなってきた。足軽まんじゅうにはこの先も変わらぬクオリティを維持していただきたい。

R4から蔵王コスモスラインに乗り、再び村田町内を経由して帰宅。4時間/190km。来春は白石市内から丸森へ抜けてみよう。今回の収穫は、「K24とK105さえ押えておけば、白石角田丸森は何とかなる!」ということであろう。冬季は何かと県南の平地方面へ出かける機会が多くなる。前哨戦として話題に事欠かない半日ツーリングだった。

2件のコメント

  • こんばんは。「元気まるもり」で有名な丸森は道が山の中を走るので、私には楽しいですね。しかも元気まるもりによれば美味しい食べ物屋さんも結構あるようなので、探訪するのにちょうどよいような気がします。時間で言うと志津川、女川あたりと同じ時間距離ですが、高速があるためか、私はつい海側に向かっていく傾向がありますね。丸森といえば、きく屋さんですが、角田にも白石にも美味しいラーメン屋さんはあるので、それも楽しみですね。
    冬はつまらないと嘆かず、acatsukiさんを見習って、楽しそうな道を探していきます。

    • 丸森はまだまだ深掘りが必要です。平野部ならではの開けた眺望も好きです。今回は山の中をウロウロしましたが(笑)。

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