仙台近郊・R457の再発見

春の薄曇りのある日、とにかく家でじっとしていられなくてロードスターで出かけた。4月に入ってから北へばかり向かっていたので、脊髄反射で南へ。冬季は訪れること自体を自粛していた山方面はどうなっているだろうか。仙台に住んでいると、R457を馬鹿正直に南下するだけでその答えを得ることができる。この日はいったんR48を西進し、仙台市青葉区熊ケ根付近(正確には白沢)からR457へ。秋保や川崎町を経由して白石市まで下ってみた。

仙台市泉区からR48で青葉区熊ケ根へ
11時という、午前中も遅くなってからの出発で、しかも平日。ペースの遅い物流系トラックや工事車両レンタカーが跋扈。まぁいいんです。ゆっくり走って車体の末端まで熱を入れて調子を整える時間と思えば。秋保小学校付近からようやくペースが上がってくる。いいね!

秋保から川崎町へ
秋保の元砂金集落付近でようやくフリーになったのは良いのだが、直後にケイターハム スーパーセブンにぴったりケツを取られる(笑)。セブンだけではない。この日は幌を開けたオープンカーを何台も見た。もちろん筆者もオープンである。皆、考えることは同じなのだ。そのセブンだが、いやもう煽られる煽られる(笑)。あ、煽られて怖かったという話ではない。念のため。こういう状況になると筆者は自然に口元が緩んでしまう。やっと来ましたよね、オープンの季節が!という喜びはセブンのオーナー氏ともしっかり共有できているけれど、元砂金集落付近は、R457でも取り分け道幅が狭く、家々も連なり不意に高齢者が出てきたりする要注意区間。加えてこの日はあまりペースを上げたくなくて。そういう日、ないですか?オープンで法定制限速度付近でちんたら走りたくなる日が。この日がまさにそれ。セブンオーナー氏の気持ちは痛いほどわかるのだが……。結局道中の熊野神社の大鳥居で筆者はひと休み。めっちゃ素敵なエグゾーストノイズをあげながら、あっという間にセブンは視界から消えた(けどいつまでも聴こえてはいた(笑))。この「旧元砂金小学校」付近の景色は、今時分からが極上である。

kumano
sakura
行くところへ行けば、
まだ見ごろの桜がある

川崎町内から青根温泉方面へ
釜房ダムの北西、藤枝商店の少し手前で超絶マイペースの某ハイブリッド車に頭を押さえつけられる。ハイブリッド車の直後にはやっぱりオープン状態でかっこいいおっさんが運転するダイハツ コペン。この区間はその気になれば2台まとめてパスすることも容易いのだけど、この日はそんな下品なことはせずトロトロとゆっくり付いていく。ただし「容易い」のは実はアバルト プントエヴォだったら……という話。1.5L自然吸気のND5RCでは2段はギアを落とさないと目の覚めるようなダッシュは望めない。で、そういうダッシュをかますのは、平地の3ケタ国道じゃなく、峠道でベストラインをキープしつつタイムを削りたい時だ。春のちんたらツーリングでそんなことをしてはいけない。東蔵王カントリークラブへの交差点で一瞬R457を離れる。この裏道も結局はR286/R457へぶつかるのだが、とにかく長閑な景色が続くのでいつもこちらを走ってしまう。

kawasaki
藤枝商店から少し西の
定点観測地点

再びR457に乗って青根温泉へ
筆者にとってのR457はまさにこの区間のことである。川崎町立第二小学校(宮城県柴田郡川崎町今宿町尻1)前のT字路からR286を離れ、ひとまず青根温泉へ南下する。この季節のこの区間はもう極楽としか言いようがない。道幅は確保されていて交通量僅少、時折眼前に蔵王連峰が迫ってくる。南から北上してくるのも乙だが、やっぱり南下する時に拡がる景色の方がより雄大で大好きだ。実は冬季の雪景色も美しいのだが、足下を常に気にして走らねばならず、ベストとは言い難い。やはり春先から晩秋までが断然気持ち良い。あ、ただしオープン時は周辺の牧場から堆肥の臭いが漂うので、それだけは注意と言えるかもしれないが、注意したからといって避けられるものではないしな(笑)。ピザのルヴォワールやカフェBLUE COFFEEを横目に、無事青根温泉へ到達。休憩。

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無料駐車場から仙台市街地方面を望む。
雲がなければ遠く牡鹿半島まで見える
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いつも日帰り入浴のお客さんが引きも切らない
青根温泉共同浴場「じゃっぽの湯

遠刈田温泉を経て白石市へ
青根温泉を出発してさらにR457を南下。ここから蔵王エコーラインの入口まではヘビーワインディング。アップダウンがあまりないのが幸い。ごく普通のペースで走っているとあっという間に旋回中は0.3Gを超える。軽のトールワゴンや足下ゆるゆるの某ハイブリッド車なんかで、この区間、同乗者の頭をゆすらず走れと言われたら時速20-30kmがせいぜいだろう。平地の3-4人乗車を前提に設えられていると思しきそれらのクルマのドライバビリティと、ロードスターのそれはずいぶん違う。運転して楽しいのは圧倒的にロードスターだが、これが絶対正義とも思わない。よくわかってない客のフィードバックを気にしすぎなのか、ブランド自体の「FUNな運転性能」を提示する気がないのか、鶏卵論争にはうんざりだが(性能の)見切りの良さだけが自慢の自動車は困る。

遠刈田から白石市方面へ南下する。すぐに現れる「蔵王チーズ工場」さんから西へ曲がり山際へぐんぐん坂を登って行く。ドン突きに「ふれあい牧場蔵王ハートランド」さんという牧場があって、見晴らしの良い丘があるのだ。

road to heartland
蔵王連峰目がけて坂を登る。
こちらの桜には遅かった
heatland
誰か一眼レフカメラボディと広角レンズをオレにください

薄曇りの昼過ぎという時間帯よりも、晴天時の朝に蔵王連峰に朝日があたる様が一番美しいはずだが、未見。写真を撮ってR457へ復帰。この区間は左右に牧草地が広がり視界が広い。だからやはりあまり速度を出さなくても気持ち良い。

そろそろ復路を考えねばならない。健康体だった時はこのまま七ケ宿、で、白石経由?それとも山形へ抜けて上ノ山経由?などと考えるところだが、花巻での二日間のライヴイベントを控えた病身ゆえ、気の向くままに距離を延ばして体調不良など引き起こせないというリミッターが働く。だがこういう時、すぐ近場でも楽しい道はある。K51との分岐点で南下を止め、そのままR457で白石市街地方面を目指す。実はここからのR457はかなりシビアなワインディングと化す。東進するに連れて道幅はどんどん狭くなり、さらに下り模様。工事現場・工事車両出入口が頻発し、下手をするとダンプカーのコンボイの後をトロトロ走ることになる。幸いこの日は工事車両には出会わず、そこそこのペースで蔵王コスモスラインの南端へ到達。いざ復路である。

zao cosmos line
サイコー

蔵王コスモスラインを村田町、仙台市内へ
コスモスラインを村田町へ北上する。誰もいない。冒頭のスーパーセブンのことは棚に上げて、この区間でタコメーターの針に運動させてやらなきゃと発奮してしまう。コスモスラインは南下しても北上しても楽しい道だが、北上した方がよりワインディング感が強いような気がする。あっという間に村田町内へ。あとはお馴染K31で仙台市太白区生出へ。R286で折立まで上がり、K55を経てまたもやR457へ。ことほど左様にR457は仙台市北西部に住んでいる人間にとって、切っても切れない縁があるのだった。

zao
蔵王町の定点観測地点
r457
仙台市内、青葉区と泉区の端境

以上、まったく目新しい場所はないが、R457を限られた区間南下するだけで、東北地方ならではの、さまざまなおいしい景色が楽しめるという話。3時間/121km。仙台近郊にお住まいのヘンタイ諸氏は初心に返ってぜひ。ちなみに今回は一切スルーしたが、この区間だけでもおいしいお店がいくつもある。あぁ、頑強な消化器がほしい。

2件のコメント

  • こんばんは。元気に走っている様子が伝わります。オープンにすると、確かに、余り早く走らなくてもいいや、いや、走らない方が今日は良い、という日がありますね。
    あの、K51から分かれて下がっていく道はできれば通りたくない道ですね。上りにしても、下りにしても。
    それ以外は、恵まれていますね、仙台は。走って楽しいし、山形道のガードを除けば〇察もいないし。いよいよ季節到来!

    • はい!季節到来を実感します。しかしオープンだと低速でも楽しいの、あれは不思議ですね。なんか、色々なことがどうでも良くなる、あの解放感(笑)。この日は白石市でそのままK51を七ケ宿まで南下しても相当楽しかったと思うのですが、村田への蔵王コスモスラインがとても楽しかったのでおあいことします。現在違反点数がリミッターギリギリなので、あまり羽目を外してばかりいられないという世知辛い実情もあるにはあるのですが、晴れの日のオープン走行だけはやめられません。

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