ジュリエッタ to ジュリエッタ

筆者のクルマ仲間には尊称が「姐さん」というゴキゲンな女性がふたりいる。そのひとり、Queiko姐さんが愛車のアルファロメオ ジュリエッタからジュリエッタに乗り換えるという話を聞いたのが前月のこと。双方940系だが買い替え物件はマイナーチェンジ後のヴェローチェである。車検見積りを取ったところなかなかヘビーな額を提示され乗り換えを決心。約17万km(だったかな)を後にするほど前車には愛着があったが致し方なし。しかし(MC前後の違いはあれど)同型車種へ乗り換える方は筆者の周囲には珍しい。読者諸姉諸兄はへー、好きなんですねで軽く流してしまだろうが、Q姐さんご本人は筆者よりも大分年上の、すでにお孫さんもいるいわゆるおばあちゃん。ジュリエッタをぶっ飛ばすおばあちゃんである。しかしお会いするとぜんぜん年齢を感じさせないキュートな女性。これはあれだ、いまだに好奇心に突き動かされるままに楽しいことにどん欲に生活されているからだろう。Q姐さんと会うと筆者は笑ってばかりいる。

ところでジュリエッタ、筆者がMiToと蜜月を過ごしていた頃は目の上のたんこぶだった。「次はジュリエッタでしょ?」と周囲から言われるのだ。そんな気はこっちにはないのに。良いクルマなのはわかっているが、価格レンジは一段上だし、4枚ドア(ハッチバックだから5枚だけど)や1,750ccじゃないとイヤだ!というほどの決定的乗り換え欲もなかった。一方で仲間のオーナーさんに運転させてもらえば、そりゃ良いわけですよ、やっぱり。MiTo比室内は静かだしホイールベースも余裕があるから長距離が楽そうだし。発売されたばかりの2012年頃はLHD6MTモデルがカタログモデルとして健在だったのも悩むポイントだった。それにこの頃のアルファはまだモデルごとの作り分けが今よりも巧みだったなぁと今は思う。147の後継としても納得の出来だった。ジュリエッタ再購入の報を聞き、そんな事どもを思い出して「納車されたら運転させてくださいよ」とお願いしたら「いいね!みんなでどこか行こうよ。コース考えて」と返す刀でばっさり。いやこういう場合乗り換えたご本人が音頭を取ってコース設定などするんじゃありませんか?と喉元まで出かかったが、大いなる自由人Q姐さんにそんなことを言うだけ無駄である。で、考えたコースが以下。

要は人気のない道をサクッとササッと走り、おいしい昼ごはんを食べてパッと帰ってくる、そんなコースである。宮城県七ヶ宿町から山形県上山市へ抜けるK13が通行止め頻発なことと、上山市・生居川ダムから蔵王温泉へ向かうK14への抜け方がうろ覚えということが引っかかるが(何しろ筆者が先導車である)、まぁなんとかなるでしょ。例によってAMG C43のkikuchi大先輩、NDロードスター990Sの木枯らし紋次郎さんをお誘いし、計4台でのツーリングが実現した。

当日は晴れ間も見える薄曇りみたいな天気で、相変わらず30度を超える予想最高気温。久しぶりにオープンで走り出したが、風に吹かれる体感温度はともかく陽射しだけは誤魔化しようがない。集合地点であっさりギブアップ(クローズへ)。9時少し前に到着したらすでにQ姐さんは到着しており、訊けば朝6時に出発してあちこち走ってきたという。「だっていつもどおりに起きちゃってさ(Q姐さんの朝は早い)、やることないんだもん!」ですと。気持ちはわかる。ほどなくkikuchi大先輩も紋次郎さんも到着。さっそくコースの微調整。コース取りが曖昧なパートはばっさり諦めて、山形県高畠町でK268へ乗り、冒険せずR13で少しだけ北上してK14に乗ることにした。

集合2023-08-17
希少な日陰区画に参集

宮城県川崎町内からR457へ乗り遠刈田温泉を経由しK51でさらに南下する。途中蓋車がいないわけではなかったが、概ね良いペースで走ることができる。つくづくオープンにできないのが恨めしい。ちなみに紋次郎さんはサイドウィンドウ全閉でエアコンがんがん、根性のオープン走行である。七ヶ宿町に入ってすぐの長老湖近くにある「やまびこ吊橋」に寄ったら楽しいんじゃない?とQ姐さんが前日言ってきたので、途中で先導を交替。Google Mapに案内させていたらしいが、さっぱりわからない!と早々に「やっぱやめよ」。それは良いのだが想定以上にペースが良く、昼飯プランに差し支えが出そうな雰囲気だったので、筆者先導に交替した後K51を逸れ「不忘平和記念公園」へ立ち寄る。

長老湖2023-08-17
長老湖を眼下に見下ろすことができる
不忘平和記念公園

素晴らしい眺望を楽しんでいたら、Q姐さん「吊り橋、この先だった。思い出した」。「でもいいよ、別に行かなくても」と優柔不断・曖昧模糊なことをごにょごにょ言う。これは「Q姐さんジュリエッタ乗り換えおめでとうツーリング」なんだから、遠慮せず行きたいところに行こうよ!付き合うよ!と発破をかける。その後再度Q姐さんに先導を任せたところ、ひとりだけ案内看板を見過ごして走り去ってしまったが、無事やまびこ吊橋へ到着。

やまびこ吊橋2023-08-17
横川2023-08-17

辛うじて上掲画像は撮影したものの、高所が苦手な筆者が吊橋を楽しめるはずもなく早々に駐車場へ退散。

七ケ宿町内のコンビニ・ファミリーマートプラスCOOP七ヶ宿店で休憩。R113を高畠町へ向かう。二井宿でK268に乗り換え。K268、久しぶりに走ったがやはり山間を縫う鷹揚な道で、何より道路幅に余裕があるのがありがたい。合流するK13もここからR13までの区間は舗装状態も道幅も上々。R13に乗り数kmだけ北上。でん六豆で有名な株式会社でん六蔵王の森工場を目印にK12に乗り替え東進。すぐにK14上山蔵王公園線へ左折。さぁこのK14がまた素晴らしい。けっこうな上り勾配のワインディングである。特にBITURBOに物言わせるC43のkikuchi大先輩はこの手の登りが大好物。解散時に「今日の収穫はK14!」とまでおっしゃっていただいた。筆者にしてみればkikuchi大先輩ほどの方がK14未踏破だったことが不思議である。実は下りも良いのだ。上山市内を眼下に一望しながらワインディングを楽しめる。

K21へ合流して蔵王温泉方面へさらに標高を上げる。すると間もなくK53へ分岐するT字路が現れる。後はこのK53を北上すれば、毎年5月に当ブログ公式オフ会として名高い西蔵王公園キャンプ場脇駐車場へ至る。11:20着、ここまで約131kmの道のり。本日のとりあえずの目的地である。

西蔵王公園2023-08-17

首尾よく皆が空腹である。筆者推薦のそば処「手打ちそば竜山」へジュリエッタ1台に乗り込んで繰り出す。幸い混み合う直前に入店することができた。

手打ちそば竜山2023-08-17
天ぷらもりそば1,700円
スナップ2023-08-17
L to Rで木枯らし紋次郎さん、Queiko姐さん、kikuchi大先輩

大満足で駐車場へ戻り、ジュリエッタを運転させていただく。K53を蔵王温泉方面へ。MC後モデルだからトランスミッションはTCT(アルファのツインクラッチオートMTの呼称)。その意味ではハンドリングに集中しやすいと言える。実際に運転してみれば冒頭に書いた利点を再確認。驚いたのはFF車のコーナリングライン取りをすっかり忘れていたことだった。プントエヴォではあれほど狙ったとおりのオンザレールで走れたのに……。帰路運転を交替した紋次郎さんもコーナリングのライン取りが安定しなかった。「FFだからでしょうね、ロードスターとはずいぶん違いますね」。傷を舐め合うわけではないが、あまりにグイグイとインに入っていくので戸惑った。

Q姐さんは筆者のロードスターを試乗。お楽しみいただけただろうか。試乗会が終われば帰路の相談である。二口峠などが検討はされたが、山寺と農道経由でR48を素直に仙台に帰ることにした。大柄なC43での峠道はなぁと渋るkikuchi大先輩と(でも走れば速いのだ)、早朝から活動しすぎで疲れてきた主賓に配慮。なんのドラマもなく無事に仙台市青葉区熊ケ根のコンビニ・セブンイレブン仙台熊ケ根店へ到着。14:30頃に解散した。

今回のツーリングで思い出したことがひとつある。Q姐さんの直前を走ると、もうやたら煽られるのである。アルファの盾グリルがルームミラーいっぱいに写る様に苦笑。一般道でカタギの人に煽り運転はご法度だが、我々のような仲間内でのオラオラの煽り運転は「えー?そんなもんなんですかぁ?」というマウンティングの意味合いを帯びるものの、よくある話である。で、もちろんQ姐さんご本人に煽っている自覚はなく(笑)、ただ遅れまいとフォローしているだけと笑われるのみ。こういう運転をする女性をおばあちゃんなんて呼んではいけない。Q姐さん、kikuchi大先輩、木枯らし紋次郎さん、どうもありがとうございました。

8件のコメント

  • acatsukiさん、ジュリエッタのお祝い走行会を計画してくれてありがとうございました。今回はスパイスたっぷりのサラリとしたカリーを頂いた気分のツーリングでした。極上の常連客ともご一緒できて、最高!でした。もう2代目のジュリエッタが来てから1ヶ月以上たってるし、車内景色が前とほとんど変わらないので嬉しさもすでに半減期を迎えてた訳でしたが改めてジュリエッタと共に居られることがこんなにも楽しいと感じさせてもらいました。NDロードスターの運転は最初戸惑ったけど久しぶりのMTは弛んだ脳と身体の動きを制御するには最適な機器だと体感しました。NDロードスター楽しいし、足元もガチっとしててもっと乗りたい!と思いました。ジュリエッタはVELOCEじゃなくて昔のクワドリフォリオにしとけばよかったな。

    • なんだか優等ベテラン社会人のようなコメントで違和感(笑)!Q姐さんの買い替えをダシに我々こそ楽しませていただきました。ありがとうございます。嬉しさの半減期(笑)、ありますね、わかります。別のエントリーに書きましたが、クルマに乗り続けていることで得られるご縁があって、その嬉しさ・楽しさが明日も生きていたいという原動力になっている……とつくづく思います。ヴェローチェは距離数をどれくらい伸ばせるか……。端から見守りたいと思います。
        
      NDもお楽しみいただけて良かった!ウチのNDは床下に補強材を入れたので、素のボディよりもカチッとしているんです。なんの注釈もなしに見抜かれるとは流石!でもエンジンや吸排気系は手付かず。ま、そのうち。そしてMTであること。130ps程度の自然吸気ガソリンエンジン車なんて、MTがちょうど良いんですよ。マツダのギア比の設定も絶妙でして。300とか400psになるとATじゃないと返って性能をスポイルしちゃうらしいですけど。

  • Queiko姐さんのジュリエッタお乗り換え、裏山杉でございます。
    実はカーセンサーで、イデアルさんのジュリエッタ物件をパトロール
    していますが、結局147の12か月点検を来月出すことになりました。
    優柔不断な俺。

    • あぁ、ホントに優柔不断(笑)。可能ならぜひ一度147とジュリエッタの比較試乗大会などやってみたいですねぇ。ちなみに本日吉成の某中古車屋さんのピットにDS3レーシングがしれっと入っているのを見つけました。今なら初期整備に50万円追加した上で4年乗る……ってのはかなりおいしい案件じゃないかと思いますが、元似た物物件オーナーとしては如何ですか。

  • 次期ジュリエッタよりQueiko姐さんにお会いされたことのほうがうらやましい!けいこさーーーーん!
    ちなみに私、ミトもNCロドも911もおかわりしておりましてよ(笑)。Breraは半分おかわり、かな。

    • Profumo姐さんの場合おかわりしているかどうかということよりも、その頻度の方が印象に残りがちでしてねぇ……。

  • おはようございます。
    まさに7年前の2016年8月27日は、七ヶ宿の道の駅に集まっていましたね。(さっきfbが教えてくれました)
    奇しくも我がGiulietta QVのステアリングを預けて体験走行していただきました。RHDでしたけどね。
    Queiko姐さんとひとっ走り蕎麦を食べに行ったりダムカード貰いに行ったりも、良い思い出です。

    • 返信が遅れました、すみません。私のFBタイムラインにもあの雨の七ケ宿オフの画像が上がってきていました。思えば6MTのジュリエッタを運転させてもらったのはあの日のhoshinashiさんの個体が最初も最初で。シフトの動きまでMiToとは違うなぁーとぼんやり羨ましかったのを覚えています。あと車体が硬いとか。全部MiToと比べれば……という評価でしかないのですが、どの項目もジュリエッタの方が良いからますます「次はジュリエッタでしょ?」という声にどう応えればよいのかわかんねーとなりました(笑)。

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