王道!福島県天栄村から北上する県道三昧

■まずは腹ごしらえとお土産購入■
Profumo姐さんの718ボクスターを称賛する宇都宮オフの翌日は、しまの助さんと食べるホテルの朝食から始まった。しまの助さんのサジェストそのままに選んだホテルが「チサンホテル宇都宮」さん。その1階にある「さかな処だいだい」さんの朝食ビュッフェがそりゃもう最高で。栃木県の代表的食材がふんだんに投入されていて、そのどれもが普通においしい。や、店種を問わず「普通においしい」ってなかなか出会えませんよ。本当においしいものって決して派手でも豪華でもないから、こうやって言語化しないとスルーしてしまいがち。ホテルの朝食ビュッフェでは洋食と和食でいつも悩むのだが、だからだいだいでは和食にすべき(一応洋食対応もできるけど)。目玉は魚の干物の食べ放題。しかも自分で炭火で焼くのである。鯖のみりん干しとサーモンハラスを食べたが、なぜ鯵の開きも焼かなかったのか自分で自分にNG出しである。

チサンホテル宇都宮さかな処だいだいの朝食ビュッフェ
味噌汁の具はかんぴょう。へぇええ

正直ホテルとしては中の中みたいな空間だったが、この朝食は筆者の人生でトップ3に食い込む大ヒット朝食ビュッフェだった。他の宿に泊まっていても朝食だけ食べに来たい。

朝食後しまの助さんと別れてお土産購入。宇都宮餃子の美味さを知ってしまった以上、土産は冷凍餃子で決まりである。幸いホテルはJR宇都宮駅の真正面。駅ナカのお土産屋さんなら早朝からやっているはず。目論みはまんまと的中し品選びをしていてふと気が付いた。ドライアイスサービスの上限時間が10時間と表示されている。この日は高速道路での最速帰投は目指さず、福島県天栄村のK58で羽鳥湖、北上して猪苗代湖、R115で北上して土湯峠から吾妻磐梯スカイラインで飯坂温泉・国見町、K46で宮城県七ケ宿町という「細い県道と峠三昧」のコース設定。所要時間など想像も付かない。ま、でももっとドライアイスを突っ込めば12時間くらい持つでしょ。と、お店のお姉さんに相談したら「当店では10時間が最長となっておりまして……」とのこと。昨今ドライアイスも有料だから、お姉さんとしても「ざくざく追加しておきましたからねー!」とは行くまい。10時間かぁ……。ま、なんとかなるでしょの精神で荷造りしてもらう。お姉さんこっそり「ちょっと多目に入れておきましたから……」。センキュー!お姉さん!時は8:30。18:30までに仙台の我が家まで戻れるか。

■板と吹■
ホテルを出発しE4東北自動車道宇都宮ICへ。北上して最初の目的地は矢板ICである。K58に乗り換えて羽鳥湖を目指す。矢板は宇都宮から程なく到着。初めて利用するICは新鮮だ。一般道に降りてK58への分岐を探すも頭にインプットしていたインター周辺の様子と違う。かろうじて片側1車線のタイトな県道がまっすぐ伸びるだけである。早くマップアプリを確認したいのだがクルマを寄せて停められるような場所が皆無。ようやくコンビニが現れたので現在位置を確認すると……。

ここは矢。降りるべきインターは矢だった。がげーん。そりゃ様子も違うわ。冷凍餃子という時限爆弾を抱えているのにこのタイムロスは大きいかも知れない。一刻も早く元来た道を戻るべきなのだが、このコンビニの駐車場から眺める北西の景観が望外の美しさ。帰宅後地図で調べたら、田園風景の向こうに屹立していた山々は栃木県民の森を中心とした日光国立公園や三本槍岳などで、矢板からそのまま西へ進めば日光、北上して交差するR400に乗ってから西へ進めばR121で栃木と福島の県境という、これはこれでめちゃくちゃ走り甲斐があるポイントにいたのだった。

その雰囲気を景観から嗅ぎ取った筆者のツーリング臭覚は中々鋭いが(自画爺さん)、筆者はこれと決めたプランに執着する傾向がある。天栄村横断プランを堅持することにして、矢ICまで数km戻り、本来降りるべきだった矢ICへ向けてE4を北上する。だよなぁ、近過ぎると思ったんだよ……。

■矢吹からK58で天栄村・羽鳥湖へ■
矢吹ICは福島県、白河ICの少し北である。E4を降りてまずはガソリン補給。すぐにK58に乗る。思った以上に素晴らしい景観の中を走る一本道で、アドレナリンが出っ放し。

K58の平坦な部分

地図やマップアプリでご確認いただければすぐにわかるが、羽鳥湖へ近づくと完全なワインディング。ロードスターでさえ「対向車が来たら面倒くさいな」と思わせる狭隘具合。木々の間から差しこむ日光は美しいのだが、こうなるとかなり真剣に旋回と制動を繰り返さざるを得ず、風情を楽しむ余裕がない。

K58の狭いところ
たまぁにこういう車寄せはあるのだけど

ようやく羽鳥湖へ抜けR118を少しだけ西進すると、すぐにK235との交差点が現れる。このK235は南会津町からの帰路に走ったことがある。あの時も宇都宮オフの後泊翌日の県道ツーリングだった。このR118とK235には良い思い出しかない。

K235の杉林
隠津島神社鳥居
K235湖南町人里近く

K235をひたすら北上すると猪苗代湖畔の湖南町である。11:30にならんとするところ。これはもう大阪屋でソースカツ丼をキメるしかない!

大阪屋外観
ソースカツ丼1,000円
ソースカツ丼1,000円。
汁物は味噌汁かラーメンのスープか選択可能

値段はそのままだったがカツが小さくなったなぁ……。だがそれでも筆者の胃袋には超ヘビー負荷。実は消化剤を持参しており大阪屋さんの第二駐車場で速攻服用(笑)。満腹を抱えて出発。R115・土湯峠を目指す。猪苗代湖の周辺の田園地帯が安定の美しさ。

湖南港
正面奥にそびえるのが磐梯山
猪苗代湖畔の田園地帯
猪苗代湖畔は田園地帯でもある
猪苗代湖畔の田園地帯2

■土湯峠から磐梯吾妻スカイラインへ■
土湯峠=R115は幹線道路だから道に迷うことがない代わりに凡庸かつ交通量多めである。それは遠慮したい。そんなあなたにおすすめなのがR115と並走するK322、K323。若干山際に寄っているからか少しだけ標高が高い。従って西側に常に磐梯山の威容を見ながら走ることができる田園エクスプレスである。

K323

この磐梯山の眺めを写真に収めることができただけでも、わざわざ下道で帰る意義がある。実はこの道、冬も素晴らしい雪景色を見ることができる。ロードスターで訪れるつもりは毛頭ないが、セカンドカーにSUVを持ってるなんて読者の方は、ぜひ厳冬期の猪苗代湖畔も訪れてみてほしい。

K323も北上すればR115に合流してしまう。土湯峠への上り区間だけはストレスフルだった。だが中盤からK70・磐梯吾妻スカイラインへ折れると話は別。紅葉などのハイシーズンは高齢者の超低速車両が跋扈するが、こんなオフシーズン、平日の真っ昼間は交通量も少なくぐいぐい上って行ける。

磐梯吾妻スカイライン名所1
磐梯吾妻スカイライン名所2
磐梯吾妻スカイライン名所3

スカイラインのピークたる浄土平の大駐車場はけっこうな賑わい。そのままスルーして少し下った道脇で何枚か写真撮影。

火山性ガス噴出中
実は活火山。火山性ガスがもうもうと噴出中。
一部区間は駐停車禁止かつ窓を開けるな指示が出ている
磐梯吾妻スカイライン名所4

■巻きが入ったエンディング■
いつも走り出してから思い出すのだが、この磐梯吾妻スカイラインの高湯温泉側を下るのが中々しんどい。九十九折りが延々と続くだけでなく、ペースの遅い蓋車が頻出。常に制動に気を使う下り坂はやんわりと神経を削ってくる。ようやく下界に降り、K5フルーツラインに乗る頃には頭がボーッとしてきてしまった。このまま飯坂温泉経由の国見町から七ケ宿町コースの帰路はややヘビーに感じてしまう。そこでそちらは断念して、最近ではすっかり人気施設になった道の駅ふくしま脇に新設された福島大笹ICからE4に乗る。初めて利用したがこれは便利ではないか。あとは泉PAのETC専用出入口までひたすら北上し、15:30過ぎに無事帰宅した。もちろん冷凍餃子は凍ったまま無事に冷凍庫へ。当然その夜はギョーパー(餃子パーティー)ですよ。筆者の胃袋は大阪屋のソースカツ丼に占有され続けていたので、かろうじて焼き餃子をふたつ食べただけの宴だった。しかし悔い無し!!復路は7時間/323km、宇都宮往復で603kmの旅だった。道中外気温計は概ね35ー38度を示し、だから幌を開けることができなかった。返す返すもそれが残念。特に羽鳥湖から福島大笹ICまでの道路はオープンで走りたかった。来年春の目標ができたと思えば。この二日間でお会いしたみなさんに感謝します。次回は宇都宮オフで試乗させていただいた718ボクスターとかあれとかあれの試乗印象記をお送りする。

8件のコメント

  • いやーあの朝食はあたりでしたね!
    出汁茶漬けいかなかったことを悔いてます、あじの開きも美味しかったですよ。日曜泊だと安いしのんびり帰れていいですね!

    あの後も色々回られたのですね!私も下道で新しい道を探しながらゆっくりと帰りました。
    またよろしくお願いします!

    • 大当たりでしたねー!そして出汁茶漬け!確かにすっこ抜けてました。でもお総菜と焼き干物を2ターン回すだけで精いっぱいだったとも言え、まぁ私の器ではあれが限界でしょう(笑)。いやぁホントにうまかった。
        
      下道ツアーは前半にお初な道を組んでしまったので、後半はいつもの勝手知ったるコースになってしまったのが残念だったり自分らしいと思ったり。猪苗代周辺の道は、関東組が東北ツアーを決行する時にはぜひご案内したい道です。

  • おはようございます。猛暑でブログチェックも間が空いてました。さて、朝食ですが、凄いですね。お二人とも唐揚げと思われる物と、干物の焼き魚しかも2枚!美味しそう!食べてみたいです。私はいつも安いビジネスホテルなのでこんな豪勢な朝食は経験ありません。
    k235は以前から気になっていましたが、以前御霊櫃峠で酷かったので、福島の峠道は要注意、と思っていたので、狭路注意と書いてあるこの道は避けていました。でも道は狭くても雰囲気の良さそうな道なので走ってみようかと思います。
    そしてk323。なんとこれは何度も通っているR115の平行線ではないですか。この部分のR115も悪くないですが、こちらも魅力的です。ここも是非走って見たいです。
    このブログを見て、下道の良さを再確認しました。1日でもGTと呼べる内容ですね。なんとなく、間もなく車では走れなくなる奥入瀬に行こうかなと思っていましたが、これで決心がつきました。一泊で下道主体で奥入瀬行きを決行します。どうせ今年は紅葉は綺麗ではないだろうから、早いうちに。

    • ようやく……!ようやく仙台も夜は常識的な気温になってきましたね。長かった……。話題沸騰のチサンホテル宇都宮朝食ですが(笑)、鶏の唐揚げに見えるのは鶏肉のタレ漬け焼きみたいなヤツで、味は染みてるのに優しい食べ心地でしたねぇ。全体的に煮る・焼くが主体で油で揚げているメニューはほぼ無かったような……。朝からテンションの上がる内容でした。
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      K235はね、C43でも大丈夫です。大柄なSUVが走ったりしてますので。個人的には羽鳥湖方面から猪苗代湖方面へ北上するのが、景色の変わり方などから考えてもおすすめです。あとK323、数年前に偶然走って、走りやすさと景色の良さにびっくりしました。こっちを走るとお菓子の店太郎庵に寄れないのが難点ですが、晴れてる日に走ると本当に美しいです。おすすめ!そして奥入瀬ですか。ぜひ走ってください。オレは今月中に宮古>大規模林道>久慈を実行するつもりです。

      • お−素晴らしい景色と線形な道、k235/k323。走ったことのないいい道まだまだありますね、情報ありがとうございます。
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        久慈方面への北上では、龍泉洞付近からのk7がおすすめです。R340からk202への大規模林道はありますが車線が狭く荒れ気味でしたので、落石落木&道路割れに注意です。道中天気に恵まれるといいですね。

        • 猪苗代湖畔のK235とK323はMotiさんのように距離を走る人には「え?これだけ?」となるような、そんな長い距離楽しめる県道じゃないのですが、あの辺を走る時に絡めて走ってみてください。少なくともR115の並走部分よりは格段に走り安いです。
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          久慈探訪、今回狙っているのは宮古からR340で盛岡方面へ西進し、JR山田線川内駅から北上していく幹線林道です。で、K171>R340>K7という流れ。昨今の大雨や来るべき台風で道路が荒れないか心配です(でも行くけど)。

  • こんばんは。Motiさんへの返信にあるルートはお勧めです。全く危なくないです。道もばっちりです。もう涎が出てくるくらい。奥入瀬は9/30に小坂に宿取りました。初めは下道主体で行こうと思ったけど、小坂からのK2はもちろん、走ったことの無いR102の十和田湖黒石分を走りたいし、道の駅おおゆの丹鶴牛バーガーを食べたいしでルート計画で苦闘中です。
    朗報です。福島県R401の博士峠にトンネルが出来て9/10午後3時に一般開放されるそうです!今までこの峠が隘路かつ凸凹いわゆる険道だったので、走らなかったですが、これは走ってこなきゃになりました。奥入瀬に行く前に、土湯~R252で金山町、R400、R401で会津若松駅のルートを走ってみたいです。
    早く昼間でもオープンにできる天候になりますように。

    • んーー、福島のR401?どこだっけ……(とGoogleMapを閲覧)。!!!おー!R400とR401は数年前に踏破しようと試みるも宿が取れず見送った念願のコースじゃありませんか!険道だったのか……。迂闊に行かなくて良かった&待ってて良かった。宮古ー久慈踏破を済ませたら、今度はDeep福島だな!情報ありがとうございます。ご安全に!

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