山形県飯豊-小国-米沢/オープンカーの愉悦極まる

山形県は高畠町・飯豊町・小国町をぐるっと回って米沢市へ至り、R13で福島県福島市まで、久しぶりのひとりツーリングに出かけた。気温はどこも概ね20度台前半。秋晴れにブーストされオープンカーの愉悦極まる道行きとなった。

9月中旬から10月中旬まで、音楽関係のあれこれが重層していた。重なる時は重なるのである。ちょっと負担の大きかった(でも楽しかった)レコーディング案件が終わり、11月の案件まで一瞬余裕が生まれた。気が付けば喉がカラカラということがあるが、まさにそんな感じ。ひとりでちょっと走りに行かないとなんだか干上がってしまう。で、問題はどこに行くかだが、実は10月アタマに青森県・八戸市まで弾丸ツアーを行ったばかり(高速道路しか使わなかったのでブログには未エントリー)。そんな前段があったので北方面は除外。南か西か。あれこれ考えてずいぶん前の拙オフ会でalfa_manbowさんに案内してもらった高畠町から飯豊町への超絶美麗道を再現することにした。うろおぼえだが行けるだろ、きっと。

当日は朝7時半過ぎに曉スタジオを出発。R48から秋保と川崎町内を経由してR457へ。

R457_ZAO1
宮城県川崎町R457から見る蔵王。
ちょうどお釜のあたりか
R457_ZAO2
これも七ケ宿町へ南下する途中のR457で

怠惰な生活週間が祟り七ケ宿町を通り抜ける朝9時過ぎに猛烈な眠気。ファミリーマート+COOP七ケ宿店の駐車場でうたた寝。20分くらい?おかげですっきり。

michinoeki_takahata

道の駅たかはたまで、仮眠以外は何事もなく順調。さて問題はここからR113沿いの道の駅いいで めざみの里までの道程である。事前調査(過去ログを読み返すこと)を怠ったまま出発したので記憶頼りの出たとこ勝負。案の定まんまと新しいコースを開発してしまった……。

今回のコース

2018年オフ会の時のコース

コース再現に失敗はしたが、K102から右折したK3が望外の美麗道路。今回の目的地設定の最大の動機が、道中遠方にそびえる朝日連峰の美麗な威容を見てみたかったから。狙いどおりたっぷり堪能できた。しかもこのK3に折れてからゴールの道の駅いいでまではハイペースをキープ。笑いがとまらないぜ。

Zekkei_K3
Zekkei_K250
道には迷ったが、
K250からのこの眺めを見たかったのだから、
最終的には勝利です
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michinoeki_iide2

道の駅いいでの到着がほぼ11時ジャスト。良い具合に空腹である。食堂に入店し「芋煮定食950円」をオーダー。

imoni_teishoku

他にもヘビーなメニューはあってずいぶん気を引かれたのだが、そうそう脂っこいメニューばかり頼んでもいられない。それに仙台住まいだと醤油ベース+牛肉という山形味の芋煮はなかなか食べられない。仙台住みの筆者が日常食べられる芋煮は有り体に言って「豚汁」なのだ。隣県に来るだけで同じ芋煮でもここまで違う。この山形醤油味と仙台味噌味の「芋煮どっちがうまいか論争」は両県住人の秋の話題のタネである。筆者は両方肯定派で、できれば一回の芋煮会でどっちも食べたいタイプ。今回は喜んで郷に入って、郷に従う。

gelato

ついジェラートなども頼んで飯豊を堪能してしまった。12時前に出発。R113をさらに西進、新潟方面に向かう。目指すは横川ダムである。R113はR13と並んで南東北を横断する主要幹線国道だが、飯豊町くらいまで来ると絶対交通量が少ないので旧来の三ケタ国道にしてはペースも良い。さらに人口も少なく美しい山々の多層レイヤー的景色が続く。いわゆる「人家の煙火も絶え果て……」というやつだ。もう半月からひと月もすれば、紅葉が美しいだろう。秋晴れで気温は20度オーバー。久しぶりに車載日焼け止めを使うことになった。

open
最高かよ

車列に紛れて進むと、道中の青看板には村上市や新潟市までの距離が表示され始めるが、横川ダムへの左折路は唐突に現れる。トンネルを抜けるとすぐ右手に横川ダムが現れた。

yokokawa_dum1
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残念ながら筆者はダム知識が希薄なので、「そこそこでかいダムだなぁ」という幼稚園児並みの感想しか持てなかったが、山中の沼とか湖を見ていると、色々な憂さが晴れるようで見ているだけで嬉しい。滞在時間短めで出発。ここからは復路である。

横川ダムを右手に見ながら南下しK8に乗る。基本的にこのK8を南下し続ければ、南東にある白川ダム/白川湖をかすめ西に向かうことになる。前回飯豊に来た時はこの白川湖がゴールだったので、白川湖以西のコースはすでに走ったことがあり、川西町まで戻ってK4とK224をショートカットする峠道は未舗装だから走るな!という予備知識もある。えらい。池田エライザ。

ikeda

筆が先走ってしまった。まずはK8、横川ダムから白川湖までの区間がゴキゲン美しい。東北の山間の集落の鄙びた空気と、山々の間に耕された田畑が続く景色を堪能できる。またK8そのものもしっかり舗装されていて、道幅も極端に狭い区間はほぼない。当然交通量僅少。数台の対向車はいたが基本的に前走車も追従車もゼロ。素晴らしい。筆者はオープン時はほとんど音楽を聴かない。無言と無音で運転し続けるのだが、この日はあまりの気持ち良さに口笛を吹きつつ走ってしまった。大滝詠一『ヴェルヴェット・モーテル』とか。

K8_1
suigennosato_siryoukan
水源(みず)の里交流館(山形県西置賜郡小国町大字叶水1474-1)の
駐車場から
K8_2
ゔぇえるゔぇええ もおてえるのぉ♪
monkeys
カメラを構えるのに時間がかかって2匹しか写っていないが、
7-8匹の集団だった

白川湖南でK4に乗り換えて今度は東に進む。前回2019年5月にも走ったコースなのでところどころ見覚えがある。決定的だったのが菅沼峠を米沢市側に下った先にある廃屋。2019年に初めて見つけた時は、あまりの衝撃にクルマを降りてしげしげと見入ってしまったが、今回はロードスターとの2ショットを撮っただけでそのまま進む。

haioku

ちなみに興味のある方はGoogle Mapの検索窓に

37.929021,139.954954

を入力してストリートヴューで確認してみてほしい。窓の造りや前回覗いた時に見た内部の神棚の様子から、かなり立派な農家だったらしいことが伺える。誰か民家建築に詳しい方に解説してほしい。

K4菅沼峠を下って行くと川西町玉庭でK8と交わる。この十字路を直進すると未舗装路がある御伊勢峠なのだが、今回はそちらには進まずK239に乗ってR287にぶつかるまで東に進む。

K239
K239も素敵な県道だった。
稲刈りはとっくに終わっていた

この先は米沢市内を西から東に横断してR13に乗り福島県へ向かう計画。米沢まで来れば水窪ダム周辺のワインディングロードや、山形県南部を代表する美麗路ブドウマツタケラインなどの激しい誘惑があるのだが、どちらも体力的に厳しい。特に後者は北上すれば高畠町へ戻ってしまい、結局七ケ宿町へ戻る往路重複がよろしくない。E13東北中央自動車道を敢えて無視して、交通量スカスカのR13を爆走して福島県入り、そしてE4東北自動車道でするすると仙台に戻るというのがこの日の復路計画である。

話を戻す。川西町でR287を南下し始めると、基本的にどこで左折(東進)しても米沢市内に至る。だからこの区間では完全に勘だけで右左折を繰り返し、ケーズデンキ米沢店を右手に見るまでに至った。米沢市街地には土地勘があるので、道の駅よねざわ付近でR13へ合流するつもりで適当に市街地に突入したのだが、馴染みのある店舗類がどんどん入れ替わっているようで、知ってるはずの交差点がそうは見えないという罠をいくつも味わった。現在の米沢市街地は仙台や石巻市、名取市などの景色と大差ない。平成・令和期間の地方都市あるあるで、郊外型店舗がどんどん建ち並び、結果的に住人の動線がそちらに偏り、元の繁華街がシャッター街になるという構図だ。以前の鄙びた街路は今こそ魅力を増していると思うのだが、切ない話である。

よそ者のそんな感傷はともかく無事にR13に合流。米沢スキー場手前での工事渋滞や後続車を一切省みないマイペースおばさんの蓋車が現れ、飯坂温泉付近まで少々ストレスフルなペースだった。残念至極である。飯坂温泉手前で福島飯坂ICよりE4に乗る。幸いペースが良く、福島県最北のサービスエリア、国見SAで休憩。お土産を買っていなかったことに今さら気が付き、お菓子の蔵太郎庵の「くいっちぃ」を購入。福島で御菓子を買うとしたら太郎庵一択なのだ。

quichee's

仙台宮城ICでE4を降りて無事に帰宅。約8時間/321km。久しぶりのひとり遠乗りツーリングだったが、ほぼ大成功と言えるだろう。それもこれも天気と気温に恵まれたからだ。そして直近には岩手県探訪シーズン2最終章「宮古・岩手最北・八幡平ツアー」が待っている。そちらも天気に恵まれますように。

4件のコメント

  • どうも、お久しぶりです。
    10月より転勤で愛媛県民になりました。
    しかしこのブログを見ると東北の道を思い出して郷愁の念に駆られ走りに行きたくなります。
    とりあえず四国の山は制覇してこようと思います。

    • お久しぶりです。愛媛だとあんまり「わー!近くなったね!」という感じじゃないですね(笑)。逆に四国の山道、羨ましいです。

  • こんばんは。楽しい道を走って、ご機嫌ですね。仰ること分かります。あの辺は良い道がたくさんあります。景色も良いし、言うこと無しです。飯豊の道の駅は田舎らしい美味しいものがありますね。あそこから飯豊桧枝岐大規模林道に乗ると、これまたいいんです。
     私は先週の土日と八戸川内大規模林道経由で小坂間で行って、翌日奥入瀬と酸ケ湯温泉経由城ヶ倉大橋からの十和田湖戻りというツーリングをしてきました。天候は生憎でしたが、奥入瀬とならぶ全山紅葉を見て東北の紅葉はまだまだいろいろあると感じて帰ってきました。昨日は福島県金山町の妖精美術館へ。残念ながら紅葉はまだまだでし。
    道の駅おおゆの鹿角短角牛バーガーが美味かったです。

    • おお!健脚ですねー!明後日八幡平を走る予定なのですが天候が良くない……。道路はドライらしいのですが道端はすでにうっすら雪らしいので、予定を変更するかもなぁ。
      __
      飯豊桧枝岐大規模林道??また宿題が増えてしまった。位置的にもう年内は難しいか……。岩手県にこだわるあまり、福島や山形のかつて完動したあれこれにすっかり御無沙汰。そちらの復習をすべきか「秋田」という新ネタに挑むべきか。悩みます。そしてどんどん寒くなってきましたね。

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