GRIP MAX “GRIP ICE X” 短評第2報にして総評

鈍った身体を日々の生活に順応させるのに四苦八苦の筆者。日々プン太郎の走行距離を(じわじわとだが)延ばしつつある。だんだん調子を取り戻しつつあるので、少し気になっていたタイヤの空気圧をチェックした。すると4本ともかなり空気圧は下がっていた。新品で購入して装着から2ヶ月で0.3-0.4bar(3-40KPa)下がるのは承服しかねる。そこで、今期導入したスタッドレスタイヤ「GRIP MAX GRIP ICE X」評の第2報を書こうと思う。

装着の瞬間からスローパンクチャーというトラブルに見舞われたGRIP ICE X。経緯と短評は以下のエントリーを参照いただきたい。

2021-12-20
GRIP MAX “GRIP ICE X” にスローパンクチャー

2021-12-23
GRIP MAX “GRIP ICE X” 短評

スローパンクチャー解決の折りに、4本とも空気圧は2.4barに揃えておいた。フィアットの指定空気圧は215/45/R17 91Y(軽積載時)で前=2.3bar/後=2.1barだが、「スノータイヤ時は0.2barずつ高くすること」とされているので、単純に考えて前=2.5bar/後=2.3barである。つまり指定空気圧のちょうど真ん中を狙ったのだ。これはまったくの主観だが、圧雪路面では設置面積が少しでも多い方が制動に有利だと考えるためだ。だからと言って単純に圧を下げるのが正解かどうかは確証がないが、短評に書いたとおり、少なくとも準雪国の仙台ではそれなりの制動能力を発揮してくれたので、良しとしたい。

本文とは少し逸れるが、
空気圧を調整してから短距離ツーリングへ出かけた。
七ヶ浜町内へ

ところが本日、満を持して4本とも計測したら、軒並み下がっており、酷いのは2.0barなんてのもあった。冷間時の計測値とは言え、これはちょっと看過できない。幸か不幸か筆者はまだ長距離を走ることはできないし、2月に入って、さすがに仙台も大規模な積雪は減った(もう今期はおしまいでいいです)。ドライ路面ばかりを走るなら、と開き直り、実験のつもりで一気に2.6barまで上げた(冷間時/前後とも)。走行してタイヤが暖まれば2.7barくらいまで行くと踏んでいる。

松ヶ浜漁港近く

さて、一転してハイプレッシャー化したGRIP ICE Xはどうだったか。まずロードノイズが減った。これは当然かもしれない。接地面積は減っているはずなのだから。ちなみに以前のエントリーに書いた右左折でノイズ音量が変わる件、「右折で減り、左折で増える」が正解。単純に間違ってました。すみません。

ドライ路面でのグリップ能力は、明らかに落ちた。極端な例だが、信号ダッシュで2速でAペダルを床までベタ踏みなんて場面では、「おっ?おっ??」と、路面のアンジュレーションに忠実に、グリップ感が抜ける。加速時のグリップは制動時のそれと表裏一体だから、雪道での制動でABSが作動しなかった(制動力が弱い)のも道理である。

一方で、ある意味軽薄なキャラへ変わったことで、ドライ路面を走るのは楽しくなった。同じことをFR車でやったら、リアがむずむずするだろう。繰り返すが、筆者の体調は今普通じゃないので、こんなキャラでも一般走行に問題は起こらない。大人しく、安全に走っているのだ。←当然です

小豆浜

タイヤ評の第2報であるから、結論めいたことを書くべきだろう。GRIP ICE Xは今期だけで脱ぐことにする。そしてもう買わないだろう。躁鬱的なキャラ変傾向があるのは百歩譲って許すとしても、バルブが原因であろう短期でのスローパンクチャー事案は怖い。安心して走らせられない。8,000円/1本、激安なんだからそれくらい我慢しろという声もあるかもしれない。が、アバルトブランドのクルマに乗って、日々足下の心配をしながら運転するのはナンセンスだ。

ゴム組成やパターンなどは中華製もそれなりのレベルではあろうが、細部の出来は酷い。魂は細部に宿る、などとしたり顔で言いたくはないが、このタイヤに限ってはまさに細部の詰めが甘い。その甘さによって感じる不安は、安さを上回る。

2時間半/88km

4件のコメント

  • ロゴカッコいいんてすけどね。中国の自動車文化をディスるつもりはさらさらありませんけど、安かろう悪かろうで確信犯なのか、当たり外れがあるのがスタンダードなのか、確かにこれは無しです。やはりタイヤにそれなりのレベルを求めるならまだまだ日米欧なんですかね。という自分もサマータイヤはハンコック(健常者?にはおすすめできる、多分他のメジャーなブランドと同じ土俵に上げて良いかと)、スタッドレスはATR(インドネシア、今のところ問題無し)です。コストありきの選択であり、次回積極的に選ぶかというと「?」です。

    • そうなんですよー。憧れのホワイトレターだったんですが(笑)。ブログのコメント欄にいろいろとアドバイスをいただき、スローパンクチャーへの理解が深まったことだけが、唯一のメリットでした。派手に全抜けした1本はバルブを丸ごと交換したら症状は治まったものの、それ以外の3本もこんな短期間でこれほど抜けてしまうとなると、やっぱりバルブ(を構成しているパーツ)の、あるいは組み立て精度そのものに疑問がわきます。
       
      私もATR、ナンカンで良い印象があったので、もうアジアンだから一律ダメってわけじゃないんだな、と良い印象を持っていただけに、今回は残念でした。中華系には気をつけます。あ、でも日本に入ってくるミシュランって、中国製造なんでしたっけ?? OMG.

  • こんにちは。やはりそれなり、でしたか。レポートいただきありがとうございました。

    • 空気圧を高目に設定したら印象はグッと良くなりましたけど、それでようやくダンロップやミシュランの背中が見えてきたって程度ですね。指定空気圧じゃこうならないんだからお話になりません。

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