考察・NDロードスターとはなにか#2

2022年7月就役のNDロードスターの全体像をまとめることができないので、要素ごとに、折々に書いていくことにした。前回は運転姿勢のことを書いた。その延長線上にあるハンドルのことを書いてみようと思う。

ロードスター純正のハンドルは合成皮革で覆われていて、ディンプルなどはなくつるんとしている。直径は360mmで見た目にもサイズにも、ことさらスポーティーな演出はない。いや、ダッシュボードやコクピット全体にまで視点を広げても、ロードスターにはスポーティーさを演出する要素はない。

そう書いてみて、ふと、「スポーティーさの演出」とは具体的にどんなものか考え込んでしまう。筆者が考えるに、それは例えばロータス エリーゼやケイターハム スーパーセブンのコクピットのイメージだ。それは、目に見える部分では非常に簡素に見えるはず。運転に必要な最低限の機能だけが配置されているのだから。そしてその見た目は運転手の操作に直接的に反応するべく調律された動作とペアで搭載されていなければならない。動かしてみたらぜんぜん違った!ということになれば、簡素は質素になってしまう。で、そう考えると歴代のロードスターは十分その素質がある。実際に運転席に座って腕を伸ばせば、ダッシュやメータークラスタの造形、シフトノブとサイドブレーキレバーの造形や配置から、「あぁ、こりゃ走ることしか考えてないクルマなんだな」と理解してしまう。もっともND5RCだけはその系譜からわずかに外れて、内装はやや豪華になったようには思う。

ハンドルの話に戻ると、サムレストの位置から推察するに、マツダは9時15分の位置でハンドルを握らせたいらしい。実際自然に腕がそこで止まるし、ハンドル操作にも齟齬がない。ターンシグナルやワイパーのレバー類位置も、9時15分の位置から中指を伸ばせばごく自然に届くように設えられている。運転姿勢の項で書いたとおり、筆者はハンドルコラムの上下高は最低位置から若干上げているのだが、それでもハンドルの最上部を、若干の肘の余裕とともにしっかり握ることができる。マツダのコクピット設計は隙がない。これが専用設計の強みなのだろうか。

以前書いたことがあるが、筆者は購入早々にハンドルを社外品に交換してしまおうと目論んでいた。それも径の小さいものに。コーンは深い方が良いのかどうかわからなかったので、まずは純正状態を確認してからとしていたのだが、早まって事前に社外ハンドルを購入したりしなくて本当に良かった。径360mmは小さい方だと思わないが、ロードスターの挙動には合っている。実はハンドルのギア比も敢えて遅くチューニングしなおしたと何かで読んだ。下手に小径ディープコーンのものなど導入したら、少なくとも筆者の運転姿勢は崩壊するし、ドライバビリティも落ちるだろう。

唯一の不満はあまりにもつるんとしていること。せめてディンプルを刻んでくれれば握り心地も向上したろうし、ハンドル操作も楽だったと思う。純正ハンドルにはドライビンググローブが必要なのではないかと、今、疑っている。

6件のコメント

  • ステアリングもあまり変な演出無いんですね。ステアリングギア比もクイックにしなくても、軽さは車の挙動に現れるから良いというMAZDAの判断でしょうか。先日たまたまですがちよーななと「軽さを演出する車は信用できない。」などという話をしていたので、ふと思いついたことを連連書いてしまいました。

    • そうなんです。ステアリング、つるっとしてます。これを「演出なし!」と見るか「清貧」と見るかはそれぞれですが(笑)。加減速も含めて、NDは滑らかで自然です。NCの時に蒸留水のようだ、と書いたと思いますが、それに近い。この加速ならこのステアリングギア比でOKって見極めが正しかったんじゃないでしょうか。結果的に運転時の疲労も大きくありません。
        
      >>「軽さを演出する車は信用できない。」
      けだし名言ですね!極端な例ですが、レンジローバーの、それもスポーツってグレードあるじゃないですか。あれはいわゆるスポーティーな過剰なぶっ飛び加速はしないそうなんです。2トンの鉄の塊を、あんた、運転してんだからね!って語りかけてくるような、力強いけど軽薄な速さでは敢えて無いらしいんです。そういう作り手の矜恃ってありますよね。マツダの2、3、5、6は、ちゃんとそういうのが運転手に伝わってきます。SUVモデルではどうなんでしょうね。

  • そうそう!あのつるっとさは気になる。124もそう。だから納車時に社外品に変えちゃいました。うちのにはDAMDのが付いてるよ。ガングリップになってディンプルついて、しかも赤革のオプション入れたからお気に入りなのさ!

    • だむど?聞いたことねぇ……。なにそれ?どれどれ……。マジか!いいじゃん!センターのレッドラインだけいらんが、ウルトラスエード、こ・れ・だ・よ!いいねいいね!がーん、高い。と、コメントを読んでググって盛り上がって絶望のジェットコースターを今降りたところです。約5万円に工賃をハンドルにかけるなら、CACAZANのドライビンググローブを買う方がまだリーズナブル……っていうか、CACAZANですら躊躇っているのに。

  • こんばんは。今回はハンドルの内容なんですが、前回のドライビングポジションに刺激されて、フットレストに足をキチンと合わせ直してポジションを取り直してみたら、わずかですが、シートが近くなり、ちょっとバケットぽくホールドしてくれるようになりました。今までのポジションが間違っていたということです。やはり人のブログを素直に読むと、良い事があるんですね。ドライビンググラブは私も気になります。手に取って試着できるお店があったらなあ。

    • ホント、そうですよ。人様のブログやツイートは素直にいちど受け止めるのが吉ですよ(笑)。おまえが言うな。シートの位置が決まったらシートそのものの印象が変わるってのはあると思います。MiToの時など、路面からのショックの感じ方も激変して驚いたものです。シートが身体のどの部分をサポートしているか、もポジション判断の材料になると思います。
        
      NDロードスターのハンドルは本当に簡素&質素なので、グローブ必携です。安いので良いから久しぶりに購入してみるつもりです。スーパーオートバックス仙台泉加茂店で、品物といっしょに試着の一組を置いていたような気がしますが、もう10年近く昔の話です。

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