会津・近代文化遺産ツアー2022晩秋#3

曉スタジオ女主人慰安旅行二日目。福島県喜多方市の宿を立ち、猪苗代町へ。この日のメインイベントは「天鏡閣」と「福島県迎賓館」の見学である。

会津・近代文化遺産ツアー2022晩秋#1 初日前半
会津・近代文化遺産ツアー2022晩秋#2 初日後半から2日目の朝ご飯まで

天鏡閣

天鏡閣外観
天鏡閣客室
天鏡閣シャンデリア
天鏡閣外を臨む
建築当時は猪苗代湖が一望できたというが、
現在では木が生い茂ってほぼ見えず
天鏡閣暖炉
冬季メンテナンスのためだけにある暖炉。
建物内に25基を超える暖炉がある
天鏡閣ティータイム
ガイドツアーにはティータイムまである。
食堂でいただく

<女主人の一口メモ>天鏡閣 猪苗代湖半に建つ美しい洋館。近年は、ドラマや映画のロケ地としても人気です。明治41年、有栖川宮別邸として建設。宮ご自身が当地の風光の美しさを愛でて別邸建設を決められたとのこと。天鏡閣と名付けたのは、竣工翌月に行啓された皇太子殿下(後の大正天皇)。後に福島県に下賜され、国の重要文化財指定後に修復と復元を行い、現在は通年公開されています。各部屋の照明とメダリオン、家具類、マントルピースとそこに使われているマジョリカタイルなど見所があり過ぎるほど!当時のものも復元されたものも実に高雅で、それらを見ているといつまででも館内で過ごせそうです。

福島県迎賓館

迎賓館長屋門
竣工後、関東から移築されたという長屋門
迎賓館外観
迎賓館・玄関が開いた状態。
普段は入館できない
迎賓館玄関
居室からは猪苗代湖が、
玄関からは磐梯山が一望できる。
この景観配置を優先したのか
玄関は鬼門方向を向いている。
そこへの配慮か玄関は鳥居造り
建物反対、裏鬼門にあたる
茶室外にも鳥居造りが見られる
迎賓館玄関内側
玄関内部
迎賓館玄関戸
玄関戸。杉の一枚もの!
迎賓館廊下
中央を走る廊下。
奥で一段高くなっているのは、
その向こうが宮様の居室だから
迎賓館内部
釘隠し、はめ込まれたガラス、
畳の縁など見所だらけ
迎賓館欄間
迎賓館桟
迎賓館茶室竹の間
迎賓館外庭
大正時代のガラスは平滑度が低く、
景色が歪む。そこが味。
遠く猪苗代湖が見える
迎賓館庭園
庭園も素晴らしい。
反対を振り返ると……
迎賓館から望む猪苗代湖
眼下に猪苗代湖。
かつてはR49も通っておらず、
庭園から直接湖畔へ降りて行けたという。
猪苗代プライベートビーチ

<女主人の一口メモ>福島県迎賓館 天鏡閣のほど近くに建つ、和風邸宅。国の重要文化財。大正11年、高松宮殿下が、妃殿下のお祖母様に当たる有栖川宮妃殿下のために、夏の保養のための別邸として建設。福島県に下賜された後は、迎賓館として使用。通常は庭園のみ公開されているが、毎年特別公開期間を設けており予約のうえ内部を見学できる。ひとつひとつの意匠が洗練され、品格のある女性への敬意と優しさに満ちている。技を尽くした建築は、あくまでも静謐。少々無理をしてでも特別公開期に見学することをお勧めします。丁寧な説明案内をしていただきました。

筆者はこれまで、天皇家、及びその係累の宮家というものについて、必要とも不必要とも深く考えなかった。しかし今回、このふたつの宮家由来の建築物をガイド付きで見学し、ひとつの確信を得た。日本古来の文化、それを具現化する技術の保存継承のためだけにも、皇室の存在価値はある。文化と技術継承の口実だとすら言える。特に日本全国から最高の銘木を集め、匠の技術を結集した迎賓館の詳細を知り確信した。なぜこの部位にこの材が選ばれ、なぜこのように加工されるのか。ひとつひとつに意味と理由があり、高度な技術によって具現化される。それらを見、場合によっては触れることは、日本風土とそれに由来する人間の営みとしての文化、その文化から生まれる物造りの技術に圧倒される体験である。申し込みさえすれば、このふたつの建物を期間限定の特別公開とは言え、1,070円で、学芸員(だと思う)のガイド付きで見学できてしまう。天鏡閣と迎賓館併せて90分のコースだが、まったく時間が足りない。いや、凝縮し過ぎというべきか。

令和4年度迎賓館特別公開のお知らせ

もっと素敵なレポートを発見
会津暮らし 福島県 迎賓館 旧高松宮翁島別邸 最上級の素材と匠の技の日本建築

いやはや、すごい体験をしてしまった。太郎庵猪苗代店で家族へのお土産を購入してクールダウン。

磐梯山
猪苗代湖側から見る磐梯山
太郎庵猪苗代店
毎日立ち寄る太郎庵

あとは昼ごはんを食べて帰るだけだ。ところが筆者のアーカイブには猪苗代町グルメの項目はゼロ。猪苗代湖南端、湖南町「大阪屋」さんのソースカツ丼をあきらめ(だって前夜食べたばかりだからさ……)、お腹にやさしいうどんでも、と一旦は決めて向かったR49沿いの銘店「鞍手茶屋」さんは、調べたら定休日だった。がーん。考えてみてほしい。この旅行ではおいしいものしか食べていない。その最後の食事で失敗したくない……。思いつきではあったが、勇気を振り絞って猪苗代湖畔の「レストラン白鳥」さんに入店。

白鳥看板
白鳥外観
ランチステーキ200g
ランチメニューのサーロインステーキ200g

幸いなことに、白鳥のステーキは美味だった。女主人が頼んだポークソテーも同様。この二品でわかるが、白鳥厨房の料理人の肉に関する知識と技量は高い。これならぜひハンバーグも食べてみたい。何よりも信頼できるお店を猪苗代湖畔に見つけることができたのは幸運だった。満腹を抱えて猪苗代磐梯高原ICからE49へ。郡山JCTでE4東北自動車道へ乗り換え。安達太良SAで休憩した以外は、ノンストップで仙台市内まで走り抜けた。自宅近所の贔屓のパン屋さんで閉店間際ながら翌日以降のパンを買うこともできた。

安達太良SA
疲れていたのか構図が雑

2日間の総走行距離407km。食事も体験も、今回の会津旅行のクオリティは飛び抜けて高い。「うつくしま、ふくしま」のキャッチコピーに偽りなし。福島の魅力は底が知れない。すぐにでも喜多方を再訪したいのは山々だが、11月以降の冬季降雪がオソロシイ。さらに山形県米沢市・喜多方間のR121が豪雨災害で通行止めになって久しい。次にさがので食事をするのは、米沢から南下できるようになってからとなるだろう。待ってろさがの!待ってろ太郎庵!。ありがとう喜多方!良い夢見ろよ!

2件のコメント

  • こんばんは。心と体の両方の栄養を付けたツーリングでしたね。こんな素晴らしい文化財が2件も残るといいうのは猪苗代湖の素晴らしさが引き寄せたとも言えるように思います。小学校の修学旅行で訪れた時、無知だったので、海かと思いました。磐梯山といい、猪苗代湖といい福島には良いものがあるのですね。
    それにしても、2kgというのはなかなかですね。200のステーキを食べられるのは、若い証拠だと思います。私は今は150が丁度です。体調も戻っているからこそ、食べられるとも思いますが。
    奥様孝行な二日間素晴らしかったですね。冬こもりまでのわずかな時間も楽しみましょう。

    • 特に峠を越えるのが危なくなる季節ですねぇ。また宮城県内の内陸部に詳しくなってしまう季節。11月半ばまで、もう少し足を延ばせるツーリングに行きたいものです。

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