盛岡・遠野・気仙沼2023 #3

2022年より始まった岩手探訪ツーリング、2023年第二次探訪はまず盛岡以東、遠野へ北から入る市道と道路番号もわからぬワインディングから着手。宮城県内と岩手県一関市・奥州市・花巻市・盛岡市と駆け抜ける歓びだった初日詳細は以下の第一章・第二章に詳しい。特に花巻市土沢以北のK43の田園パノラマは悶絶級の素晴らしさ。

第一章 / 第二章

k43oyamada

第三章 R106と市道横沢荒川線、そして遠野へ
二日目にしてこの日の行程こそが本命。宿を7:30頃に出発。向かう先が郊外だから渋滞などはないが、ちょうど岩手県庁裏に位置するホテルからの出発だったため市街地を抜けるには意外と時間がかかった。盛岡東警察署中野駐在所前の交差点を過ぎたとたんに走行車両が激減。遠野までの道行きを地図で示す。

hotel de nord
盛岡市・北ホテルのロゴオブジェ

盛岡市と宮古市をつなぐR106を走ってみて今回唯一の後悔となったのがその盛岡区間。立派な自動車専用道路になったは良いが、走って断然味わい深そうなのは旧道の方だっただろう。盛岡出身のデザイナーYさんとこの盛岡行前日に打合せを行った際、翌日のR106走行を世間話でしたところ、「あぁ、いいですねぇ。あの、山際が迫る狭い平地部分にちょこちょこと古い家々が点在してる様子が……」と目を細めていた。二日目は自宅に帰着する予定だった。だから旧道を選んだ揚げ句道に迷ってタイムロス……などというリスクを敢えて避けたのだが、自動車専用道路左右の高い防壁越しに見える集落や遠い山々の景色は、絶対に速度40-50km/h程度で味わうべきだったのだ。再訪の理由ができたと喜ぶべきか。

michinoeki yaho
道の駅やまびこ館

意外とすぐに宮古市に入っていたらしい。箱石でR106を降りると(この降り口もまったく目立たなくて要注意)、今度は市道横沢荒川線というワインディングロードに突入する。これはkikuchi大先輩にかつて猛烈プッシュされたルートで「横沢冷泉 静峰苑」なる旅館が目印。静峰苑を過ぎてからはロードスターの本領発揮。市道なのにワインディングロードと書いたのは、維持作業が徹底しておらず道路左右には大量の落ち葉枯れ枝が堆積しているから。せっかくの対面二車線路が事実上センターライン上を走らざるを得ない狭小単線路になっている。ソフトバンク回線のiPhone、iPadはとっくの昔に「電波がありません」状態。ここで自爆事故や車両トラブルなど起こしては「宮古に死す」になり兼ねない。落石や枯れ枝を慎重に避けつつ高度を上げていく。

yokozawaarakawa line1
yokozawaarakawa line2
kareha and kareeda
Oh No……

それにしても時折現れる果てしなく山並みが続くパノラマはどうだ。宮城県ではまず見ることができない。人工建造物がまったく見えない。道々の木々の緑もまだ春のフレッシュネスを保っていて美しい。木々の緑と大パノラマが交互に目の前に拡がる中を、幌を降ろし風を受けながら走る。もはや何も考えることができない。素晴らしい。

yokozawaarakawa line3
yokozawaarakawa line4
yokozawaarakawa line5
border of K25
急に人工建造物が登場して驚く
K25 to TOONO
このY字路、Googleのストリートヴューで見ても
木々に覆われていてよく見えない。
走行経験者としてサービス

途中K25を斜めに跨ぎ(西進すれば盛岡市のすぐ南、紫波町に抜けられるようだ。K25もいずれ走りたい)さらに細いワインディングに進んでいくと、唐突に宮古市と遠野市の自治体境界線が現れた。遠野市側に入ったとたん堆積した落ち葉も枯れ枝も消失し笑ってしまったが、これは一概に宮古市側の整備怠慢ばかりとも言えなさそうだ。なぜなら荒川高原側は常に強風が吹いている上に葉っぱを散らす大木も皆無となるからだ。本格的に高原に進入していくと、宮古市側とはまた違った山並みのパノラマがふいに現れる。もう今日はなんなのだ!目が嬉し過ぎて視覚野の記憶処理が追いつかない!

border of TOONO
ここまでの経路で一切の他車両と出会わずに済んだのは、
このバリケードが放置されているから……?
いずれにしてもラッキーだった
arakawa kogen1
遠野側に入ったとたんに景色が激変
arakawa kogen2
画像右奥には遠野市街地があるはずなのだが、見えない
arakawa bokujo

荒川牧場の早池峰を眺めつつ今度は緩やかに下り行程となる。この徐々に徐々に人里に近づく感じもまた捨て難い。遠野郷八幡宮付近でR340に乗ると、市街地を抜け道の駅遠野風の丘へ一直線。Google Mapで粗く計測すると、盛岡市内からここまでで約100kmの行程だったようだ。

michinoeki toono kazeno oka
道の駅遠野風の丘

実は遠野市内で昼食を摂るべくあれこれ調べてはいた。ほぼ唯一の選択肢「じんぎすかんあんべ」さんが定休日というトラップには早々に気が付き(定休日どころか改装工事中で食堂営業を休止していたのだった)、遠野に詳しいあにまるにおすすめ飲食店情報を求めてもいてリカバリ案は万全。だが道の駅到着時刻が10時少し過ぎ。店は開店前だし空腹でもない。遠野での素敵昼食を諦めて、そのあにまる指定のお土産品を購入後すぐに走り出す。さらに南下する次行程は気仙沼までのルートだ。第四章へつづく。

4件のコメント

  • おはようございます。今日三連投に気づきました。(遅い)大規模林道の写真をみて、一瞬頭がクラクラしました。何度か走った時の光景とあの爽快感を思い出してしまいました。そう!この道ですよ!もう、走りて~!!ですね。
    盛岡に一泊すると、岩手はいろいろ行けますね。盛岡までの下道もいろいろあって楽しいですよね。第1章と第2章も地図を印刷しました。私は東北道の西側を走ることが多いので、今後の参考にします。
    この続きを期待しています。

    • 東磐井広域農道に続き、この度は本当に美しい道路を教えていただきありがとうございます。想像以上に走り甲斐のある、かつ美麗景色満載のルートでした。宮古市と盛岡市の間も興味深い道路がたくさんありますね。参った。一度走って終わりじゃなくて、課題がどんどん増えていきます。
        
      今後は本格的に青森県との境目くらいまで北上するつもりです。今年中に満足できるくらい走ることができるかな……。岩手は広大です。

  • #4が楽しみでしかたありませぬ。
    川井住田大規模林道、荒川高原付近の景色は大変素晴らしいと私も思います。
    おおよそ100kmに及ぶ岩手の大規模林道で一番最後の開通区間で、路面もほどよく走りやすいですよね。
    ちなみに今回R106を右折された少し西よりを左折して北方向には、八戸川内大規模林道が控えています。
    こちらも大いにお勧めでございます。岩手北方面も素晴らしい道が多くありますので、是非直接お話しましょう 笑

    新設バイパスや無料区間ができた後の平行する旧道は、つとにお勧めです。
    元々国道であったりしますので走りやすく、人も車も僅少というおまけ付きです。
    たまに外れを引いてどえらいことになったりもしますが 汗

    • #4もMotiさんのようなツーリングジャンキーの方向けな狭小道路情報満載であります(笑)!お楽しみに。荒川高原、度肝を抜かれました。宮古側から下りて行ったのでなおさらだったのだと思います。
        
      R106から左折して北上するルートも、今回のプラン検討の段階で見つけてはいたのですが、遠野を絡めることを優先しました。いやぁ、こうなると2023年だけで岩手攻略完了できる気がしないです。二度、三度と行ってみたい道もありますし。今回走ったコースはまさにそれですし。
        
      新設バイパス+自動車専用道路完成後の旧道の素晴らしさ、ふだんあれほど自分で書いているのにR106ではうっかりしてしまいました。次回お会いできた際には、ぜひ佳き道路を教えてください。

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