タイヤ交換・貴族の仲間入り

当ブログコメント欄常連のA.Sudさんから走行距離僅少のタイヤとそこそこ年季の入ったホイールを譲っていただけることになった。ND5RC純正16インチホイールとそのタイヤサイズとはあれこれ違うため、まずはフィッティングしてみて問題ないなら買うということで話は進んだのだが、これが今のところ問題なくむしろいろいろ良い変化しかないという状態なのだ。

ND5RC and ADOVAN Racing RGIII

今回導入したタイヤとホイールは以下のとおり。タイミングは60,400km

タイヤ
ミシュラン パイロットスーパースポーツ 205/45/R17
 
製造2020年48週2021年42週(1本だけ21年43週)USA製造

ホイール
アドバンレーシング RGIII(ハイパーブラック)

17*7.0J P.C.D.100mm インセット47mm ボア63mm

フィッティングチェック前提だった懸念点は以下のとおり。

  • RGIIIは輸入車用。ボルトピッチM14でネジが切られている
  • センターボア径が異なる(ND5RCは54.1mm)。変換用ハブリングは現状で未所有
  • 純正16インチから17インチへのインチアップ
  • RGIIIのナット締めにあたってテーパー角度適合未確認
  • ブレーキキャリパーへの干渉有無が未確認

フィッティングの結果をざっくり書くとこれらは

  • ボルトとホイール側に切られたねじ山は干渉せず
  • たまたま導入していた社外ナットのテーパー角度がRGIIIと一致
  • ゆえにナット締めでセンターは出た
  • キャリパーとの干渉はなし

ということで問題なしと判断。購入に至った。ただしナットの固定だけでホイールを固定しておくことは不安だったので、63mm > 54.1mmの変換用ハブリングを別途購入することにした(センターキャップも同様)。

(株)レーヴ・インターナショナル
アルミ鍛造製ハブリング 63mm > 54.1mm

登場!
某日、A.Sudさんが曉スタジオに登場!
RG III and Pilot Super Sport
ホイールに若干のガリ傷はあるものの状態は上々。
さて、無事装着できるのか??
ボルト深度チェック
ボルト深度を慎重にチェック。
テーパー角度も問題なし!
イケそうです!
キャリパー干渉チェック
キャリパー干渉もギリギリクリア!

17インチへのアップも今のところ弊害なし。純正の足周りそのままなので僅かに車高が上がることになったが、トータルでの見た目に不満はまったくない。ホイールハウス内のタイヤ+ホイールの専有面積が増えると、車高はどうあれ見た目はマッシブになることを実感した。加えてインセット値も若干ではあるが増えたので、よりツライチに近づいた。このこともマッシブ化へ貢献しているのかもしれない。

massive
良い感じ

ホイールが問題なければあとはタイヤの吉凶である。しかし「貴族のタイヤ」ミシュランブランドは盤石だった。A.Sudさんに教わったところによれば、パイロットスーパースポーツは割と本気のスポーツタイヤ寄りの商品らしい。じゃあ熱が入らないと本領を発揮してくれないのか?熱云々よりもいわゆる剛直な印象のハイグリップ振動多めか?と心配した。入念なボルトチェックと空気圧チェックの後、曉スタジオ定番の試走コースへ持ち込んだのだが、冷えた状態ですら前任のディレツィアやル・マンを超えるしなやかさをまずは実感。おー!さすが!とはしゃぎつつ本番のワインディングへ入る頃に熱もきちんと入ったらしく、助手席のA.Sudさんが「変わりましたね!熱がちゃんと入った感じしますね!」と。激変ではない。が、確かに入力の丸め方やグリップの感触が変わる。

そういう変化を体感した上での感想だが、まず真っ先に言いたいのは完全にバランスしているレーダーチャートである。これまで筆者のロードスターは前:ダンロップ ディレツィアIII、後:ダンロップ ル・マンIVという前後異タイヤ構成で(なんでそんなことに?と言う方はこのエントリーを読もう!)、特にディレツィアはサイドウォールが硬めで、グリップを担保する力は相当だが、一方で路面不正からの入力を明け透けに伝えてくるタイプだった。しかしやっぱりミシュラン。入力の角の丸め方が絶妙である。もちろんスプリングやダンパー、その取り付け点の剛性などのタイヤ以外の緩衝要素は多数あるが、それら要素がむしろ非力とも言えるND5RCロードスターだからこそ、PSSの仕事っぷり・描写具合の凄みがわかる。一般道を交通法規の範囲内で少し元気に走る程度ならば、路面への食いつき(グリップ)、緩衝能力、静寂性、どれを取っても一級品である。また路面のグルービング加工に対してグリップが弱くなるいつもの瑕疵がない。

「だからこそミシュランを避けているんです」とA.Sudさんは言う。こんなに良いタイヤに依存するようになったらタイヤ性能検知能力が衰えてしまうのだそうだ。わかる。ミシュランから別ブランドへ履き替える理由が見当たらない。純正足周りのまま軽率にインチアップをして乗り心地がバタついて悪化するんじゃないかという懸念は筆者にもあった。だがとんでもない。むしろ車格が0.5段上がったような気さえする。特にディレツィアでは忙しくハンドル操作をしてまでマメに避けていた舗装荒れや段差・穴などは平然とその上を走っても平気だった。いつものコースのいつもの舗装荒れの上を走り抜けるたびに勝利宣言である。このタイヤは人をダメにする。タイヤについて探求することを忘れさせる。

その価格から某YouTubeチャンネルでは「貴族のタイヤ」と呼ばれているミシュラン。だから筆者も今後は貴族である。国王チャールズ三世からの連絡待ち。

12件のコメント

  • おー!
    横からの写真も、バランス良いですね。
    オフ会の時のタイヤホイールがHさんにいったのですね。?
    お次はダウンスプリングですね。?
    205になるとやはり安定感でますか?
    .
    ?ばかりで恐縮です。m(_ _)m

    • 私も紋次郎さんに伺いたかったことがあって。スタッドレスタイヤ用に124スパイダーのホイールを流用されてましたよね。そして16インチ比良くないとおっしゃっていたように思います。やはりバネ下重量増ネガだったんでしょうか。というのも今回の組み合わせ、本文に書いたようにバネ下がだらしなく暴れることもなくて、むしろ純正16インチ時よりもしっとりしてるようにすら思えるのです。ハードに攻めたらどうだかわかりませんが、ちょっとそこまでとか安楽に距離を稼ぐような走り方にはむしろインチアップした方が良かったのでは?とすら思います。
        
      まだハブ径変換カラーが届いてないのでハードに走るのはやめておいてるんですが。205に拡がってグリップ能力増というよりも直進安定性に貢献しているように思います。
        
      遠からず一度運転してみませんか?私ほどじゃないにせよ、積極的に指摘したくなるようなネガポイントはないと思います。

  • 是非是非、運転したいです❤️
    .
    990sのレイズze40からのアバルト流用のホイルはかなりの重量増でした。仰る通り直進安定性は増しましたが、重量増とタイヤがスタッドレスなのがネガ要素だと思います。
    気になるのはタイヤメーカーによると7Jサイズの指定は225or205でした。7J195では高速コーナー走行時に若干の不安があります。
    次のタイヤ交換時は205にしてみようと考えています。
    .
    ハブ交換終えたらダム裏走行会ですね。
    わくわくします!

    • 言われてみればスタッドレスタイヤ、そりゃそうですよね。じゃあ然るべきノーマルタイヤだったらどうだったのか……。やっぱり興味がありますね!ダム裏了解!今週中には届くはず。あとは天気ですなぁ。

  • こちらこそとても楽しい経験になりまして本当にありがとうございました!
    たいきくんタイヤ(※山形県の超ローカルネタ)を手放しで称賛するのは悔しいですが・・・やはり世界の一級品ですね。このブランドから脱会するのはなかなか難しくなりますww

    いくつか確認と補足です。
    タイヤ製造年週について、4本とも2021年製で1本だけ1週違いだったと思いましたが、私の見間違いでしたら大変申し訳ありません。
    このホイールの前オーナー車はミニクーパーS(R56型)です。輸入車ですが(少なくともR56型は)日本車と同様のナット締結だったため(私も初めて知りました)、RGⅢの日本車用ラインナップのホイールとの事。
    NDのスタッドボルト径はφ12㎜(M12)で、このホイールのボルト用バカ穴はφ14㎜(M14)に対応しています。ホイールとナットのテーパー角度(ネット情報によるとほとんどが60°)が一致しても、ホイール側の座面が広いためナットが(純正のM12用に比べて)若干入り込みます。商用車や廉価グレードの軽自動車のような貫通ナットであれば大きな問題になりませんが、一般的な袋ナットだと座面に当たる前にネジ山を使い切ってしまうのではという懸念がありました。もちろん座面形状やボルト突き出し量不足にならないか等の懸念もありました。そしてキャリパーをよけるかどうか・・・
    ブレーキキャリパー部の写真をご参照いただきたいですが、社外ナットは六角部よりも座面部が広い形状で六角部の前後長も長めになっています。ボルト突き出し量も純正ホイール状態とほぼ一致、座面長も十分と判断し本取り付けと相成りました。もしかしたら純正ナットでは上手くいかなかった可能性があり、すでに社外ナットを導入していたacatsuki-studio様のファインプレーと申し上げておきます!

    • いやまずタイヤの製造年週、ご指摘ありがとうございます。現物確認のうえ本文修正済ですが、2021年42週(1本だけ43週)が正解でした。玄関を出て見てくりゃいいだけの話なのに……。失礼しました。で、改めてお世話になりました。その後も良い調子です。リアだけもうちょっとツラに寄せても良いかもしれませんが、当面はこれで様子を見ます。

  • 130iで合計3回約80000キロPSSを使った元貴族のMotiです 笑。
    26000km/回で交換していたメンテ記録がありました。
    某国産系タイヤは20000km以下との記録から、
    値段対走行距離を考えると逆にお得ではと思っています。
    このため特に年間走行距離が少ない場合は、貴族タイヤになりますね 汗。

    山肌から水が道路を跨がる様な、ドライ路面から急な路面変化でも、
    運転感覚に変化が少なく感じる不思議なタイヤ。
    ”完全にバランスしているレーダーチャートである”とは、言い当て妙ですね。
    ツーリングを主としている自分には、ICEとSNOW路面以外ベストマッチです。
    (※PSSからDWSへ変更した自分では説得力にかけますね 汗)

    • いやいや「元」なんてとんでもない、今では乗ってるクルマが貴族じゃないですか!そして26,000kmで交換のデータ、たいへんありがたいです。あとでODDメーター読んで交換時距離数を本文に書き加えておきます。6万をちょっと回ったところなので、86,000km、ハチロクと覚えておけば良いですね!

  • おーっ!ホイールはMyミトと色違い兄弟です!鍛造に迫る軽さが売りなようなので、インチアップによる弊害があまりないのでは?しかし貴族のタイヤとは(笑)!ただ値段そのものに関してはいま国産メーカーのほうが割高ですよね。車種を選ばずユーザーを満足させるミシュラン恐るべし、が個人の印象なので続報楽しみです!

    • ご指摘のとおり、でかくなったけど飛び抜けて重くなったわけでもない、というところでしょうか。その後100kmくらい走ってますが印象が色あせるどころかどんどん良くなっていて、ホント、おそるべしなタイヤです。

  • アドバンのホイール良いですよね~
    我がFIAT500TwinAirもアドバンRZIIの15インチでスペックはFIAT500専用、特別なボルトもハブリングも不要です。
    鋳造ですが、軽量でただ軽いだけで無くて、フローフォーミング工法で外周が軽量なので車輪が軽快に回るのが実感出来ますね。
    比較的リーズナブルな価格で、量販品なので1枚だけの購入も可能な点も良いです。
    また、洗い易いのも良い点などなど、欠点が見当たりません。
    個人的にはキャップレス仕様は、アクスルナットが露出してサビサビになるのが好きじゃないです。
    FIAT500の15インチサイズではタイヤはPS3になってしまうのが残念ですが、今履いているPS3は3Set目、次もPS3以外考えられません。
    いつまでMICHELINがPS3のこのサイズを生産してくれるのか?気掛かりです。

    • おお、手練れのkumaさんが太鼓判ならますます安心ですねー。サイズや見た目の割に確かに軽いと思いました。私が譲り受けたのはハイパーブラックという色味なのですが、ウェブ画像で見る限りシルバーにしか見えません。実際初対面の時は「これでブラックを名乗るのか」と思いましたが、日光の当たり具合で色の濃さが変化するようで、なるほど黒みが強く見える時もありそういう面も気に入りました。洗いやすいってのはA.Sudさんもおっしゃってました(笑)。
        
      センターキャップ、ずぅっとネット検索したりカー用品店に出かけたりしているのですが、ネットには安っぽいのしかないし、扱ってない店舗ばかり!ホントにカー用品店かよ!アドバン純正を買えば良いだけの話なのですが、5,000円オーバーとちと勇気のいる値段。どうしたもんか。いや、買うと思いますが。

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