クローズドライフ

道の駅つちゆ

ロードスターの幌を開けて走っても購入当初の感動が薄まっている……。という愚痴のようなエントリーを上げたところ、心優しきヘンタイのみなさんから温かいコメントを多くいただいた。ありがとうございます。コメント欄でやり取りしているうちに、筆者の精神的背景には「オープンカーはオープン状態を念頭に設計・調整されているのだから、オープン状態こそが本来の姿であり、本来の乗り味を味わうにはオープンしかないっ!」という、ある種の原理主義が巣くっていることに気がついた。筆者はこういうことがよくある。鋭い諸ヘンタイ先輩方はそれを見抜き、「ま、気にすんな!」と、声をかけてくださった。改めてマクロ視点に移してみれば、クルマなんざ楽しんだもん勝ちである。そこを忘れちゃいけない。

一方で根本的な疑問も浮かんでくる。「ではNDロードスターのクローズド状態は不快なのか?」。筆者は単純な人間なので、急に毎日クローズド状態で運転してみることにした。感じたことを書いておきたい。

NDロードスターの幌は望外に吸音能力が高い。車内の静寂性の高さには、オープンカーを所有したことのある人は驚くと思う。筆者は驚いた。なぜならリア両輪のハブベアリングが臨終していたプン太郎よりも静かに感じるからだ。ただしサイドウィンドウよりも後ろ側は幌布地の層が少なく薄いのか、かなり音が進入してくる。つまり幌を閉じたNDロードスターの車内は、乗員の身体前面側は静かで、耳よりも後ろ側はそれなりにうるさいという不思議な音環境なのだ。これを良しとするかどうかはオーナー次第だが、側面後方視界が決して良くはないロードスターでは、後方からの音情報は安全確保の意味でも重要だ。やはりドアミラーとルームミラーだけじゃねぇ。見えないけどエンジン音が聞こえるな……と、気配を感じる程度の音漏れだから、決して不快なわけではない。

一方で心配なのは幌を閉じることによる剛性塩梅の変化。それも悪化すること。古のオープンカー、アルファロメオ スパイダー(916)でその激変ぶりを体験したことがある筆者としては、特に路面からのショックに必要以上にボディが共振してしまうとか、旋回中にボディの思わぬ部分が突っ張ってしまうとか、そういうネガティブな変化がNDロードスターに現れることを恐れていた。ところが幸いなことに、良くも悪くもそういう変化は現れなかった。少なくとも筆者にはまったく感じられない。これはNDロードスターのボディ剛性の按分が優秀だからとしか言いようがない。ひたすら固めて、急変の不安を払拭したというよりも、幌開閉時に差が発生しないように(あるいは発生してもごくわずかな)、要所を見切ったうえで調律しているのだろう。30年以上専用モデルを作り続けるとはこういうことか。素晴らしい。

道の駅林林館

もうひとつ、幌の開閉が実に簡単なこともくり返し書いておきたい。NDロードスターは5秒で開閉が終わる。それもシートに座ったまま片手で。良く考えられた素晴らしいシステムだ。先代NCを僅かな時間所有していたが、あっちは電動式ハードトップだったからNCの幌開閉を経験したことがない。巧妙な制音、開け閉めによるボディ剛性変化の少なさ、開けること閉めることへの心理的負担を軽減する開閉システム。このような要素組み合わせによるクローズド状態でNDロードスターを運転していると、クーペボディと大きくは変わらない快適性に嬉しくなってくる。ここにきて大枚をはたいて交換したドアスピーカー(とツィーター)とドア内部のデッドニングがようやく真価を発揮し始める。そんなわけで、NDロードスターの幌を閉めた状態には、筆者は積極的に好評価を出したい。快適です。

6件のコメント

  • よかったじゃん!
    オープンカーは開けたいときに開ける、閉めたいときに閉めることができるのがいいところなんだもの。本能の赴くまま快楽に身をゆだねましょう~
    とはいいつつ、やっぱり開けてナンボ、と思ってるんですよ。でも我慢することないし。
    そういえば、NCを買ったとき、クローズドでかなり快適なことに驚いた覚えがある。ハードトップだからなの?すごい!って思った。過去8台のオープンカー(キャンバストップを含む)を持っていたけど、やっぱり124がダントツに開けるのにストレスなかったもの。ND万歳。
    いやぁ、ホントうらやましい。開けたいときに開けられるなんて…。はぁ。

    • このブログ書いてきていろいろわかったり知ったりすることが多いですが、こういう「思考」そのものに影響受けることもあります。とは言え、やっぱり開けてナンボだと思いますよ(笑)。だって2座とか荷物を積めないとか、いろいろ捨ててるわけじゃないですか、開けるために。逆に言えば開けるためにあれこれ諦めてるわけで、じゃあ開けなきゃ損って話にはなりますよ、そりゃ。ただ修業じゃないんで、死ぬほど暑いとか、凍傷になるほど寒いとか、我慢してまで開けるこたぁないというのが今回の気付きであります。2回もエントリーを上げている割にはすごくシンプルな話ですが(笑)。
        
      にしても、せっかく大枚はたいたのに屋根ひとつ開かないなんて、ねぇ……。

  • こんばんは。閉めると後ろの方から音がする、私もあります。特にトンネルなどでは顕著ですね。まあ、幌は車体にパフっと置いてあるだけなので、当然と言えば当然なんでしょうが、もうちょっと静かだと最高なんですけどね。
    寒いのはどこまで耐えられるか一遍試してみては?もちろん氷点下なんかは論外ですが、意外と寒さはいけますね。私の場合は、10℃が目安です。それと日差しのあるなし。今の時期はいくらでも調節できますから、ゴールデンシーズンだと思います。私は頭の上を風がなぶっていくのが好きなのですが、頭にはニットキャップなどを被った法が望ましいでしょうか。それより、夏の昼間の方が耐えられません。

    • えーーっ!?以前宇都宮で後部座席に乗せていただいた際、「おおおぉっっ!やはり静か!これがっ!メルセデスの、高級車の吸音幌かぁ!」とえらく感動したもんですが、オーナー的にはまだ静音化への余地があるのですね……。アウディのA6(だったかな……)のコンバーティブルの幌は8層構造だそうで、ほぼクローズドモデルと変わらない静寂性とレビューで読んだことがあります。公式サイトを見にいってみたらもはや存在してませんでしたが(笑)。
        
      NCがまだ仙台にあった頃、真冬のオープンはやってみたことがあるんです。とは言え3-4度だったかなぁ。その時は運転していたのでまだなんとか凌げましたが、息子の運転で冬の夜のツーリングに付きあった時は、「マジで風邪ひく!!」と思いました。あの時も氷点下なんかじゃなく、ヒトケタ代の気温だったはず(初心者が冬の氷点下の夜にFRで走るのを勧めるわけないので)だし、かなり防寒していったんですけどね。運転はともかく、助手席でただ座っているだけだと覿面に寒いですね(笑)。あれ以来、冬季に開けることはやめたんです。確かにお日様の光の有無も大きいですが、運転中の運転手はちょっと感覚が狂ってると思ってます(笑)。

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    こんにちは。
    6日日曜日はオシカーズの大会ありますので、みなさまのエントリーお待ちしております。

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